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ワンダフルなにか ビューティフルだれか

並べてみると 輪郭がつかめるかもしれない

今年のベスト本など

2013-12-31 12:42:56 | 今年のベスト


ひとつひとつ個別に言いたいことがあるものばかりなのだけど
気づけば今年最後になってしまった。

■かぐや姫の物語 スタジオジブリ
 なんといっても今年はこれ。これしかない。
 一言じゃ言えないくらい良かった。すべてが良い。
 「かぐや姫と天女は同一人物」という自分と同じ解釈をしてる人が見当たらない。

■一枚の絵から(海外編・日本編) 高畑勲
 今年は高畑勲関連の本を読みあさっていたがその中でこの二冊は
 絵画の楽しみに目覚めるきっかけとなった。絵は生で見ないと面白さがわからない。
 教養のある人が肩肘はらずわかり易い言葉で語ってくれる本は面白い。

■忘れえぬロシア展図録
 古本屋でこの図録を何となく手にとったのが運命の出会い。
 2009年に巡回展示された「「忘れえぬロシア-リアリズムから印象主義へ」の図録。
 19世紀後半のロシアの画家たちの描くロシアの空気がとても印象に残った。
 宮崎駿風立ちぬでレヴィタンを参考にしたというエピソードを知り、
 本当に今年はジブリに縁があると思った。
 レヴィタンよりもアルヒーポフやレーピン、シーシキンが個人的には好きだ。
 トレチャコフ美術館が今一番行ってみたい美術館だ。

■ブラックサッド フアンホガルニド
 ここでも書いたがBDの大名作。読みやすくて面白い。今年はガルニドが来日し講演も聴いた。
 ガルニド自信が好きだと言っていたスペインの画家ホアキンソロヤを知れたのは大きかった。

■いろんな気持ちが本当の気持ち 長嶋有
 ここでも書いたが「誰かの心に刻みつけるには、あわよくば有効に作用させたければ、
 言葉そのものに、それをつかみ取るための形が与えられなければならない。」
 「芸があるから好き」などと安易に表現してしまう事が多いが、さすが長嶋有。
 言葉に限らず「つかみ取るための形」が創られているかを感じ取っているのだな。
 
■虫けら様・こんちゅう稼業 秋山 亜由子
 数年前からちゃんと書こうと思っていたのに全然書けない。
 短篇集なのだがどれも本当に素晴らしい。秋山亜由子はほんとうに素晴らしい。
 今は漫画は描いておらず絵本やイラストを描いてるのだが漫画もまた描いて欲しい。
 今年は個展にも言った。

■別冊太陽柴田是真
 高畑勲きっかけで知った。この人によって蒔絵に目覚めた。
 これに載っている「闇夜桜扇面蒔絵書棚」「流水蝙蝠角盆」をはじめて見た時はもう…
 全てがシャレまくっている。
 是真をもっともっと知りたい。

■食の軍師 泉 昌之
 ブルボン小林がいなかったら読んでなかった。
 食を戦ととらえ、飲食店で一人いい感じで注文をしておいしく食べることができたら
 勝利という漫画。これぞ漫画!とノーガードで楽しめる漫画。
 ラジオ「コミック末端通信」が終わってしまったのが悲しい。

■新黒沢 最強伝説 福本伸行
 死んだと思っていた黒沢が帰ってきた。
 連載もののマンガを買わなくなって久しいがこれだけは気になって購入。
 全作が原因で身体が動かなくなって寝たきりの黒沢が合コンに行きたいためだけに
 ベッドから立ち上がる回のタイトルが「クララ」。
 外の世界を自分の足で歩きたかったクララと全く同じ理由!!
 この回を読んだ瞬間に今作も名作と決定された。
 今年はジブリに縁がありすぎる。
 
■夢路いとし喜味こいし 漫才傑作選 ゆめ、よろこび しゃべくり歳時記
 DVDボックス。何度見ても面白い。「つかみ取るための形」がありすぎる名漫才。
 いとし師匠がツッコミであるこいし師匠を鋭くツッコミ返す瞬間が好き。
 「ジンギスカン料理」「ポンポン講談」はなんども見ている。
 海原お浜・小浜やフラワーショウなど上方演芸で好きになったものが多い。

■志らく 第五集「青菜」「粗忽長屋」「品川心中 上下」 立川志らく
 このDVDというより志らく師匠。一番多く生で聴いている落語家。
 いろんなネタを「落語国」という仮想世界の一場面と捉えて繋げていくひとり会は
 毎回面白い。

■ひとりの二人 北島三郎
 今年古本屋で出会った最大の掘り出しもの。棚から本が呼んでいた。紅白最後の2013年に
 こんな本に出会うとは。
 何がすごいかって写真なんだけど、若かりし頃のギラギラしたヤング三郎がカッコ良すぎる。
 何の説明もなくレコード屋に飾ってたらソウルシンガーにしか見えない。
















今年のベスト本たち

2012-12-30 20:40:54 | 今年のベスト


年の瀬の整理がてら今年読んでグッと心惹かれた(と現時点で感じた)
本を抜き出してみた。

発売年関係なし。
初読再読関係なし。









<本>
内容もさることながら触りごこちNo.1は間違いなく思想地図。
宮崎哲弥&呉智英はこの動画からの一連の流れでつぎはぎ仏教入門とともにとても刺激を受ける。
斎藤環は「フェイクの伝統」や「男とファンシーの親和性」についての気づきを与えてくれた。
落語入門は「話芸を文字から入っちゃいかんだろ」とあえてずっと読んでこなかったが、
もうそろそろいいかなと思って手にとった最初の落語本。興味対象が広がった落語「本」入門
としても最適の一冊。
中国化する日本は言わずもがなの話題本。
山口晃の美術史はとにかく楽しい。へぇ~。ほぉ~。はぁ~おもしろかった。
谷啓の文章は優しくて狂ってて面白い。東京オリンピックの選手に間違われたくてジャージ姿で
駒沢競技場をうろついたり、究極のコーヒーを淹れるためにションベン漏らしたりしてる。
千夜千冊のサイトをまたちらほら読みだしたので棚に眠っていた虎の巻を。
「粋というものは芸そのものの深みではなくて、その芸を風に受けて
 日々の浮世をおくっている人々のほうに感じる」
とあり、これは粋だけではなく様々な「素敵だ」と思える事柄、瞬間に通じる言葉だと思った。
4時のおやつは昨今のグルメドラマブーム(?)にのってドラマ化してくれないかしら。
安吾は堕落論がなぜかやけに沁みた。

<マンガ>
海外マンガフェスタがはじめて開催された年だったので多く触れたけど、
ブラックサッドはストーリー、作画ともにもっと幅広い人が好きになれる作品だと
思うだけに判型や値段(に対する頁数)がネックになってしまってるのが残念。
飛鳥新社と早川書房で話をつけて完全版を一冊で出してくれないかしら。
谷口ジローと衿沢世衣子は安心、納得の贅沢なマンガの時間を今年も与えてくれました。
どうもありがとうございます。

<番外>
本ではないけれど今年挙げるべきもので朝ドラのカーネーションは外せない。
こんなにドラマにハマったのは初めてだと思う。
第一回、二人の糸子のこの歌からはじまって、その時にもう予感はしていたがとにかくハマった。
NHKオンデマンドにお世話になった。


来年もおもしろい本やその他いろいろに出会えますように。



今年のいろいろベスト5 あの日があろうとなかろうと

2011-12-29 23:53:42 | 今年のベスト

年の瀬ということでいろいろなベスト5を一年を振り返りつつ考えてみた。
今年に見た読んだ聴いたものなら古い物でも良いという基準で。
並べてみると、どれも今年じゃなきゃダメというものじゃない。
そもそもそういうものが好きなんだが、
いろいろな事があったおかげで
「いろいろあろうがなかろうが、それに関係なく良い」
と思わせてくれたものが多い一年でした。






【本】




「さりながら」 フィリップフォレスト
 今年はじめに繰り返し読んだ。
 生の表象のほうがつねに、生そのものよりも切実であるということ。

「日本人のための憲法原論」 小室直樹
 民主主義と憲法は、民主主義と議会は、民主主義と多数決は関係ない。
 という事すら知らなかった。もっと早く読んどけば良かった。

「エロチック街道 」 筒井康隆
 今年読んだ数少ない小説。表題作の湿気と薄エロス。
 お湯を流れ落ちてく情景が今でも焼き付いてる。

「昭和史 戦後篇」 半藤一利
 戦前編含む。この頃の日本をいちから知りたくなって。
 口語体なので量の割にサクサク読めた。

「本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること」 矢部 宏治
 ツイッターがなきゃ出会えなかった本。
 るるぶのような感覚で沖縄基地問題の基本を知ることができる良書。



【マンガ】




「百日紅」 杉浦日向子
 全ジャンル含めても今年一番ハマったのが杉浦日向子。
 敢えて一冊挙げるならいろんな方向に興味が広がったという意味で百日紅を。
 杉浦日向子によって何かから解放されました。お栄がとにかくイイ。

「シンプルノットローファー」 衿沢世衣子
 この人も今年ハマって全作品集めた作家。最初にハマったのがこの作品。
 わかりやすい絵なんだけど細かな機微が描かれてる。「ガーデン」と「ハイロースト」が好き

「マンガホニャララ」 ブルボン小林
 マンガじゃないけど。上の二人を読むきっかけになったのはそもそもこのマンガ評のおかげ。
 シンプルノット~を「キャラではなく個性を描いた傑作」と評したのが決定的だった。
 「キャラではなく個性」というのはこれからも自分にとっては重要なテーマ。
 短い文章でこれほどおもしろくて深い事を書けるってスゴイ。

「アライバル」 ショーンタン
 いつ出会っていても間違いなく魅了されたけど、この国で出回った時期が
 この本がより特別なものにしてる。住み慣れた土地を離れて暮らす不安と
 新しい土地へ適応していく様を、一人の男を通して絵のみで語った大大大傑作。

「猟犬探偵 セントメリーのリボン」 谷口ジロー
 いつだって谷口ジローははずせない。マンガって楽しくて贅沢だと再確認させてくれる。
 「ふらり」ももちろん「父の暦」も今年はよく読んだ。



【映画】




「黒猫白猫」 監督:エミールクストリッツァ
「ウェディングベルを鳴らせ」 監督:エミールクストリッツァ
「猿の惑星 創世記(ジェネシス)」 監督:ルパート・ワイアット
「イリュージョニスト」 監督:シルヴァンショメ
「クヒオ大佐」 監督:吉田大八



要はクストリッツァが良かったという一年(「マラドーナ」以外は見た)。
撃ちまくって射ちまくって奏でまくって踊りまくって人と動物が同じように生きる。
何の情報も入れずに見た猿の惑星はおもしろかったし
イリュージョニストは何度も見たい内容とアニメーションで
クヒオ大佐は堺雅人作品で一番好きかもしれない。



【音楽】




「幻とのつきあい方」 坂本慎太郎
「Re-foc」 Rodrigo Y Gabriela
「blossom dearie」 blossom dearie
「NUMB」 NUMB
「JPN」 Perfume



今の気分で選んだ5枚。
「幻との~」と他4枚、という括りになってしまうのだけれど。
今年「買った」のは坂本さんとperfumeだけかもしれない。。
歌が入ってて欲しくない時に聴いてた2枚と(re-foc、numb)
声そのものに惹かれたものと(blossom dearie)
歌も含めてすんなり受け入れられたものと(JPN)。
クストリッツァ映画のサントラもよく聴いていた。