
ひとつひとつ個別に言いたいことがあるものばかりなのだけど
気づけば今年最後になってしまった。
■かぐや姫の物語 スタジオジブリ
なんといっても今年はこれ。これしかない。
一言じゃ言えないくらい良かった。すべてが良い。
「かぐや姫と天女は同一人物」という自分と同じ解釈をしてる人が見当たらない。
■一枚の絵から(海外編・日本編) 高畑勲
今年は高畑勲関連の本を読みあさっていたがその中でこの二冊は
絵画の楽しみに目覚めるきっかけとなった。絵は生で見ないと面白さがわからない。
教養のある人が肩肘はらずわかり易い言葉で語ってくれる本は面白い。
■忘れえぬロシア展図録
古本屋でこの図録を何となく手にとったのが運命の出会い。
2009年に巡回展示された「「忘れえぬロシア-リアリズムから印象主義へ」の図録。
19世紀後半のロシアの画家たちの描くロシアの空気がとても印象に残った。
宮崎駿風立ちぬでレヴィタンを参考にしたというエピソードを知り、
本当に今年はジブリに縁があると思った。
レヴィタンよりもアルヒーポフやレーピン、シーシキンが個人的には好きだ。
トレチャコフ美術館が今一番行ってみたい美術館だ。
■ブラックサッド フアンホガルニド
ここでも書いたがBDの大名作。読みやすくて面白い。今年はガルニドが来日し講演も聴いた。
ガルニド自信が好きだと言っていたスペインの画家ホアキンソロヤを知れたのは大きかった。
■いろんな気持ちが本当の気持ち 長嶋有
ここでも書いたが「誰かの心に刻みつけるには、あわよくば有効に作用させたければ、
言葉そのものに、それをつかみ取るための形が与えられなければならない。」
「芸があるから好き」などと安易に表現してしまう事が多いが、さすが長嶋有。
言葉に限らず「つかみ取るための形」が創られているかを感じ取っているのだな。
■虫けら様・こんちゅう稼業 秋山 亜由子
数年前からちゃんと書こうと思っていたのに全然書けない。
短篇集なのだがどれも本当に素晴らしい。秋山亜由子はほんとうに素晴らしい。
今は漫画は描いておらず絵本やイラストを描いてるのだが漫画もまた描いて欲しい。
今年は個展にも言った。
■別冊太陽柴田是真
高畑勲きっかけで知った。この人によって蒔絵に目覚めた。
これに載っている「闇夜桜扇面蒔絵書棚」と「流水蝙蝠角盆」をはじめて見た時はもう…
全てがシャレまくっている。
是真をもっともっと知りたい。
■食の軍師 泉 昌之
ブルボン小林がいなかったら読んでなかった。
食を戦ととらえ、飲食店で一人いい感じで注文をしておいしく食べることができたら
勝利という漫画。これぞ漫画!とノーガードで楽しめる漫画。
ラジオ「コミック末端通信」が終わってしまったのが悲しい。
■新黒沢 最強伝説 福本伸行
死んだと思っていた黒沢が帰ってきた。
連載もののマンガを買わなくなって久しいがこれだけは気になって購入。
全作が原因で身体が動かなくなって寝たきりの黒沢が合コンに行きたいためだけに
ベッドから立ち上がる回のタイトルが「クララ」。
外の世界を自分の足で歩きたかったクララと全く同じ理由!!
この回を読んだ瞬間に今作も名作と決定された。
今年はジブリに縁がありすぎる。
■夢路いとし喜味こいし 漫才傑作選 ゆめ、よろこび しゃべくり歳時記
DVDボックス。何度見ても面白い。「つかみ取るための形」がありすぎる名漫才。
いとし師匠がツッコミであるこいし師匠を鋭くツッコミ返す瞬間が好き。
「ジンギスカン料理」「ポンポン講談」はなんども見ている。
海原お浜・小浜やフラワーショウなど上方演芸で好きになったものが多い。
■志らく 第五集「青菜」「粗忽長屋」「品川心中 上下」 立川志らく
このDVDというより志らく師匠。一番多く生で聴いている落語家。
いろんなネタを「落語国」という仮想世界の一場面と捉えて繋げていくひとり会は
毎回面白い。
■ひとりの二人 北島三郎
今年古本屋で出会った最大の掘り出しもの。棚から本が呼んでいた。紅白最後の2013年に
こんな本に出会うとは。
何がすごいかって写真なんだけど、若かりし頃のギラギラしたヤング三郎がカッコ良すぎる。
何の説明もなくレコード屋に飾ってたらソウルシンガーにしか見えない。
