2020年9月17日(木)都心の美術館を、四ケ所巡ってきました。
最初は、東京国立近代美術館(MOMAT)のピーター・ドイグ展です。
本展、開催後、数日でコロナにより休止(2/29~)となり、どうなるかと心配でしたが6/12より再開。
終了日も延長(6/14→10/11)されました。 主催者や関係者の熱意に感謝いたします。
下の写真は美術館前の看板。 中国語のピーター・ドイグ=彼得・多伊格に (´∀`)
展示は3章構成になっていました。
■第 1 章︓森の奥へ 1986〜2002 年
いいなーと思った作品をピックアップ。なお、写真撮影はOKでした・・・企画展では珍しい! 作家ドイグさんのはからいでしょうか。
<ブロッター> 1993 油彩、キャンバス 249 x 199 cm リバプール国立美術館 ウォーカー・アート・ギャラリー
絵具、厚塗りです。 わかりやすくするため、中心部を拡大。
ピーター・ドイグの作品を初めて見たのは、下の写真の右側の<カヌー=湖>でした。(「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展」)
そのときは、なんでこんな作品が数十億円もするんだ!・・・と訝しく思ったのですが、展覧会図録掲載のコレクション・オーナーのルーム写真(この作品がかかっている)
を見ると、うーん、いいね・・・
エコー湖 1998 油彩、キャンバス 230.5 x 360.5 cm テート カヌー=湖 1997–98 油彩、キャンバス 200 x 300 cm ヤゲオ財団コレクション、台湾
この作品、2015 年のクリスティーズ・オークションで、約 2,600 万⽶ドル(当時約 30 億円)で落札されたとのこと。
作品価格の情報は鑑賞の本道から外れる? しかし下賤な私には、できれば知っておきたい要素の一つです。
<のまれる> 1990 油彩、キャンバス 197 x 241 cm ヤゲオ財団コレクション、台湾
水平に分割した画面構成が多いですね。 キャプションには、ドイグの作品への言及などが書かれていましたが、キャプション写真は敢えて省きました。
<ロードハウス> 1991 油彩、キャンバス 201 x 250 cm ヤゲオ財団コレクション、台湾
メインヴィジュアルの<ガストホーフ・ツァ・ムルデンタールシュペレ >です。 独特のムードを感じます。
<ガストホーフ・ツァ・ムルデンタールシュペレ > 2000–02 油彩、キャンバス 196 x 296 cm シカゴ美術館
会場風景
■第 2 章︓海辺で 2002 年〜
この作品、暑い南国の風景・色調に、シュールに描かれた人物が妙にマッチして面白い。
<ラペイルーズの壁> 2004 油彩、キャンバス 200 x 250.5 cm ニューヨーク近代美術館
会場風景
作家のアトリエ(=スタジオ)で、映画作品の上映会をやっていたので、この人物は自画像かな。
<夜のスタジオ(スタジオフィルムとラケット・クラブ)> 2015 油彩、キャンバス 296 x 200 cm 個人蔵
この作品、大きくはないのですが、迫力がありました。 好み。
<無題(肖像)> 2015 油彩、麻 59 x 43 cm 作家蔵
会場風景
<赤い男(カリプソを歌う)> 2017 油彩、麻 295 x 195 cm マルグリット・スティード・ホフマン < 水浴者(カリプソを歌う)> 2019 水性塗料、麻 250 x 200 cm
作家およびマイケル ヴェルナーギャラリー、ニューヨーク/ロンドン
誰かの作風に似ている・・・とは思いますが、だからと言ってこの作品にケチをつけるつもりは毛頭ありません。
<音楽(二本の樹木)> 2019 水性塗料、麻 70 x 81.5 cm 作家蔵
■第 3 章︓スタジオのなかで
ーコミュニティとしてのスタジオフィルムクラブ 2003 年〜
このコーナの作品(上映会周知用ポスター)が、活き活きとして面白かった。
<お熱いのがお好き > 2003 油彩、紙 72.5 x 57.5 cm ヴィーホフ・コレクション
<突然炎のごとく ジュールとジム> 2003 油彩、紙 57.5 x 72.5 cm ヴィーホフ・コレクション
東京物語、見てないのです。見たくなりました。
< 東京物語> 2004 油彩、紙 73 x 57.5 cm ヴィーホフ・コレクション
<マグダレンの祈り> 2003 油彩、紙 72.5 x 57.5 cm ヴィーホフ・コレクション
<気狂いピエロ > 2004 油彩、紙 72.5 x 57.5 cm ヴィーホフ・コレクション
おやおや、勝新が宇宙人のような顔に
<座頭市> 2004 油彩、紙 72.5 x 57.5 cm リンギア・コレクション
北野武の97年ベネチア国際映画賞でグランプリを獲った作品・・・って、知らなかった。
2005 油彩、紙 73 x 57.5 cm リンギア・コレクション
作家蔵のポスター、気に入っていたのかな。
<邪魔者は殺せ> 2010 油彩、紙 85.5 x 60.5 cm 作家蔵
<真夜中のカーボーイ > 2009 油彩、紙 100.5 x 59.5 cm 作家蔵
<ストレンジャー・ザン・パラダイス> 2011 油彩、紙 93.5 x 61.5 cm マイケル ヴェルナー ギャラリー、ニューヨーク/ロンドン
<熱いトタン屋根の猫> 2011 油彩、紙 85.5 x 60.5 cm 作家蔵
見終えて、ミュジアムショップ前の通路壁に掲げてあった展覧会ポスター(当初の会期)を撮影。
退色気味のポスターが、長いコロナとの闘いを暗示する。
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