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『RRR』…観れば血流ナイアガラのごとし

2022-11-07 13:56:52 | 映画-あ行

 『RRR』、S・S・ラージャマウリ監督、2022年、179分、インド。N・T・ラーマ・ラオ・Jr、ラーム・チャラン。

 第88回ニューヨーク映画批評家協会賞、監督賞。第80回ゴールデングローブ賞、作品賞(非英語作品)ノミネート。オリジナル歌曲賞(「Naatu Naatu」)受賞。

 

 インドの超巨大アクション・エンターテインメント。

 『トップガン-マーヴェリック』同様、このジャンルは結構好き嫌いがあると思うけど、個人的には、いや~改めて好きだぁ!

 

 それで、この映画の何が凄いって、とにかく人間パワーとエネルギーが凄い。心身ともに。

 IT大国インドとは言え、そんなもん関係ねぇ!とばかりに、血をたぎらせる訳ですよ。いや、VFX技術とかも凄いんですよ、そりゃ。大金掛けてますし。インド映画史上最高額の、製作費約97億円。聞いた話では、今夏の『キングダム2』は約20億円。それでも日本映画破格の最大規模(プロデューサーによると「普通の映画の約7本分」)と言われるんだから、桁違いです。

 ちなみに『トップガン-マーヴェリック』は、約218億円。ハリウッドでは、まあ多い方かな?位だそうで、日本映画にももっとお金を掛けられたらなぁ・・と普通に感想が出ます。

 

 お金の話はさておき、さて、画面からほとばしるこの沸騰した人間力。

 大体主人公が、ひげ面のおっさん二人ですからね。映画の中では「分かったな、ヤングマン」とか呼びかけられてますが、まあ高校生ではないんですよ。幾つの設定か知らんけど、存在の説得力が凄い。(ちなみに主演の二人は、現在40歳と38歳なので、撮影時は30代後半ってところでしょうか。)

 そして冒頭しょっぱなから、がんがん差し込まれる群衆シーン。

 もうむやみやたらと人数が多い。もみくちゃにされたり、うわーっと寿司詰めで取り囲んでいたり、と思ったら、突然整然と組み体操みたいな、わーきれいだなーなんて(笑)

 動物力ももちろん爆発。

 良く見ると動物の毛並みがちょっと荒い?画もありましたが、もうそんなん関係ないんですよ。動きですから。動き。

 

 動きと言えば、ダンスです。

 インド映画と言えばダンス。

 このインド映画お決まりのダンスシーンには、「いや、急に?」と違和感を感じられる人もおられると思いますが、この映画では割と「急に」感は感じませんでした。没入しすぎて自分が気づかなかっただけかも知れませんが。

 ダンスシーンは、家に帰ってからYouTubeで何回も見てしまいました(楽しい!)。念の為(?)貼っておきますね↓

 (これだけ先に見ると、「急に」感が強まる可能性があるので、既に本作を観た人用でお願いします。)

 

Naacho Naacho (Full Video) RRR - NTR, Ram Charan | M M Kreem | SS Rajamouli | Vishal Mishra & Rahul

 

 ちなみにこの動画、半年で約1.8億回再生されています。うち何回かは私です(笑)

 主演のお二人は、インタヴュー映像を見る限り、とても奥ゆかしい物腰、また謙虚で静かな微笑みを絶やさない好紳士ですが、このシーンを見れば恐怖さえ覚える強靱ぶり。CGじゃないですよ(笑) ちなみにダンスシーンは、ウクライナはキーウのマリア宮殿にて、戦争前に撮影されたそうです。

 ついでに、もう一つ。

 こちらも既に観た人用なので、これから観るという方は目を瞑り、サムネイルも見ないようお願い申し上げます(汗)

 

映画『RRR』最強の肩車

 この足腰と体幹です。人知を更新した動くマッチョとはこの事。秒で入る(笑)スロー再生もぐっと来る!!インタヴューによると、監督は「動物たちの伸縮性、特に伸びる方」のイメージを取り込めたら、と良く考えるそうです。

 

 

 で、結局はどんな映画なの?

 という訳で・・舞台は1920年代の英国領インド。

 独立運動が高まり、ガンジーが表舞台に現れたのもこの頃。当時の、実在の抗英闘争の英雄のうち二人を下敷きに、インドの『ラーマーヤナ』『マハーバーラタ』という2大叙事詩の登場人物のイメージを重ね合わせたそう。最後はもう武神でほぼ神話になっちゃってます(これは個人の感想)。

 二人のキャラクターは、森の穏やかな少数民族出身のビームと、都会人で知識人のラーマ。

 名前も実在人物と同じだけど、実際にはこの二人は出会ってはいないそうです。そこを、架空の出会いと友情で繋げたらどうなるだろう、という発想から出来たストーリーとのこと。

 

 

 3時間と、上映時間も熱々です。インド本国では休憩があるようだけど、日本では無し。

 しかし想像をはるかに超えた怒濤のアクションと展開が、これでもかこれでもかと休むことなく繰り広げられ、3時間はあっという間でした。

 シーンごとの映像もきれいでした。

 

 一切泣かせに来ない、感動巨編。いや~、これは。

 3時間あるのに、もうまた観たい(笑)次はIMAXで観たいなぁ。これは、今年の1,2を争う傑作かも。

 

 

これだけ見ると、どうなっちゃってんの?というカットだけど大丈夫です。(何が)↓

果てしなく期待が膨らむ冒頭シーン↓

ほのぼのシーンもあります↓

「RRR(アールアールアール)」とは、監督と主演二人の頭文字。仮称だった呼び名がそのままタイトルに。英語圏では「Rise(蜂起)Roar(咆哮)Revolt(反乱)」、本国テルグ語、タミール語等では「怒り、戦争、血」の意味のRの入った語が、サブタイトルに付いているそう。↓

気になった方、まだ映画館でやってますよ!(笑)大画面でぜひ。



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