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言語聴覚士の独り言

言語聴覚士の日記

リエゾン

2023-04-04 22:12:00 | 
会社の同僚が貸してくれた漫画です。

最近までテレビドラマで放送もしていたようです。

発達障がいの事が、分かりやすく教科書みたいに書いてあるからお勧めとのことです。

勉強のつもりで読み始めました。

ストーリーは ADHD(注意欠陥・多動性障がい)の研修医がASD(自閉スペクトラム)の児童精神科医の下で研修を受けることになります。

自殺、引きこもり、虐待、不登校、いじめ、摂食障がい、性教育など、様々なケースに関わり解決の糸口を探します。

“解決”という言葉を使いましたが、発達障がいは病気ではなく障がいなので基本的には治りません。

治りませんが、自分の特徴を理解したり、理解してもらい社会生活をスムーズに過ごせるように成長はできます。

『良いも悪いもある…だから僕は発達障害を凸凹と呼んでいるのです。あなたの凸凹にぴったりハマる生き方が必ずあるはずです』

『すべての子どもが幸福に育つ環境はおそらく存在しない。だけど子ども時代の幸福な記憶は一生の宝物になる。子ども達がそんな日々を過ごせるように切に願い手を差し伸べる。それは全人生をかけるだけの価値がある仕事だ』

この本は発達障がい者の気持ちはもちろんリアルに書かれていますが、同様に親や療育者の気持ちも詳細に生々しく描かれています。

誰もが凸凹があるように、どの親も子育てで悩むことはあると思います。

私は自分の凸凹は理解しているつもりですが、子どもたちのことは私や世の中の価値観に合わせるような声掛けなど働きかけをしている事があります。

子どもたちが凸凹はあるけれど自分にぴったりと当てはまる人生が送れるように見守りたいと思いました。

発達障がいの勉強として読み始めましたが、人として学ぶことが多い漫画です。





ファブル

2023-02-05 09:12:00 | 
久しぶりに漫画をいっきに読みました。

それくらい面白い漫画でした。

内容は殺しの天才の殺し屋がボスから1年間は誰も殺してはいけないと命令を受けて、

初めての就職、友人作り、クリスマス、お正月などいわゆる一般的な生活を送ります。

しかし、徐々に争い事に巻き込まれていきます。

初めて守るものがある中で、且つ殺すことが出来ない戦い。

“普通の人は同じような毎日を嫌うが、俺は同じ明日がくる事を幸せに感じる”

漫画なので、戦闘シーンなどの緊迫した場面や気が抜ける表情などは非常に楽しいです。

またコメディ要素もあり声を出して笑ってしまいます。

映画にもなっていますが、やはり原作の方が作品の良さは深いと感じました。

ちなみに22巻までが1部で現在は2部の6巻まで出ているようです。

私は1部のみ読んでこのブログを書いています。
もちろん2部も読みます!

お勧めの漫画です😊

「話が通じない」の正体

2023-01-09 23:00:00 | 
非常に読み易くわかり易く書いてありました。

学んだことを羅列します。

詳しく知りたい方は是非本を手に取り読んでください。


この本はコミュニケーションエラーの原因を脳科学で説明してくれています。 

愛や生活、意地悪や教育が原因ではなく、脳の発達の違いによりコミュニケーションエラーが起きている。

ヒトの脳にはミラーニューロンという細胞がある。

世の中の事象を脳に映す鏡である。

ミラーニューロンは「自分に必要なものだけ」を目の前の事象から要領よく切り出すために、ほどよく働いてほどよく世の中を映す必要がある。

自閉症はミラーニューロンが過剰に活性化してしまい世の中の事象すべてが脳に映ってしまい、重度の場合は周囲の「ことば」も「所作」も切り出せず(認識フレームが作れない)、コミュニケーションが取れず知的発達障害が生じてしまうこともある。

ADHDはノルアドレナリン欠乏で起こる、極端な注意力散漫な状態。

注意力が散漫なために、周囲の情報が微細に脳に飛び込んできて、その関連性を見抜く能力が低い。このため一つ一つの認識フレームが単純なブツ切れになる。

第三の共感障害は、認識フレームをつくり出す能力は正常なのに、なぜかミラーニューロンが不活性のため「他者への共感力」「気働き」だけが低いタイプである。

ミラーニューロンが不活性になる原因はアナログなコミュニケーション体験の不足である。

赤ちゃんから幼児期にミラーニューロンを使う機会が減れば、長じてからの共鳴反応は弱くなる。

成長期の子どもたちの群れ遊びでは「身体能力の違う子」同士が、互いの動きを感知し合って、かばい合ったりしながら遊ぶ。この体験が少なければ「他人の所作や思惑を察知して、気働きして動く」機能も退化してしまう。

ミラーニューロンが不活性しすぎて、共鳴反応が弱い人の特徴は、うなずかない、心が通じない、気が利かない。

ミラーニューロン不活性タイプの人に「話聞いてる?、なぜ、やらない?、やる気あるの?」は言っても意味がない。
「あなたは人に比べてうなずき方が少ないから、話を聞いてないように見えちゃうの。もう少し反応してみない?周囲の好感度が上がるよ」と導いてやるしかない。

気が利かないのは事実だが心根を叱っても不毛である。
「何をすべきか」を淡々と重ねていけば、必ずできるビジネスパーソンになる。

コロナ禍となりマスクで顔を覆い、子どもたちは群れて遊ぶことができない。
共感力の世代間格差はますます深刻になるばかりなのかもしれない。

五体不満足

2022-11-15 06:43:00 | 
私の父親は左手がありません。

私から見ると、靴ひもを結べないことや、手袋の片方が無駄になる事などを除けば普通に生活しています。

この本が書かれたのは1998年。いまから24年前です。

同時父親がこの本を読んで、この本に共感できないと言っていたのを覚えています。

その事があるので何となく読みたいと思っていましたが買うまでは至らず機会を伺っていました。
最近、妻の実家にある事が分かり、前に義母が家に来た時に持ってきてもらいました。

本の内容は題名が“五体不満足”とインパクトがありますが、あまり障がいがメインになっている印象はありません。

乙武さんの人生の出来事を面白おかしく書いてあります。

メッセージは“障がいの有無はあまり大きな意味をなさない”という風に私は捉えました。

父親が何故共感出来なかったのかは、何となく分かるような気がします。

私の父親は自分に自信がありモテた事もよく自慢しているようなタイプの人です。

乙武さんも同じタイプですが、父親と比べると、当然乙武さんの方が華々しい活躍をされています。

きっと嫉妬心から共感できないと私に言ったのだと思います。

それともう一つ。この本は乙武さんの性格や環境もあるのでしょうが、障がいによるネガティブな内容がほぼ書かれていません。

共感を得るにはネガティブな内容も書いた方が良かったのかもしれません。

きっと乙武さんは同じ障がい者だけに向けてではなく、子どもを含め多くの人に読んでもらいたかったのでしょう。

ネガティブな面を文章で伝えるのではなく、ポジティブな面を書き、生き様を見せることで心のバリアフリー(文中で使われていた言葉です)を進めたかったのだと思います。

障がいがあってもパワフルに素敵に生活をしている乙武さんと父親は私にとっては尊敬できる人生の先輩です。

きっと2人は障がいがなくても同じように人生を謳歌したことでしょう。

死の壁

2022-10-29 12:33:00 | 
私は死ぬ事が怖かったです。

過去形で書いたのは、その恐怖心の正体を突き止めたからです。

正体は死ぬ事が怖いのではなく、もっと生きたい。生きることが終わるのが嫌だという気持ちだと気付きました。

もう生ききったと言えるように生きていきたいと思っています。

この本は死に対して様々な視点から論じています。

印象に残った所を紹介します。

一人称の死:自分の死=確認不可能
二人称の死:身近な人の死、自分に最も影響がある死
三人称の死:誰か分からない人の死

一人称の死を恐れても仕方がない。

二人称の死をどう前向きに考えるか。
だから自殺はいけない。

脳死や安楽死を議論する意味に疑問を感じる

死の定義は難しい

安楽死をさせる医者の立場を考えた事があるのか

日本は死んだら部外者となる(戒名やお清めをする=穢れがあると考えている)

人を含める生物、自然は2度と作り直す事はできないシステムである。

人や生物、自然を殺したり破壊したりしてはいけないことは言わずとも分かるはず。