夏のストレス

モンダイなのは、通勤の往復時である。
片道20分弱の、日陰の少ない道を自転車でひた走る。
顔の日よけは、とりあえず帽子やサンバイザーで。
そこでもうひとつの課題、腕。
世の奥様方は、ほとんどが長い手袋をはめている。
お肌のためにはそれがいいのはわかるが、どうもあのスタイルに私は抵抗がある。
ストッキングのようにはめていることじたいを認識させないような作りならまだしも、夜会にでかけるかのごとき長手袋。
どうも、私は苦手だ。
しかし、野ざらしで放置しておくと、こんがりと焼けて冬になると知らない間にシミができていたりする。
長袖からにょっきりと出る手先が、日焼けしたりしていると気恥ずかしい思いをするときがある。

そこで、いろいろと思いあぐねた結果、日焼け止めクリームを塗っているのだが、これがまたストレスなのだ。
何がストレスって、まずそのニオイ。
そして、毛穴を完全密閉するかのようなカバー力。
水がかかっても、ちょっとやそっとで落ちやしない。
手を動かすたびに臭う、日焼け止めクリームの独特のニオイと、しっとり感ゼロの肌触り。
ああ、ストレスだ。
気にしなければ、なんということはないのだ。

だが、今までなりふり構わずに生きてきた節子さんは、先日もショックなことを言われてしまった。
小学校時代の恩師に会った節子さん。
92歳になるおばあちゃんセンセイから
「かわいそうになぁ。苦労したんやなぁ。綺麗な顔をしてたのにこんなにしおれてしまって・・・。まだまだ若いんやから、キレイにしときなさいよ。」
と、87歳のお姑さんに続き、またもやショッキングなひとこと。
今更ながらに、無防備な状態のまま、日向で動き回ったことを悔やんでいる。

そうなのだ、若い頃のツケは必ず歳を追うごとに出てくる。
ハツラツとしたカワイイおばあちゃんになるためには、面倒がらずに手をかけてやらねば。
やっぱり夜会スタイルで行こうかな。