絶好調超!!

嵐・大野智さんとにゃんこをこよなく愛するワタシの日々のあれこれ

受験生の覚悟

2009-08-25 23:18:38 | 日々の徒然
我が家の娘は高校3年生。

1年の頃から志望校は決まっていたものの、2年の時に、部活や、さまざまな役員会で土日もなく、寝る間も削って活動し、ものすごく充実した時間を過ごし、その代償(?)として、成績は低迷してしまいました。

一度、つかえるとなかなか追いつけないようで、部活引退後も今ひとつ、成績は伸びなくて…。

本人は、予備校には行かない。学校の勉強だけで受かる、と言っていましたが、さすがに、ちょっとまずいんではないかと。

確かに、先生方も学校の勉強をきっちりできてれば大丈夫、とは言っていますし、予備校頼りになってはダメ、というのも、わかります。
夏休みなんて、ほとんど毎日何かしらの講習があって、予備校に行かなくても、学校の講習だけで十分なような気もします。

でも、それは学校での授業をきちんと理解できてること、言いかえれば、それなりの成績をキープできてることが前提だと思うのです。

今の彼女の成績からすると、追いつけていないところを他で補わなければいけない、自力でやってもあまり成果は出ていない、ということから考えて、まずは、予備校の授業ってどんな感じなの?というから始めてみようということになり、夏期講習に出て見ました。

う~ん?な授業もあったようですが、すごくわかりやすくて楽しい授業もあったようです。

やっぱり、予備校を活用するということも必要なんだとわかってくれたようなんですが…。

今現在、ヴァイオリンとピアノのレッスンが週に1度づつ入ってるのです。彼女にとってはとても楽しみなもの。できれば、これを息抜きとすることで勉強の効率も上がってくれるといいんだけどなぁ、なんて私も考えていました。

でも・・・そんなにうまくはいかないですよね。
息抜きしながらやっていられるほど、甘いものじゃなかった。

クラス分け試験の結果が思ったより悪くて「これは気合入れていかなくっちゃ!!」と二人して思いました。

で、必要な教科の時間帯を調べていると…
レッスン受けながら、なんて悠長なこと言ってる場合ではなさそうで。

私としては、本人から「合格するまでレッスンはお休みして勉強に集中する!」と言ってほしかった。そうでなければ「他の時間は勉強に集中するから、レッスンは続けたい」と言うか。

どちらにしろ、彼女の口から聞きたかったのです。

でも、「レッスンと重ならない日がいいよね?」と言いつつ、そんなのは無理だとわかっても何も言おうとしない。
そんな姿に業を煮やし、私のほうから「合格するまでは、お休みしたら?」と言うと、意外なほど、あっさり「うん」と。

拍子抜けでした。
言われれば、簡単に「うん」って言えちゃうような、そんなものだったの?!
彼女にとって、ピアノもヴァイオリンもその程度のものだったの?!
逆に言えば、受験勉強のこともその程度にしか考えていないの?!

「えっ、いいの?」と聞くと、「自分でもやめたほうがいいかなぁと思ってたけど、言われなかったらいいかなぁと」とはっきりしない答え。

なんでもっと、自分で考えないかな。

今の自分には何が最優先なのか、
将来の自分のためには、今は何をするべきか。

やりたいことが、なりたいものが決まっていて、その道筋を見つけたのなら、なんでそれに向かって全力で進めないのかな。

一気に怒りそうになるのを抑えて「じゃあ、それでいいのね」と確認してその話は終わり。
そのまま、予備校の時間を決めてしまいました。

でも…どうにも納得がいかない。
勉強にしても、ヴァイオリンにしても、こっちが心配するくらい、集中してのめり込んでしまう。そういう子だったはず。
なんで?どうして?あなたにとって、そんなふうにどっちでもいいものだったの?

そんな気持ちのまま、翌日はそれぞれ、仕事と学校へ。
帰りに待ち合わせて、予備校の受付と、レッスンを辞める手続きに行くことになっていました。

仕事しているときにふと、なんのきっかけもなく、いきなり、娘の気持ちが理解できました。本当に唐突に、どれだけ悲しい気持ちでいたのかということが。

受験勉強に集中しなければいけないことは、自分でも、よ~く分かっている。そのためには、ピアノもヴァイオリンもお休みしたほうがいいことも分かっている。レッスンを続けながら、合格への道を確実にするということは今の自分にはむずかしいことだということは、誰よりも自分が一番よくわかっているのに、それでも、自分の口から「やめる」とは言いだすことができなかった。

甘い考えなのも、卑怯な考えなのも分かっていても、もしもお母さんに言われなかったら、このまま続けていたい、そんな心境だったのでしょう。

ピアノを始めたのは小4から、ヴァイオリンは高校から。
始めたのは遅いけれど、どちらも本当にいい先生に恵まれ、音を奏でる楽しさを教えていただきました。楽器が弾けないさみしさもあるでしょうが、なにより、先生に会えなくなる、レッスンが受けられなくなるということが悲しいようです。

あの「うん」というあっさりした答えは、こんな複雑な気持ちを抱えながらも、悲しみを表には出すまいとする彼女の精一杯だったのです。

泣いてしまえばいいのに…。駄々をこねたらいいのに…。

でも、今の自分の立場を考えたら、とるべき道は決まっているから。
決まっているなら、それを受け入れて進んでいこう。悲しい気持ちは閉じ込めて。そんなところなのでしょうか。

事務の方から聞く前に自分からお知らせしておきたいと、それぞれの先生にメールを出していました。

ずいぶんと長い時間をかけて文章を考えていました。
彼女にとって、この作業が一番つらかったのではないでしょうか。

打ち終わって、「ちょっと読んでみてくれる?」
失礼になっていないか、気持ちは伝わっているか、心配だったのでしょう。

感謝の気持ちと、必ず合格して、また先生のレッスンを受けに来ます、という決意のメール。彼女らしい、いいメールでした。

しばらくして返ってきたメールを、慌てて開き、大事そうに何度か読んで、保存用のファイルにしまっている姿を見て、こちらのほうが少し涙ぐんでしまいそうでした。

そして…。

明日はピアノの最後のレッスン。
夕食の後、明日見てもらう曲を練習し始めました。

いつになく熱心に練習する娘。
こんなふうに一生懸命弾く姿を見るのは、久し振りな気がします。

同じフレーズを繰り返し、繰り返し・・・。

もう2時間以上たちます。

勉強の時間はとっくに過ぎています。

それでも…最後のレッスン、きちんと弾きたいんだという気持ちが伝わってきて。

今日くらい、納得のいくまで弾かせてあげたい。

なんて…。

やっぱり、甘いな。私。