「たにぬねの」のブログ

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texto_044

2013-07-15 13:42:32 | texto
揃えた時間つづきです
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残された上司と私。上司は何をしたか尋ね来たので
目の前のキューブを揃えたことが、切っ掛けのような気がすると告げた。
他というか、もう少し具体的にというか、などといいながら上司は例えば、
その立体パズルをしながら、変な鼻歌でも歌う癖があり、その歌が不快なものとか、
動かす際に大事なものを壊してないかとか、一緒に可能性を模索してくれたが
依然として、答えらしきものが見えてこない。
やがて、旦那さんがリビングの戻ってきて、
いずれにしろ、奥さんの体調が急に悪くなったので申し訳ないが帰ることを促される。
上司と旦那さんが運んできた荷物が主目的であったので
僕のしでかしたことは分からずまま、退散することに。

翌日、会社の方には上司の上司へ連絡があったらしい。
奥さんの持病が出たとかで、結局、本当の原因は分からず、
上司と僕の二人には申し訳ないことをしたということで終わった。
その職場は新人研修先に過ぎなかったので、
本来の配属先で働くようになってからは旦那さんについてのみ
遠い職場における仕事絡みの噂が僅かばかりに耳に入ってくるレベル。

それでも、奥さんもお元気な様子であるだろうは伝わって来たので胸を撫で下ろさせてもらったり、
数年の時が経つ中で、何でも僕が訪問した二、三年前にお子さんを事故でなくされているらしいを知ったり。
それで僕が触れたルービックキューブは、その亡くなられたお子さんの物だったかもしれない
と想像をしてみるが、あの日のご夫婦の様子は、それだけでは説明がつかない気もする。
ある日、やはり、あのルービックキューブの持ち主が亡くなられたお子さんであったことは

今は中学生でお子さんの従妹、すなわちご夫婦の姪御さんに当たる少女の強い意志により知る。
彼女の従兄は僕のようにパズルについている揃え方の説明を覚えたのでなく、
ルービックキューブで遊んでいるうちに独力で揃えるようになった小学生だった。
事故の日も家で揃えている途中で出かけることになり、もう、安定して揃えられるし、
揃えられるよアピールをしたい時期も過ぎていたので、揃えかけで出かけて。

以来、僕がいじって、揃えてしまうまで、その時のままで置いておかれた。
僕が、もっと、キューブに長けていれば、その状態を記憶していたかもしれない。
否、日数が経っていなければ、揃えかけの完全一面の色記憶や何か写真でも残っていれば、
当時の状態に戻す、近づけることはできたかもしれないと瞬間的に思うも、
そのままにしておきたかったご両親の意に沿うものではないかと、
揃いかけのルービックキューブを手にしたことを改めて後悔していると、

従妹が従兄を感じて、触ろう、回そうとしたら伯母様に、狂ったように制止され、
瞬間は怖かったけど、幼いながらも、直ぐに伯母の心が分かるような気がして、
あれを揃えてはいけないことを明瞭にしたことをむしろよかったと思うくらいだったと
彼女が小学生の頃の話をしてくれ、さらに、
それを、あなたは揃えたのよ、
私も、リベンジやプロフェッサー、Vキューブとか持っているから揃えたい気持ちもわかる。
単純に自慢したいに限らず、揃えれる者同士の共感や、揃えるのは決して難しいものではないこと
伝えたいなど、いろいろな気持ちがある。

だから、あなたに悪意があったなんて、思っていない。
だから、伯父様伯母様は何も言わなかった。それはそれで、
あなたをはじめとする職場の皆さんにとっては気持ち悪いものだったと思うけど。
時が止まっていることは良くないことは分かっているから
お従兄(にい)さんの部屋とか、その他の持ち物とかきちんと整理されている。

たかが中学生の私が、今、こうして話をしているのは
さっきも言った通り、あの日を保存していると錯覚させてくれる揃いかけのルービックキューブは
整理された想い出と矛盾する例外的な存在だったから
大事な状態を壊したあなたに私たち身内は勝手を承知で怒りを感じずにいられなかった事実を
まず、しっかり、言いたかったから。

でも、それだけじゃないのです。

あなたが揃えたキューブのごとく、あれから例外を認めない時間が動き出した。
ちょっと昔に年端も行かない女の子に本気で怒った大人が最近になって、
子供のまま、他所様の体を借りて揃えにきたとか、
大人になって、いつもでも悲しんでいる私たちのため揃えにきたとか、
そのような解釈を本当に穏やかな声で。

トラウマになるくらい厳しい声を発せられた側とすれば、伯母に文句の一つを言ってもいいかと思うけど
私も、穏やかな伯母の声を聞けて、心からよかったと思ったの。
でも、伯母は、私に激しく怒ったことを思い出しちゃって、謝るのよ。
さすがに応えたから、やっぱり、あなたが揃えたことを許せないとも改めて思ってしまったけど
触れないことによる穏やかさに馴れていた私たちが受けるべき報い。
やっぱり、揃えたいという気持ちに私も従うべきだったのかなぁ、とも思う。

気持ちの整理がついているわけでもないけど
九十九の怒りと一の感謝があることを伝えた方がよいと思って。
きっと、伯父や伯母は九十五の感謝と五の怒りくらいじゃないかな。
肝心なのは気持ちの正負を足し引きしないで、そのままにしておけば
私ですらあなたに感謝することもできる。

でも、不用意に揃えることは、やっぱり、止めた方がよいと思います、
そう告げて彼女は私の視界から消えた。
あの日以来、僕もそう、思っていた。けど、これは被害者側からの
不可抗力がもたらす可能性、積極的に推奨はできないが絶対に止まるほどのことではない、
などという心理をわざわざ教えに来てくれたのだろうか。間違いなく、僕の心の負担は軽くなった。
次回から揃え方をお届けできるでしょう。

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