意思による楽観のための読書日記

タイムライン(上・下) マイクル・クライトン ****

14世紀の中世フランスに歴史学者とその生徒たちが送り込まれる、という話、映画であれば大冒険活劇になること間違いなし。前半は歴史学者で大学教授のジョンストンと助教授のマレク、そして学生のケイトとクリス、そしてスターンたちが中世の城と城下町の発掘をする現場、そして最先端の電子機器を開発する会社ITCで起きた社員失踪事件と疾走した社員が歩いてはとても行けないような砂漠の真ん中の道で歩いているところを発見される。発見直後は元気だったその男は病院に運ばれてすぐに死亡する、いったいなにがあったのか。指先へとつながるはずの動脈が繋がっていなかったことがMRIで分かる。それまで生きてこれたことが不思議な状況で、砂漠で発見されたのに汗もかかず、脱水症状にもなっていなかったのだ。

ジョンストンはこのITCから資金援助を受けていた。そしてある日急に教授がいなくなったのだ。そしてマレク達の発掘チームは中世の遺跡から見つかるはずのない眼鏡のレンズを見つけ、そして中世の羊皮紙にジョンストン教授の筆跡で書かれた文字”Help me!”を発見し混乱する。

ITCは過去のある地点に人を転送して戻すことができる装置を開発していたのだ。何人かの社員をすでに過去に送り込み、過去の調査をしてきたITCは、歴史学者で14世紀のフランスに詳しいジョンストンをカステルガール城に送り込んだ。そして直ぐに戻るはずだった教授がなにかのトラブルに巻き込まれたと考えたマレク、ケイト、クリスはITCの護衛者とともに教授が送り込まれた14世紀フランスのカステルガール城に行く事を決意する。ここまでが上巻。

下巻は手に汗握る学生とマレクの活躍物語で、中世の騎士や兵隊たちとの戦い、そしてジョンストン教授の捜索、果たして4人は帰還できるのか。送り込まれた地点に突然現れた6人の騎士に護衛者は首をはねられ、護衛者が持っていた帰還のために必要なスイッチも破壊されてしまう。マレクたちが現代に帰還することができなくなる。そして騎士達に追い詰められたもう一人の護衛者は手榴弾を持ったまま現代への帰還スイッチを押し、自分だけを送り返し、戻った現代のITCで手榴弾が爆発、帰還に必要な装置や機械類に壊滅的な被害を与えてしまう。帰還までに残された時間は装置の限界、37時間、そのことをどのようにしてマレクたちに伝えるのか、現代に残った学生スターンはなにか方法はないかをITCの学者たちを考える。ITCでは一つ前の世代の時間移動装置を持っていたが、完全なものではない。しかしその一世代前の装置を使えば、14世紀にカメラやマイクを送り込みマレク達の生存っやメッセージを伝えることができるとスターンは考える。

一方、ジョンストン教授は修道院に入り込み、歴史や科学知識から賢者と呼ばれている。しかし14世紀の貴族同士の抗争に巻き込まれ捉まえられてしまう。教授救出に向かう3人、それを邪魔する中世の騎士たち、暗号解読、歴史の謎解き、残酷な中世の雰囲気、不潔な街、14世紀当時のイギリスとフランスの関係、当時の城や家屋、川の流れを利用した水車小屋と製粉、製鉄、火薬製造など映画化すれば面白い絵になりそうである。3人の活躍も映像化すれば「レイダース 失われた聖櫃」や「インディー・ジョーンズ」シリーズのような作品になるはず、2004年に日本でも公開されたというがどうだったのだろうか。


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