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今上天皇の発言

2015年01月03日 | よしなしごと
最近の今上天皇の発言ふたつの全文です。記者の質問への答え、メッセージと形こそ違え、基本宮内庁で前もって作文し、今上天皇が目を通されていることにかわりはないと思います。それにしては今上天皇の考えが強く反映されています。共通しているのは戦争反対ということ、後者に加わっているのが放射能汚染への危惧。非常に慎重に言葉は選ばれてはいますが、護憲派であることは間違いありません。

前の天皇だって、太平洋戦争開戦の責任の有無はともかく、停戦は彼の判断。私くらいの歳になると、彼が敗戦に打ちひしがれた日本人を勇気付けるため、全国を行脚、お召し列車に狂喜した大人たちの記憶が少しあります。また昭和天皇は途中から靖国人社への参拝を取りやめられておりますし、今生天皇は一度も足を運ばれたことあはりません。

いったい国家元首が国民のものであると明言している現行憲法を、押しつけられたものであると解釈するのはなんなのでしょうね。天皇の御心にそぐわない政策を進める安倍政権はなんなのでしょうね。昔なら不敬罪ですね。御心にそぐわない政策を支持する右翼ってなんなのでしょうね。

かっこいいことばかり言っている安倍首相より、今上天皇は数多く東日本大震災の被災地を訪問されています。また、福島第一原発の事故直後、一番最後まで節電、昼間の消灯などを守ったのは宮内庁でした。

昭和天皇、今上天皇と、天皇家は現行憲法を影から擁護してきましたが、今回の発言はさらに一歩突っ込んだ憲法擁護だと思います。

天皇陛下誕生日記者会見全文

「80年の道のりを振り返って、特に印象に残っている出来事という質問ですが、やはり最も印象に残っているのは先の戦争のことです。私が学齢に達した時には中国との戦争が始まっており、その翌年の12月8日から、中国のほかに新たに米国、英国、オランダとの戦争が始まりました。終戦を迎えたのは小学校の最後の年でした。この戦争による日本人の犠牲者は約310万人と言われています。前途に様々な夢を持って生きていた多くの人々が、若くして命を失ったことを思うと、本当に痛ましい限りです。
 戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました。戦争で荒廃した国土を立て直し、かつ、改善していくために当時の我が国の人々の払った努力に対し、深い感謝の気持ちを抱いています。また、当時の知日派の米国人の協力も忘れてはならないことと思います。戦後60年を超す歳月を経、今日、日本には東日本大震災のような大きな災害に対しても、人と人とのきずな絆を大切にし、冷静に事に対処し、復興に向かって尽力する人々が育っていることを、本当に心強く思っています。
 傘寿を迎える私が、これまでに日本を支え、今も各地で様々に我が国の向上、発展に尽くしている人々に日々感謝の気持ちを持って過ごせることを幸せなことと思っています。既に80年の人生を歩み、これからの歩みという問いにやや戸惑っていますが、年齢による制約を受け入れつつ、できる限り役割を果たしていきたいと思っています。
 80年にわたる私の人生には、昭和天皇を始めとし、多くの人々とのつながりや出会いがあり、直接間接に、様々な教えを受けました。宮内庁、皇宮警察という組織の世話にもなり、大勢の誠意ある人々がこれまで支えてくれたことに感謝しています。
 天皇という立場にあることは、孤独とも思えるものですが、私は結婚により、私が大切にしたいと思うものを共に大切に思ってくれる伴侶を得ました。皇后が常に私の立場を尊重しつつ寄り添ってくれたことに安らぎを覚え、これまで天皇の役割を果たそうと努力できたことを幸せだったと思っています。」
 これからも日々国民の幸せを祈りつつ、努めていきたいと思います。

天皇陛下の新年のあいさつ全文

昨年は大雪や大雨、さらに御嶽山の噴火による災害で多くの人命が失われ、家族や住む家をなくした人々の気持ちを察しています。
 また、東日本大震災からは四度目の冬になり、放射能汚染により、かつて住んだ土地に戻れずにいる人々や仮設住宅で厳しい冬を過ごす人々もいまだ多いことも案じられます。昨今の状況を思う時、それぞれの地域で人々が防災に関心を寄せ、地域を守っていくことが、いかに重要かということを感じています。
 本年は終戦から七十年という節目の年に当たります。多くの人々が亡くなった戦争でした。各戦場で亡くなった人々、広島、長崎の原爆、東京を始めとする各都市の爆撃などにより亡くなった人々の数は誠に多いものでした。この機会に、満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、今後の日本のあり方を考えていくことが、今、極めて大切なことだと思っています。
 この一年が、我が国の人々、そして世界の人々にとり、幸せな年となることを心より祈ります。