田添菜穂子の一期一会

アメーバブログ「田添菜穂子の一期一会」http://ameblo.jp/tazoenahoko/へ引っ越しました!

ソプラノ森麻季さんのコンサート

2009-05-28 14:00:51 | クラシック鑑賞
きのう、ソプラノの森麻季さんのコンサートに行ってきました。

http://www.triton-arts.net/concert/calendar/index.html

普段あまりコンサートを聴きに行かない方にも音楽を、ということで「はじめのいっぽ」と名づけられてるシリーズですが、まさに子を持って初めてコンサートに出かける私にとっても「はじめの一歩」。

これまで、いくつか行きたいコンサートはあったものの、移動時間、授乳時間、託児の全てをうまく満たしてくれるものがなかなかなく、涙をのんでいました。

しかし、今回はぜひ聞いてみたいと思っていたソプラノ森麻季さんのリサイタルが『平日、お昼、開催1時間、託児付き』で行われるとあって、すぐにチケットを取りました。

ソプラノ歌手というとふくよかな方がこれまで多かった中、最近は、ネトレプコなど容姿の美しさも実力も兼ね備えた方が活躍していますが、森麻季さんこそ、
まさしくそのタイプ☆
写真集つきCDが出たとしてもおかしくないぐらい。

ドミンゴに認められてアメリカデビューを果たし、日本だけでなく海外のオペラハウスでも活躍されてます。
http://www.makimori.com/

その上、なんと8ヶ月の男の子のママ!というからすごい。

コンサートの予告パンフレットで森麻季さんのインタビューを読んだんですが、森さんは、産後初めて聴いたコンサートで生の音楽の素晴らしさに泣いてしまったそうです。だから、このリサイタルでは、ぜひ忙しいお母さんにホッと一息ついてもらいたい、とありました。

ああ、私のためにあるようなコンサート・・・・。
期待が膨らみます☆


さて、当日。

初めてベビーカーで訪れる勝どき駅をベビーカーを抱えて階段を上ったり、バリアフリーな道をたどって遠回りをしたりして、会場へはへとへとでそのうえギリギリで到着。
優しい係りの方にホールの一室にある託児室に案内してもらうと『子供大好きです』オーラの出ている60代のシッターさんが『こんにちは~』とあたたかく迎えてくださいました。
息子のおもちゃやおむつ、ぐずった時用のミルクとを取り出し、息子に
『よいこにしててね~』とシッターさんにお渡しすると、ニコニコして抱かれてくれたので、安心して席に向かうことができました。

席に着きほどなくして開演。

白地にピンクや黄色の鮮やかな花が描かれたマーメードラインのドレスで森麻季さんが舞台に現れました。

本当にキレイだなぁ、と感心している間に一曲目のアヴェマリアが・・・・。

涙が出ました。
別に森さんの真似したわけじゃなくて。

なんだろう、「がんばってきた」気負いみたいなものがするする解けてくる。
力が抜けていくのを感じて初めて、自分が相当に力を入れて日々生活してることがわかってくる。
美しいものに触れるってこんなに無防備になることだったかなぁ。

彼女の声はこの上なく透明で、マリア様を賛歌するご本人が、マリア様みたい。

いろんな感情が吹きだして、本当に涙が止まりませんでした。

素晴らしい歌声は、続きます。
「からたちの花」では、森さんの母親らしい語りかけがあたたかく響きます。お子さんにも優しく子守唄を歌われてるんだろうな。
ハイドンのアリアでは自然の賛歌を純粋に雄大に歌い、ジャンニ・スキッキではコケティッシュな娘を演じ、短いアリアなのに一瞬オペラの舞台が見えたような気さえしました。

そして、圧巻はヘンデルの有名な二つのアリア。
’オンブラ・マイ・フ’と「リナルド」の’涙の流れるままに’

このアリアの、これ以上の演奏はもう聴けないかもというぐらい、すばらしかった。
彼女の繊細でかつ芯の強い声にもぴったりあって、やはり、涙するぐらい心を動かされました。

このままいつまでも聴いていたい・・・・。

本当に素晴らしい時間でした。

終演後余韻に浸りながら託児室に向かうと元気な我が子が☆

聞けば、ミルクも飲んで今ゴキゲンなところだと。

ありがとう、よいこにしててくれて。ママ、フル充電したよ。
ほんとにほんとにステキなコンサートだったよ。
今日歌ってた方はね、才能にも容姿にも恵まれてるんだけど、
子育てしながら、すごいパフォーマンスができる人で、
すごく元気ももらえた気がしたよ。



トリトンスクウェアのビジネスタワーに戻るサラリーマンに逆行しながら、
行きとは全然違う晴れやかな気分でリナルドのアリアを鼻歌で小さく歌いながらベビーカーを押して勝どきの駅にたどり着くと、息子はおもちゃのくまさんをしっかりつかんですやすや寝ていました。





最新の画像もっと見る

10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いいなぁ (ともママ)
2009-05-28 19:25:03
森麻季さん、以前テレビに出ていらっしゃってすごく素敵だなぁと思っていました。コンサートに行けたとは、、、よかったねぇ。いい充電になったでしょう。今は毎日子どもとぺったりだから、たまには息抜きしないとね。頑張ってきたご褒美です。
赤ちゃんは、これから人見知りをしだすと、逆にシッターさんに預けづらいので、今がチャンスです♪
これからもお出かけを楽しんでください。
返信する
託児つき☆ ()
2009-05-28 21:35:44
容姿端麗&美声で憧れの方ですよね

田添さんもしっかり充電されて良かったですね

子育てでオーケストラを離れているママたちが演奏に参加されたりクラシックを聞きに行けたりするには、やはり託児所を設けるべきだと感じています。

返信する
すごい力をいただきました! (Yori)
2009-05-28 22:55:15
田添さん!

私は森さんのコンサートは聴けなかったけど、
田添さんのブログを拝読して、すばらしいブログに
「ありがとう」です!

何だか、すごい安息の心と、未来への力と、
また自分も音楽を人に伝える端くれとして・・
すごく大切な勉強をさせていただきました。

森さんのコンサート、
私も一度実際に聴きたい!とずっとおもっているのに、
まだ実現されず・・・
返信する
リフレッシュされたようでなによりです。 (石川幸秀)
2009-05-28 22:57:24
こんばんは!!(^O^)/ご無沙汰致しておりました。
菜穂子さん、しっかりリフレッシュできたようですね。なによりです。森麻季さんの事は恥ずかしながらよく存じておりませんが、去年だったか仙台でのコンサートの開催を伝えるテレビコマーシャルでお姿は拝見しておりました。菜穂子さんがおっしゃるとおり、容姿端麗で、どちらかと言うと失礼ながら華奢な体型に見える森さんが菜穂子さんを感動させるほどの素晴らしい歌声をされているとはびっくりです。
それにしても小さなお子さんを持つお母さんがリフレッシュできるようなコンサートはなかなか機会がないようですね。あらためて人の親になられる方々のご苦労を思い知らされました。お疲れ様です。m(__)m
返信する
素敵☆ (かなぴょん)
2009-05-29 22:57:16
いい子で待っててくれたのね~、おりこうさん☆

駅でベビーカー抱えて階段とは…がんばったね。
でもコンサートで充電して、パワー倍増したことでしょう!

それにしても、平日昼に、開催1時間、託児付きっていい企画だね!
子どもも母親以外の人と接するのは、いい刺激になるとおもうし、
ママがリフレッシュできると、新鮮な気持ちで育児できるよね。
返信する
そうなの、いい充電だったわ☆ (たぞえ)
2009-05-30 09:38:16
<ともママさま

音楽昔から好きだったもんね。やっぱり、森麻季さん目にとまってた?
すてきだよね~
今年は日本各地でリサイタルするみたいだからチェックしてみるといいよ。

それにしても、もうすぐ人見知りするのか・・。
そうなるとコンスタントに見てくれる行政のシッターさんとかになじませておく必要ありだね。


返信する
託児は助かります☆ (たぞえ)
2009-05-30 15:37:21
<花さん

そうですね。アマオケの方も話を聞くと結構ご家族に見ていただいてがんばってらっしゃる様子ですね。
単に鑑賞だけなら、コンサート託児専門の託児会社「マザーズ」とかもあったりしてだんだんと環境は整ってきてますが。
それでも、自分が「行きたい」というコンサートがそう、かどうかはわからないので、難しいところです。
返信する
うれしいです! (たぞえ)
2009-05-30 15:41:56
<Yoriさん

ほんとにステキなコンサートだったので、Yoriさんが文章からそれを汲み取ってくださったことがすごくうれしいです。ありがとうございます。
改めて、音楽家ってステキな職業だな、と思いましたよ。Yoriさんも才能に恵まれその職についてらっしゃる。素晴らしいことですよね☆
返信する
ありがとうございます (たぞえ)
2009-05-30 15:44:47
<石川さん

そう、華奢に見えるのに芯の通った素晴らしい声をお持ちでした。これからもどんどん活躍してもらいたいです☆
今度はオペラも見てみたいたいですね~
返信する
預けるのもちょっとした気づきになるよ☆ (たぞえ)
2009-05-30 15:50:10
<かなぴょん

そうなのよ、おりこうにしてくれてたので、コンサートの印象がますますよいものとして、残りました☆

預けると、触れ合い方とか、ちょっとしたことなんだけど学ぶこともあるよ。
いつも一緒だと、接し方もマンネリになることあるじゃない?
「ああ、こんなことも喜ぶんだ~」って思ったりね。
返信する

コメントを投稿