民族の自決か、あるいは領土の統合であろうか。誠に、一日として平和な世界はない。グルジアにロシアが侵攻した。表向きの理由はロシア自国民の安全を守るためである。新聞によると、ロシア軍が侵攻した南オセチア州には、グルジアからの分離独立を主張する親ロシア住民が多い。ロシアはこの自治州の住民にロシア国籍を与えているというのだ。グルジア軍が、先に、南オセチア州都ツイヒンバリに侵攻し、アブハジア共和国でも、戦闘が発生しているそうだ。
ひとは自分の利益か幸福のために生きている。利益と幸福には他者のものが含まれている。両方とも必要である。しかし、戦争では、両方とも実現できない。戦争が起こる理由は、古今東西変わらない。現在の中国でも民族問題は続く。アフリカでは部族問題である。米ソの国益を巡る代理戦争の一面もあるが、本質は違う。
多民族国家を、一民族で、支配することには、困難がある。原則は民族自決である。民族の独自性は自治権を持つ事で担保される。同時に、共生の原則が必要でもある。今、この瞬間にも、死者がでている。