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教育基本条例下の辻谷処分を撤回させるネットワーク

憲法に反する「君が代」条例ならびに公教育の理念に反する大阪の新自由主義的教育諸条例の廃止を求めます。

減給処分取消訴訟結審:原告最終意見陳述書

2016-04-11 13:02:48 | 当該より
本日、「君が代」減給処分取消訴訟結審しました。法廷で、最後の意見陳述を行いました。お読みいただければ、嬉しいです。


ー「君が代」不起立減給処分取消訴訟:最終意見陳述書ー

裁判官をはじめみなさまへ、本法廷において最後の陳述の機会を与えていただき感謝します。

さて、本裁判のなかで、私が一番情けない思いがしたのは、被告の準備書面にあった次の下りです。
「‥原告は入学式式場である体育館に無断で入場し‥」、
「‥原告は座席指定により空席がないことを知って丸椅子を持って無断で式場内に入り‥」

いったい、教員が入学式や卒業式に参列することに、誰の許可を受ける必要があるのでしょうか。それとも「君が代」に異議を表明する教員が入学式や卒業式に参列することは許さなれないのでしょうか。私はこれまでできる限り入学式や卒業式に参列して来ました。それは私の仕事だと思っています。だから、条例が施行され職務命令が出ても、私は、私の仕事をまっとうしようと考えました。

大阪府知事であった橋下徹氏は、メディアを通して「君が代」を歌わない教員はクビにすると何度も断言しました。それに対し当時の中西教育長は、やむなく通達を出しました。被告はこれを職務命令だと強弁します。しかし、これまで、どこの都道府県や市町村において、「教育長通達」を職務命令とした教育委員会があったでしょうか。教育長が教員に職務命令を発出できると認めるならば、今後どのような事態を招くとも限りません。教育委員会制度が改変された今日では、なおさらです。

少し話は変わりますが、今から10年ほど前、教員評価の給与反映の問題について、ある卒業生から、「評価が給与に反映され、それで働き方が変わるとしたら、先生たちの職業倫理なんてその程度のものなの?」と聞かれたことがありました。その時、これまであまり考えることのなかった「職業倫理」という言葉がとても印象に残りました。「君が代」条例が施行されたときも、その言葉が浮かびました。

「君が代」起立斉唱職務命令が出るまで、私は命令によって仕事をしたことは一度もありません。校長は、条例が成立した以上、仕方がない、命令に従わなければ処分されると何度も言いました。

私は、不本意であっても処分を避けるため命令が出た以上それに従うか、それとも私がこれまで教員という仕事を行うなかでできた職業倫理を重んじるか、考えました。そして、私は、これまでと同じようにしよう、条例や命令より自分の本意にしたがおう、すなわち卒業式に参列しようと決心したのです。そのために校長への説得をはじめあらゆることをやりました。私を参列させまいと座席指定がされた時、どうしてそこまで‥と思いましたが、それでも私の気持ちは変わりませんでした。

今、私は二つのことを危惧しています。
ひとつは日本の国全体の状況です。本年2月馳文部科学大臣が、国立大学として交付金をもらいながら「君が代」斉唱しないと言うのは自分の感覚からすれば恥ずかしいと言う趣旨の発言をしました。この発言ひとつを取ってみても、「日の丸」「君が代」の強制が、小中、高校ばかりではなく大学にまで及んで来たことが分かります。

そして、もうひとつは、「君が代」条例に即して出された職務命令に違反したとして、「君が代」不起立が、戒告処分にされ、次に減給処分にされることが認められたとしたら、、、、誰もが、職員基本条例にあるように、「君が代」不起立は免職すなわちクビもあり得ると恐怖します。教員とて労働者であり生活者です。不本意だがしかたがない―、そう考える教員が増えることは予想されます。

入学式や卒業式で、すべての教員が「君が代」を斉唱する構図ができあがったなら、次は生徒が歌わされます。戦中・戦後を生きた教員たちが痛恨の思いで残した戒めの言葉は今もあります。学校が戦争への道の片棒を担ぐことはあてはならないことです。

裁判長、全国で唯一教職員に「君が代」起立斉唱を命令し、不起立であれば免職まで規定する大阪府の条例はあまりにも危険です。どうか憲法に則った正しいご判断をお願いいたします。

「君が代」強制と育鵬社の教科書

2015-07-31 06:43:46 | 当該より
昨日、子どもに渡すなあぶない教科書 大阪の会主催による大阪市教育委員会との交渉に参加しました。

すでに大阪では、東大阪市や四條畷市で、育鵬社の教科書が採択されました。

今回の交渉で8月5日に大阪市教育委員会を開催し、社会科教科書のみ先行して採択する計画であることが明らかになりました。

戦争責任を忘れさせ、過去の戦争の歴史で何が起こったかを伝えずに歴史を作れば、必ず、子どもたちが戦争に兵士として駆り出される時代がやって来ます。そうしないために、育鵬社の教科書の危険性を伝えていくことが必要だと思っています。

以下、申し入れ内容

私は、❝君が代条例❞のもと、卒業式・入学式における「君が代」斉唱時の不起立により戒告処分、減給処分を受けました。現在、❝君が代条例❞の違憲性を訴え、処分取消訴訟を起こしています。「教育基本条例下の辻谷処分を撤回させるネットワーク」とは、文字通り大阪の教育条例のもとでなされた「君が代」不起立処分とその撤回を通して多くの方々とつながり様々な問題について考えていこうとするネットワークです。

私が「君が代」起立斉唱できない理由のひとつは、近代における戦争責任を日本が明確に果たしていないことにあります。育鵬社の歴史教科書は、日本の戦争責任をますます曖昧にするだけでなく、過去における戦争を美化する傾向さえみられます。

かつて私の母は、戦時における教育において、戦争を肯定し お国のために戦うことこそが自分の使命、とまで考えるに至ったと言います。母をそのようにしたのは、「日の丸」「君が代」ばかりではありません。シンボルを裏付けるには「物語」が必要です。母の時代、国定教科書の記載された数々の「物語」が母たちの心に焼き付いたからこそ、お国のためには死をも恐れない少国民や軍国少女が生まれたのではないでしょうか。日本が過去に犯した過ちと向き合ってこそ平和を祈念する心は生まれます。育鵬社の歴史教科書は、近代の歴史的事実から目をそらさせ、日本をアジアから、いやそれだけではなく世界から孤立させることにもつながりかねません。

また、私がここで言うまでもなく、中学校公民教科書は、歴史や政治・経済を学ぶことによって、現代社会に主体的に参加する態度や、より平和でより民主的な社会を創造する力、すなわち市民的資質を育成することがその目的にあります。公民とは、すなわち市民、しかも世界の人々から受け入れられつながりあえる市民です。ところが、育鵬社公民教科書では、私たちの最高規範である日本国憲法の精神が歪曲されています。日本国憲法の精神とは言うまでもなく基本的人権の尊重、主権在民、平和主義といわれるものですが、育鵬社公民教科書は個々人の権利より国家を優先する記述がしばしば見られます。

そして、私の立場からさらに言いたいことは、国旗・国歌の問題について、憲法・国旗国歌法・学習指導要領から逸脱した記載さえある点です。憲法をはじめ、どの法律をとっても、「日の丸」「君が代」の尊重義務についての規定はありません。ところが、育鵬社版公民教科書は、明らかに「日の丸」「君が代」尊重義務感へ誘導するかのような記述があります。そのうえ、他の記述についても歴史教科書と同じくアジアの人々との連帯を強めるどころか、その阻害を招く危険性さえあります。
よって、育鵬社版「歴史」「公民」の教科書採択については慎重にご協議くださいますようお願いいたします。政治的判断によるのではなく、子どもたちが過去の歴史事実に向かい合い、未来に向けてアジアの人と連帯し、ともに平和を築くことができる公民すなわち市民として育ち得る教科書をご審議のうえ採択いただきたくよろしくお願いします。

本日、戒告処分取消集団訴訟の1人として大阪地裁に提訴します

2015-07-09 09:06:14 | 当該より
みなさまへ

本日、2012年入学式で受けた戒告処分取消に向け、グループzaza7人で集団訴訟を起こします。

2011年6月「君が代」強制条例が大阪維新の会の数の力により強行採決され、翌年3月には、その処分条例とも言うべき職員基本条例が制定されました。

いくら何でもそれはあかんやろ
それが許されるんやったら、今まで学校で
話し合って来たことは何やったんや
政治がそこまで決めたらあかんやろ

処分されたくないなら、立て歌え
それだけは絶対に認めたくない

そんな思いでした。

私は入学式に参列し「君が代」斉唱時には、これまで通り立ちませんでした。
処分されることは分かっていましたが、それでも、いや、それだけに私は橋下さんの言う「大人の知恵」を使いたくはなかったのです。

決して後悔していません。今、戒告処分取消集団訴訟を起こすに当たって、これほどまでに「君が代」が強制される理由をみなさんとともに明らかにしていきたいと思っています。

本日(7月9日)、私たちは「君が代」不起立戒告処分取消の集団訴訟を大阪地方裁判所に提訴をします。

これほどまでに「君が代」が強制されるのはなぜか?その先にはどんな教育があるのか?多くの方々とともに考えていきたいと思います。

本日の予定

15:15
大阪弁護士会会館1Fロビー集合
原告、弁護団、支援者、、多くの方々に集まっていただきたいです。

※大阪弁護士会館は、京阪淀屋橋駅下車、裁判所の東側すぐにあります。

15:30
大阪地方裁判所で訴状提出

16:00
大阪司法記者クラブで記者会見(傍聴可能)

17:00
提訴報告集会
大阪弁護士会館1205号室

支援と連帯をよろしくお願いします!

ウチの子、ゼッタイに戦争なんか行かさへんで。

2015-02-08 21:54:02 | 当該より
なぜ、私たちが「君が代」強制に抗うのか?いや、そもそも、なぜ「君が代」をこれほどまでに強制するのか?「君が代」強制のその先にあるものがだんだん見えて来た今こそ、私たちが、その流れを押しとどめる責任があるように思います。

2.11集会が近づいて来ました。ぜひ、ご参加くださいますようお願いします。