久喜市長 田中 暄二(たなか けんじ) ~久喜市の発展のために~

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村総会

2017年07月30日 | 日記
 高知県大川村で村議会を廃止して、有権者が参加して意志決定する「村総会」の設置の検討が始まりました。

 大川村は、人口流出や高齢化の進行の結果、1950年代には4,000人台であった人口が、現在は400人にも満たないといいます。65歳以上が4割余りを占め、2030年には人口が300人を下回ると予想されています。

 現在の村議会議員定数は6人で、村議会議員の報酬は、毎月15万5千円。しかし、議員のなり手がなく、議会を廃止し、「村総会」の設置を検討することにしたということです。

 総務省によると、1000人未満の自治体は28村。このうち500人未満の自治体は10村に及ぶということです。

 大川村は、面積95.27㎢、総人口385人で、一般会計予算は約15億円。離島以外の市町村で、全国で最も人口の少ない村です。

 ちなみに人口の最も少ない自治体は、東京都青ヶ島村の166人です。

 「村総会」が設置されれば、文字通り住民の参加による直接民主主義ということになります。

 しかし、高齢化率40%程度の自治体で、有権者が一堂に会することが前提の総会の開催日に、はたして何人が参加できるのでしょうか?

 また、総会の開催日数は、村議会の開催日数と同等以上に確保できるのでしょうか?

 さらに、村長が、議決を経ず案件を決める「専決処分」が増える怖れはないのでしょうか?

 国・県から過度の関与を排して、住民自らの自主的な地域の運営・現代民主主義はもとより大切であります。地方自治の根幹、基本中の基本といってもよいでしょう。

 しかし、これほどの人口規模、財政規模では、そもそも自治体という名称に相応しい運営ができるかということについては、甚だ疑問を感じます。

 国は、ますます進行するであろう少子高齢時代に地方自治をどのように進めるかという問題について、新たな制度設計を含めて、もっと積極的に対応すべきと思います。

 無責任と批判されても仕方がない現状ではないでしょうか。








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