かずくんです。
福島正伸さんのブログで以下のようなお題で物語を考えるチャンスをいただけた時のことを思い出しました。
【ウサギの目が赤いのは】
また一つ,心の中が整理できたように思います。
(そのときのコメント欄に書き込んだ内容から引用)
ありがとうございました。
福島正伸さんのブログで以下のようなお題で物語を考えるチャンスをいただけた時のことを思い出しました。
【ウサギの目が赤いのは】
また一つ,心の中が整理できたように思います。
(そのときのコメント欄に書き込んだ内容から引用)
【今もうさぎの目が赤いのは・・・。】
2006-05-14 03:00:14
今もうさぎの目が赤いのは・・・。
都会に住む緑目のウサギがいた。
住んでいた其処は国一番の大都市から電車でわずか1時間の所だ。
そんな環境の中でウサギは自由奔放に伸び伸び,と,云うよりは傍目から見れば野放図で自分勝手に育っていた。
学校では,そんなに勉強をするわけでもないが,好きな科目は宿題をしなくてもそこそこの成績だし,足も速くクラスの中でも割と目立っていた。
友達との関係も,たまに大げんかもすることはあったが,終わったあとはあとくされが無い。仲良くできた。
学年も進み好きな娘との甘い想い出も。
何事も思いとおりでウサギは有頂天だった。
そんなウサギは,ある日父の仕事の都合で都会を離れ,家族とともに大きな山のふもとに引っ越してきた。
そこにあったのは雄大な自然。
目の前にそびえる大きな山と初めて見る荒波の押寄せる海だった。
いままでと違う風景,今までと違う言葉,ひとびと,戸惑い。
そんな環境に最初のうちはなかなか馴染めずにいた。
そんなある日,うさぎに転機がおとづれる。
学校でのお昼休み,いつも遊ぶ仲間と一緒に体育館でボール遊びをしていた。
ウサギは足が強く,ボールを蹴るのが得意だった。でも,大変なことになるので,あまり本気では蹴らない。
そんな時,一緒に蹴って遊んでいた友達が思いっきり蹴り上げてしまい,体育館の照明の一つを,壊してしまったのです。
すぐに先生達がやってきました。
先生「ココでボールを蹴って遊んでいたものは申し出なさい。」
ウサギは答えました「遊んでいました」と。
でも,他の友達は一人も申し出ませんでした。
先生「じゃあ,お前が壊したんだな?」
ウサギは自分が壊したのではないとだけ言いました。
先生「じゃあ誰が壊したんだ?」
ウサギは涙をこらえながら,ただただ,黙っているだけでした。
すぐさま,全校生徒に体育館に集合の号令がかかりました。
そして,全員揃った生徒達の前で,壇上,ウサギは涙ながらに謝罪の言葉をつぶやきました。
「体育館でボールを蹴ってゴメンナサイ。もう二度としません。」
結局,先生達には,他の生徒から「アイツモ,アイツモ一緒にやっていた」との報告もあったようですが,なぜか先生達はそのことについては全く取り上げず,問題は収束しました。
またある日,宿題を忘れてしまいました。
そのとき,照明を壊してしまった友達も一緒に忘れていました。
実は,この子,その土地の名士の息子で,学校でも一番の秀才。
そのときの対応は,ウサギは往復ビンタ数回。友達は注意のみでした。
翌日,ホームルームの時間。
ウサギは勇気を出して先生に訴えました。
「先生は,ウサギを差別している」
先生は答えました。
「差別ではなく区別しているんだ。生意気なことを言うんじゃない。」
まだ,幼かったウサギは,その先どうして良いか分からず。
机に伏したまま,涙をかみ殺すだけでした。
でもウサギには,色々慰めてくれるよい友達がいました。
翌日には気を取り直して一日も休むことなく学校に通い,それなりに楽しく生活を送りました。
そして,卒業の日がやってきました。
卒業証書を受け取り,晴れ晴れしく卒業を迎えることができました。
式も終わり,帰ろうと思ったときに校門の石碑の前に,先生が立っていました。
先生「ウサギ記念に写真でも撮ろう」
この日まで,目の敵だと思っていた先生からの提案。
正直,ただただ,驚きだけでした。
そして,お互い肩を組んで「ピース」しながら笑顔で撮影を終わらすと,おもむろに先生が口をあけた。
「ウサギ。お前にはつらく当たったが,期待が大きいからこそ,この一年間その想いをお前に伝えるよう努力したつもりだ。明日からはここから巣立ってまた一人で歩み始める。将来,自分はこれだと胸をはってこたえられること一つでも多く身につけようね。」
そのときウサギは,先生の真意を今まで理解できていなかった自分に腹が立ち,その目からは大粒の涙がとめどなく流れ落ちてきました。
それ以来,緑だったウサギの目は,感動の涙で真っ赤になったままです。
成長し社会人になった今でも,どこかでその教えを胸に,ハツラツとがんばっています。
先生。ありがとう。
--(今もうさぎの目が赤いのは・・・。終了)----------------------
2006-05-14 03:00:14
今もうさぎの目が赤いのは・・・。
都会に住む緑目のウサギがいた。
住んでいた其処は国一番の大都市から電車でわずか1時間の所だ。
そんな環境の中でウサギは自由奔放に伸び伸び,と,云うよりは傍目から見れば野放図で自分勝手に育っていた。
学校では,そんなに勉強をするわけでもないが,好きな科目は宿題をしなくてもそこそこの成績だし,足も速くクラスの中でも割と目立っていた。
友達との関係も,たまに大げんかもすることはあったが,終わったあとはあとくされが無い。仲良くできた。
学年も進み好きな娘との甘い想い出も。
何事も思いとおりでウサギは有頂天だった。
そんなウサギは,ある日父の仕事の都合で都会を離れ,家族とともに大きな山のふもとに引っ越してきた。
そこにあったのは雄大な自然。
目の前にそびえる大きな山と初めて見る荒波の押寄せる海だった。
いままでと違う風景,今までと違う言葉,ひとびと,戸惑い。
そんな環境に最初のうちはなかなか馴染めずにいた。
そんなある日,うさぎに転機がおとづれる。
学校でのお昼休み,いつも遊ぶ仲間と一緒に体育館でボール遊びをしていた。
ウサギは足が強く,ボールを蹴るのが得意だった。でも,大変なことになるので,あまり本気では蹴らない。
そんな時,一緒に蹴って遊んでいた友達が思いっきり蹴り上げてしまい,体育館の照明の一つを,壊してしまったのです。
すぐに先生達がやってきました。
先生「ココでボールを蹴って遊んでいたものは申し出なさい。」
ウサギは答えました「遊んでいました」と。
でも,他の友達は一人も申し出ませんでした。
先生「じゃあ,お前が壊したんだな?」
ウサギは自分が壊したのではないとだけ言いました。
先生「じゃあ誰が壊したんだ?」
ウサギは涙をこらえながら,ただただ,黙っているだけでした。
すぐさま,全校生徒に体育館に集合の号令がかかりました。
そして,全員揃った生徒達の前で,壇上,ウサギは涙ながらに謝罪の言葉をつぶやきました。
「体育館でボールを蹴ってゴメンナサイ。もう二度としません。」
結局,先生達には,他の生徒から「アイツモ,アイツモ一緒にやっていた」との報告もあったようですが,なぜか先生達はそのことについては全く取り上げず,問題は収束しました。
またある日,宿題を忘れてしまいました。
そのとき,照明を壊してしまった友達も一緒に忘れていました。
実は,この子,その土地の名士の息子で,学校でも一番の秀才。
そのときの対応は,ウサギは往復ビンタ数回。友達は注意のみでした。
翌日,ホームルームの時間。
ウサギは勇気を出して先生に訴えました。
「先生は,ウサギを差別している」
先生は答えました。
「差別ではなく区別しているんだ。生意気なことを言うんじゃない。」
まだ,幼かったウサギは,その先どうして良いか分からず。
机に伏したまま,涙をかみ殺すだけでした。
でもウサギには,色々慰めてくれるよい友達がいました。
翌日には気を取り直して一日も休むことなく学校に通い,それなりに楽しく生活を送りました。
そして,卒業の日がやってきました。
卒業証書を受け取り,晴れ晴れしく卒業を迎えることができました。
式も終わり,帰ろうと思ったときに校門の石碑の前に,先生が立っていました。
先生「ウサギ記念に写真でも撮ろう」
この日まで,目の敵だと思っていた先生からの提案。
正直,ただただ,驚きだけでした。
そして,お互い肩を組んで「ピース」しながら笑顔で撮影を終わらすと,おもむろに先生が口をあけた。
「ウサギ。お前にはつらく当たったが,期待が大きいからこそ,この一年間その想いをお前に伝えるよう努力したつもりだ。明日からはここから巣立ってまた一人で歩み始める。将来,自分はこれだと胸をはってこたえられること一つでも多く身につけようね。」
そのときウサギは,先生の真意を今まで理解できていなかった自分に腹が立ち,その目からは大粒の涙がとめどなく流れ落ちてきました。
それ以来,緑だったウサギの目は,感動の涙で真っ赤になったままです。
成長し社会人になった今でも,どこかでその教えを胸に,ハツラツとがんばっています。
先生。ありがとう。
--(今もうさぎの目が赤いのは・・・。終了)----------------------
ありがとうございました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます