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19世紀のニューイングランドの台所

2013年10月04日 | 英語生活ノおト
英語生活ノおト 第2巻(補)> 英語のバックグラウンド(3)> 19世紀のニューイングランドの台所 

写真は当ブログの底本となった自著ENGLISH COMMUNICATION HANDBOOK、-「英語と文化」(非売品)の表紙に使ったものです。かなり昔のことですので当然アナログですし、前回は表紙そのものをスキャンしただけですが、たまたまオリジナル(?)プリントを見つけたので、再スキャンしました。

撮ったのはボストン郊外のオールドスターブリッジ ビレッジという、「19世紀のニューイングランド地方の建物を移築し、当時のライフスタイルを再現している野外博物館。広大な敷地内には約40の建物が復元され、映画やTVドラマのロケにも活用されるほど、時代考証もしっかりなされています。園内のスタッフは1830年代の衣装に身を包み、さながら19世紀にタイムスリップしたような雰囲気が楽しめます。」(マサチューセッツ州政府観光局 公式観光サイトより)というキャッチが大げさでもなんでもない、すごい所。




たまたま撮った一葉なのですが、ウェブを検索してもこれほど鮮明に19世紀の農家のキッチンを撮ったものは見当たりません、もしかして貴重な一枚かも(笑) 画像をクリックするとさらに拡大します。

右の奥に見えるのが暖炉(fireplace)ではなく、ストーブ(stove)と言います。暖房と調理兼用、上部は煙突になっています。寒い地域ですので、建物の構造はこのストーブが中心、2階建ての場合寝室を煙突が貫いています。簀子などはなく、床で直接巻をくべたと思われます。そして、吊り下がっている自在鉤(pot hunger, pothook)に鍋をかけて調理します。日本でいえば囲炉裏で煮炊きする感覚ですか。自在鉤の構造は万国共通のようです。

よく見ると、鍋にはみんな足がつき、床に置けるようになっています。直接熾火(おき火)にかけて温めることもあるのでしょう。フライパンは現在のものとさほど形は変わりません。また、左側の大きな樽は水を貯めていたもののようです。日本だったら水瓶ですね。

こちらの写真はウェブで見つけたものですが、同じ時代のマンション(大邸宅、日本のマンションはcondominium、略してコンドー)のキッチン。かなり洗練されており、鋳物製のストーブがずらりと並んでいます。この手の大邸宅はベッドルームが10以上あります。地域格差、階級格差。

現在でもオーブンのことをストーブと呼ぶことが多いです。長距離バスをmotor coach(原動機で動く幌馬車)と呼んだり、ハーレー・ダビッドソンのオートバイをiron horse(鉄馬)と呼ぶ、アメリカ人のノスタルジーのあらわれですね。ハーレー・ダビッドソンのシートは馬の鞍そっくり、というか、そのまま。