チーム医療維新 日本のNP、PA制度を考える

日本におけるNP(ナースプラクティショナー)、PA(医師助手)などの非医師診療師の導入について考察するサイトです。

プライマリケアの勉強会に来ています

2010年03月11日 09時29分38秒 | 米国NPについて
今日は、コネチカット州の首都、ハートフォードに来ている。家から車で50分、悪くない。ここで、プライマリケア医師&NP&PA用のCMEカンファレンスにお勉強に来ている。数千人の人がいるだろうか、ひどく大きなカンファレンスセンターだ。このようなカンファレンスで得た単位を提出しないと、NPも医師もPAも、免許を保持できない。(もちろん、看護師も同様だが、看護師は看護師用のカンファレンスに行っている。)アメリカの医療従事者の質を確保するシステムの一部である。カンファレンス代や、それにかかる交通費やホテル代も含めて、私は年間1500ドルをもらっているけれど、友達のNPに聞いたらみんな大体1000-1500ドルが相場のようだ。それも勤め先との交渉次第で決まる。

NPや医師やPAとは、免許更新のための単位に、どのようなことを勉強しているのか?と、興味ある方のために、参考までに、この一部の講義概要&メモを記しておこうと思う。(私がざっと訳しただけなので、拙い訳はお許しを)

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講義1
一見、健康そうな患者のCardiovascular assessment:Ankle Brachial Index (ABI) & C-Reactive Protein (CRP)について

内容メモ:ABIは一回測れば十分、ABIを測るべき対象は、70歳以上の人全員と、50歳以上で一時期でもタバコを吸っていたことがあるか、糖尿病を持っている人。特にclaudicationの症状がない人こそABIを測るべきなのに、現在保険は症状がないと払ってくれないが、それも変わってくるだろう。普通のCRPじゃなく、hs-CRPをオーダーしよう。カナダでは、ガイドラインにすでに入っている。アメリカでのガイドラインにはまだ入っていないが、intermediate riskの人びとにはすごくいいテストだ。LDLとはまったく独立したCardiovascular risk factorだ。LDLがいくら低くても、hs-CRPが2以上なら必ずスタチンを始めること。などなど。

講義2
プライマリケアで診る、膝と肩の病気

(ものすごく分かりやすくていい講義だった!何千人で、ズボンをまくって自分の膝やらを触りながら講義を聞いたのは、面白かった。)

内容メモ:ケーススタディーをふんだんに使い、どのようなpalpation & examをしたらいいか。それが陽性だとどういう病気(ACL injury, meniscal tear, OA, RA, goutなど)なのか。プライマリケアで一番よく診る肩の病気は、impingement syndromeである(私は、frozen capsulitisだと思ったが違っていた)。X線は滅多にオーダーしないこと。いつX線をオーダーするか(年齢高め、unable to bear weight more than 4 steps, etc これらのルールはOttawa Ruleと呼ばれ、NP講座で習ってはいたが良い復習になった。)すべての病気において、大事なのはrest, ice, compression, elevation&理学療法である。理学療法に行く時間がない患者さんには、そのようなエクササイズを教えたらいいか。MRIは滅多にオーダーしないこと。なぜなら医療費を使うと国全体の医療費が上がるからだ。オーダーして、新しい情報を元に治療が変わってくるようなら、MRIを考えてもいい。そしかし、大抵必要ない。X線には被爆の害もある。肩の関節注射&knee fluid aspirationは、プライマリケアでやっている人は少ないと思うが、チャンスがあれば習ってやるといい。比較的簡単だし、診療報酬も大きい。Orthopedic医がやる必要はない。

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ちなみに、そのほかの講義のトピックス:

慢性の咳:すぐに分かる病気から複雑な病気まで
アメリカのプライマリケアの将来
プライマリケアにおける倫理(バイオエシックス)
大腸ガン健診におけるControversy
下痢と膀胱炎の治療  など

明日もいっぱい勉強するぞ!

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アメリカを旅する時の心得

2010年03月01日 11時51分32秒 | ブログ
数日前、日本から、アメリカのNPについて調べるために来ていた方と会った。
最近、そういう視察/取材旅行は増えているようだ。ので、アメリカに来る方のために旅行の心得を書いてみた。冗談半分で読んでほしい。

ニューヨークを含むニューイングランド(コネチカット、ボストンなど)を旅する時の心得

1)タクシーに乗った時のチップ(20%)を忘れないように。
2)タクシーは、ニューヨークシティー以外では呼ばないと来ない。来るのに20-30分以上かかることもあるのでそのつもりで。
3)運転が得意なら、免許を持ってきてレンタカーをするのが一番良い。日本の免許で30日間までは運転できる。
4)飛行機は大体50%の確率で数時間遅れが出るので、そのつもりで。
5)長距離バスは15分-1時間ほど遅れることがある。
6)特急電車(Amtrak)はほとんど必ず遅れる。普通、15分から、1時間半ほど遅れる。
7)ただし、「人身事故」で電車が遅れて困った経験というのは、アメリカに住んで19年間一度もない。
8)NYシティーの地下鉄は、途中で「この電車は、今から急行にすることにしましたー各駅停車の人は降りてください」などとぶったまげたアナウンスをすることもあるので、要注意。
9)NYシティーの地下鉄は、「この電車は、6番って書いてありますがー、今日だけ4番電車の道を走っています。」などとアナウンスしていることもあるので、よく聞いてから乗ること。
10)地下鉄のアナウンスは、くぐもって聞こえないことが多いので、周りの人に「今なに言った?」と聞くこと。
11)トイレの便座に座ると大体45%くらいの確率で激しく後悔する。

あ、ついでに、ニカラグアを旅する時の心得も書こう!
1)電車は存在しない。
2)バスは、時刻表というものが存在しない。バスが埋まったら発車する。
3)音質の悪いメレンゲ音楽を大音量で数時間聞いているのが苦痛ならば、バスには耳栓を持って行こう。(私は、あれが中米に来たぜ!って感じで好きなのですが)
4)警察は信用ならない。自分の身は自分で守れ。
5)絶対に金属でできた指輪や、イヤリングなどをしない。友達は、安い銀色のネックレスをしていたがために、刀(マシェッティ)を持った男に追い回された。
6)「温水のシャワーがある」と宣伝しているホテルのうち、約70%は温水が出ない。例え有名ホテルでもそれは同じ。
7)トイレに便座は存在しない。100%ない。飛行場でもホテルでも。用は中腰で足す。以上。

いつか、誰かの役に立ちますように?!