Truth Diary

時代を反映した名前に思う

 最近私と同じ名前の芸能人が増えたようだ。元宝塚スターの姓に使われたり、タレントの名前に使われたりしている。
 昨年暮れに人間ドックを受診した時、提出した問診票から、女性と勘違いされたのであろう性別欄に女性と記載されて、そのまま検診結果報告が素通して届いたのには驚いた。

 もちろん、その病院の検診結果報告も、ハナから信用できず、病院の信頼を損ねたことは言うまでも無い。
 母が90歳と高齢となったので、今のうちに聞いておこうと、私の名前の由来についてたずねた。私は昭和19年生まれ、日本軍の敗戦色濃くなった時期に誕生した。身ごもった母を残して父は招集され、出征する際に、男女の別が分からない我が子へ、どちらでもよい名前として、自分の母(私の祖母にあたる)名前を一文字いただき、付けたのだそうだ。その祖母の名を私の娘がいただいている。

 40代後半までは、名刺交換で、「きれいな名前ですね」と言われ、無骨で不細工な我が姿に似つかわしくないと、よく苦しい言い訳をしたものである。
 高校生の頃、東京に行った際、なにかの戯れで、分厚い電話帳をめくり、広い東京のこと、同じ名前の人がいないか探したことがある。まったくいなかった。そうざらには居ない名前だと少し誇らしく思ったことがある。

 現在OB会の記念誌編集員として、会員名簿を見る機会が多く、同年代の名前に、共通性がある事を発見した。私と同じに男性でも女性でも通用する名前が多く、例えば弘美、浩美、弘実、広実、などがある。相手に失礼だったが、しっかり確認しないまま、よく間違えて表記したことがあり今更ながら反省しきりである。

 また、蛇足であるが、当時の逼迫した世相を反映して、何とか戦争に勝って欲しいとの思いで、我が子に命名したり、出征した親兄弟の戦地での武運長久を祈る意味での名前として、勝利(かつとし)、利勝(としかつ)、長久(たけひさ)、武久(たけひさ)、邦雄などが多いのである。
 悲しい過去を背負った名前でもある。出征する時の父の心境を今思うと大事にしたいと思う。冒頭にもどり、男女兼用の私の名前が、近年陽の目をみていることに複雑な心境でもあるが、名前負けという格言もある。

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