世直しあるある探検隊が行く辛口雑記帳
天誅乙女の詩



辻政信と七人の僧―奇才参謀と部下たちの潜行三千里

光人社

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敗戦国日本とその戦犯たちを戦勝国の側から評価して批判し、単なる悪と決め付けるのはた易い。またそれに慣らされてその時節と人々の思いに目を向けることに価値がないとしてしまうのは、日本人としての怠慢であるかと思う。辻政信という人の生涯(功罪については種種の評価があり、本書では触れていない)は当時の高級将校としても稀有なものであった。貧しい生い立ち、頭脳明晰、鉄の意志と強靭な肉体を有した人物、不正や怠慢に厳しく部下、民間人にはやさしかった。なぜに終戦後タイ、ラオス、中国を経て日本で潜行したか、日本の再興を信じて「自分はまだ死ねない」という思いであっただろう。戦犯解除後、衆議院議員になり政界に参加したが、一途な軍人気質では自分の活躍の場ではなかった。再びラオスに向かい行方不明になる。金や名声にこだわらない崇高な一つの生き方がここにあった。


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