視点

人は、どんなものに目を留めるのか、ということがRocoさんちで話題になっていた。
私は、といえば日々キョロキョロしていることが多くて、何に目を留めているのかよくわからない。
たとえば、今日。
お昼休みに信号待ちをしていると、風が非常に強く吹き始めた。
信号が青に変わったので渡り始めると、向こうからおじさんが頭を押さえて必死の形相で小走りに渡ってくる。
よくみれば、「カツラ」を押さえているのだ。
カツラのCMを見ていると、最近のカツラは本当によく出来ていて、ぐいぐいひっぱってもまったくぬけない。
そのおじさんが押さえていたのは、昔ながらのカツラである。頭にふわっとのせるタイプ。きっと、今日こんな突風が吹くことは予測していなかったに違いない。

と、そんなつまらないことも思わず観察し、いろいろと考察してしまう私って……。
商店街を自転車で走る時も、常にキョロキョロしている。
同僚は、自分の目的地いがいのことは一切考えず、脇目もふらずひた走るそうだ。
だから、あのお店でこんなバーゲンやってたでしょう？と言っても、あのお店がつぶれてこんなお店にかわっていたでしょう？と言っても
「知らん。」と一言で終わってしまう。
なのに。
上司は、今時やくざでも着ないような、凄い色のカッターシャツを着てきたりするのだが、それも同僚は気付かない。
だが、夏場、その上司がアンダーシャツを着ないで素肌にカッターシャツを着ていることは目ざとく見ていたりする。
いやはや、百人百様、人の視点と言うのは面白いものだ。

私も、誰かから見られているのかな。
ちょっと、恐いかも。