【記事のポイント】
・地球は、氷期と氷期の間にある間氷期にあるが、気温の上昇速度が早過ぎる。。
・そのために、人間が環境変化に追いつかない。
・地球内部を人間は見たことがなく、推定しているだけであるので、分からないことだらけ。
地球内部の現場現物を見たことのない人間が、地球の将来を予測できるのか?
地球深部の状態は、地震波の観測でしか推定できないため、解明が難しい。
*茜 灯里「最新科学トピックス」105頁
このように専門家は書く。だから、地球内部が地球表層の気候や生命体にどのように影響を与えているが分からない。人間は推定しているだけなので、分からないことが多すぎる。
気候変動の要因は、地球自体そのものと人間活動によるものに分解できる。近年、海洋や大気がその長い歴史に類を見ないスピードで変化している。同じことは、過去の気候変動も唐突に起こっている。*「人類と気候の10万年史」その他文献。
地球46億年の歴史で分かっていることがある。大陸は移動を続けている。表面だけでなく、地球内部はゆっくりと止まることのない対流が続いている。さらに、生物大量絶滅を何度か繰り返していることと、気温の上昇と下降を繰り返している証拠がある。地球の気温変化には、地球自体が内在する循環システム(人間が介在しない正と負の循環が起こる。筆者が勝手に表現)があるようだ。
ウイルスの原型である微生物と人間は共存共栄してきた。微生物の原形(単細胞生物)は35億年前に出現した。
*「地球進化 46億年の物語」193-194頁。「新版 ウイルスと人間」5頁。
現時点の物的証拠は、35億年前の堆積岩に単細胞の化石が見つかっている。
だから、ウイルスは人間(類人猿は700~800万年前、人間は20万年前)よりもはるかに長い歴史を持つ。生命は淘汰されないものが生き残り、ウイルスは変異を続ける。それがウイルスが地球で生き延びる方法であった。人間は人間の科学力でウイルスと共存してきた。
しかし、将来は分からない(人間が人工的に変異するかもしれない。あるいは、ウイルスが過去にない水準まで強毒になり、人間を淘汰するかもしれない)。
さらに、地球の気温上昇への対応は困難な課題だ。
気候変動は百年単位ではなく万年単位での変動を繰り返していることが判明している。地球自体が内在する循環システム(人間の力が介在しない地殻変動により大陸は合体し割れるように)が原因だとすれば、人間ができることは限られる。人間の活動による温室効果ガスの排出を完全に止める。これにより、気温の上昇速度を遅くすることは可能だろう。だが、循環システムは 止 め ら れ な い のではないか。気温の上昇により、自然災害の甚大化という目に見える問題だけでない。沿岸部海面の上昇や食糧不足、さらには熱波などの人間生存自体の危機に直面する。
*ラブロック提唱の「地球の自己制御システム」理論の内容は知らない。
灼熱の金星は地球の双子星
「地球の最近の気候変動にまつわる不確定要素の多くの結果、さらに多くの水が蒸発して雨となり、さらに沿岸部の洪水が増える。海水の温度が上昇すれば、海底とその下にあるメタンを豊富に含む氷が融け、大気中に温室効果ガスであるメタンが放出されるかもしれない。温室効果が制御不能となった金星では、2酸化炭素ガスの厚い大気がおおい、地表の温度は500°Cに達する。その姿を見れば、手がつけられなくなった正のフイードバックが破壊的な効果を持つことが分かるだろう」。「地球は常に変化し、進化し続けている惑星だ。中心の核から地殻まで、絶えず変わっていく。現在も、地球の大気、海洋、陸地は、恐らく近年に例のないスピードで変化している」
*「地球進化 46億年の物語」
大局的に2酸化炭素濃度変化を見ると減少している?
なお、地球には炭素循環と呼ばれる気温変化がある。しかし、ここ100年の気温上昇は過去の億年単位で起こった気候変動と量質とも違うかもしれない。
約40億年前に地球表面が冷え固まって大地が誕生してから、地球上は温暖化と寒冷化を繰り返してきた。その中で平均気温を決める大気中の二酸化炭素(CO₂)濃度は、途中で増減はあったものの、大局的には減少傾向にある。
温暖化説と寒冷化説の両方の議論は続いている。
問題は、気温上昇速度が速すぎるので、人間が地球環境の変化に追いつけないことです。
寒冷化説を唱える人たちは、温暖化説を軽視し過ぎだと思う。
地球内部のことは分からないことだらけではありませんか?
【参考資料】
この100年は急上昇しているが
天文学と気候学の合体
出典 鎌田浩毅さん
10万年ごとに繰り返されるサイクル
地球が誕生してから46億年の歴史をさらに長い目で見ると、地球は約10万年ごとに暖かくなったり(間氷期)寒くなったり(氷期)を繰り返してきたことが分かっています。その度に地球の海の高さは100メートル以上も変動してきたのです。その様子は、まるで呼吸をするたびに胸が上下するかのようです。
約10万年ごとに氷期と間氷期が交互に訪れるのはなぜでしょうか。いくつか原因は考えられますが、特に日射量の変化が大きな原因とされています。日射量とは太陽から地球に降り注ぐエネルギーのことで、そのエネルギー量がだいたい10万年の間に増えたり減ったりしてきたのです。
この変化は、地球が自転する軸がぶれて、太陽の周りを回る軌道が変化することで引き起こされます。このような周期的な変動を、発見した研究者のミランコビッチさんにちなんで「ミランコビッチサイクル」と呼びます。
このミランコビッチサイクルによって、日射量が増えると気温が上がり、地球上の氷が融けて海水面が上がりました。しかしそれだけではありません。一度温暖化が始まると、地球上の二酸化炭素やメタンといった「温室効果ガス」の濃度が上がり、さらに温暖化が進んだことが最近の研究で明らかになったのです。南極やグリーンランドの古い氷の中に閉じ込められた空気を分析して分かったことです。
空前絶後の温暖化?
もうひとつ最近の研究から分かったことは、どうやら現在の温暖化は、過去の温暖化とは少し違うようだということ。現在の温暖化のスピードは今までにないほど速いのです。地球の気温がどう変化してきたかを振り返ると、2万1000万年前から1万年かけて4〜7℃上がっていたのが、最近(20世紀後半)からの気温はその10倍ものスピードで上がっていることが分かりました。私たちは、地球がかつて経験したこともないような急激な温暖化の時代を生きているのです。
温暖化がこのまま進み海面が上昇すると、私たちの住む場所はどう変わるのでしょうか。例えば海面が1メートル上昇すると、日本の90パーセントのビーチはなくなってしまうと考えられます。大阪では北西部から堺市にかけての海岸線は水没し、東京では江東区、墨田区、江戸川区、葛飾区ほぼ全域が水没などの影響を受けると試算されています。陸地が少なくなるため、未来には、険しい山や、もしかしたら海の中にも新たに住む場所が作られるかもしれません。
文とグラフ 田端萌子&JAMSTEC(国立研究開発法人海洋研究機構)
悲観し過ぎるもいかがなものかと。
ちなみに、フロンガスも温室効果ガスの一つです。
地球には、気温上昇と低下を繰り返す
循環システムが内在しているのでは
ないかが、筆者の考えです。
今後も、ご指摘をお待ちしております。