「管理人よりお知らせ」欄でお知らせしているように、別件PC作業等のためブログの更新をお休みしておりますが、参院選を受けてどうしても黙っていられなくなりまして...ちょっと出てきてしまいました(^_^; 例によって、お聞き苦しい遠吠えをいたしますが、よろしければご傾聴を賜りたく、よろしくお願いしますm(__)m
予想どおりの結果ではありますが、TVでも新聞でも「自民圧勝」があまりに目にも鼻にもつき、「本当にそう思ってるの?!」とまずは言いたいです。衆院選以上の1票の価値の格差がある違憲状態での選挙であった上、有権者の半数近くが棄権している状態での勝利です。しかも、東京新聞は23日朝刊の社説で、「全国的にも自民党が比例代表で得たのは改選48議席中18議席。31ある改選1人区での29勝も、一人しか当選できない選挙制度によるところが大きい」と指摘しています。
さらに、昨年末の衆院選後に掲載した拙記事で、「全国の投票所のうちの30%で投票終了時間が繰り上げられる」旨を投票日前日にNHK(ウェブ版)が報道したことに触れましたが、今回は、都市部を含む全国の34%の投票所で実際に繰り上げられたそうですね(東京新聞23日朝刊 「早じまい投票所34%」 による)。繰り上げの主な理由は「立会人の負担軽減」「夜は有権者が少ない」などのようですが、公職選挙法第40条で規定されている「特別の事情がある場合」にそれらが当てはまるのでしょうか? 有権者の権利より立会人の負担軽減が優先されるとは、元来おかしな話ではありませんか? 東京新聞は「『1票投じて』と矛盾」とも指摘しています。全く同感です。第一、3分の1以上が適用しているのであれば、もはや「特別の事情」とは言えないと思います。しかも、繰り上げの告知が選管のホームページでされているとのこと、とても周知が徹底されているとは思えません。
そんな選挙で「圧勝」「ねじれ解消」と騒がれても、私は到底納得しかねます。国会はねじれが解消したかもしれませんが、政治と民意のねじれも解消したとは勘違いしないでいただきたいです。
衆院選、都議選、参院選と、回を追うごとに私の失意は増してきましたが、それでも、一条の光を見出しています。
1つ目は、政府から政党助成金を受けていない唯一の政党である共産党の躍進です。東京と大阪で議席を復活させ、神奈川では、惜敗を喫したものの、前回トップ当選した現職議員と4議席目を争いました。このことは、政治の右傾化を警戒している有権者が大都市で着実に増えている証左ではないでしょうか?
それから、東京では無所属の山本太郎氏が、自民の武見氏を抑えて4位で当選したことです。学歴も政治家としての経験もなければ、「地盤・看板・カバン」もない山本氏が、「反原発・反TPP」を訴え、1,200人のボランティアと寄付金に支えられて当選したのです。これこそ民意の反映と言えるのではないでしょうか? 自民党のうちの何人が、この「3バン」なくして当選できたでしょう? 東京でトップ当選した丸川氏と5位すべり込みの武見氏の選挙日3日前の街頭演説では、この記事によると閑古鳥が啼いていたようですが...。
昨日のNHK「クローズアップ現代」では、「検証“ネット選挙”」と題した拡大版番組の中で、今回から解禁になった“ネット選挙”を自民党が積極的に活用した様子を報じていました。ネット上を飛び交う膨大な有権者の声などを分析するチームを立ち上げ、広告代理店(選挙コンサルタント会社)を活用して選挙戦略に役立てたと。ネットから逐次有権者の声を拾い上げてデータ分析し、「キーワード」と数値化した情報を全国の候補者にタブレット端末を配布して配信、それを受けた候補者が逐次選挙演説に情報を反映していくという戦略です。
番組では、その様子を称して、「政治のマーケティング化」というような表現をしていましたが、私はそこには政治理念や展望は感じられず、まるで「コンピューターゲーム」や「言葉のゲーム」をしているかのような印象を持ちました。選挙活動が単なる政治ゲームを攻略するための方便としか映らなかったのです。有権者の声は単なるデータ、選挙コンサルがそれを基に逐次作り上げる選挙ゲームの攻略本を候補者に配布、候補者はそれを棒読みしたり、声を張り上げたりするだけ...そうして発せられた言葉は、ゲーム攻略のためのその場しのぎの言葉でしかないから、選挙が終わると、そんな言葉はなかったかのような言動を見せる...。「選挙のロボット化・マニュアル化」を感じ、背筋が寒くなりました。
その印象は、橋下大阪市長の弁舌を聞くときに感じるものとも少し似ています。法律と法理論をバックにあくまでも理詰めで自論を展開し、理攻めで記者をたじたじにする姿を、論客は痛快と歓迎するのかもしれませんが、自民党のネット戦略にも橋下氏の弁舌にも、何か“肝心なもの”が欠けているような気がしてなりません。
その“肝心なもの”を持ち、“肝心なもの”で有権者の“肝心なもの”に訴え、有権者の“肝心なもの”をつかんだのが、山本太郎氏だったのではないかと私は思います。私が感じるところの“肝心なもの”...それは読んで字のごとく、“人としての心”です。ロボットがロボットを相手に選挙しているのではありません。ロボットがロボットを相手に弁舌するのではありません。“人としての心”を持った人が“人としての心”から熱く語りかけるとき、“人としての心”を持った人に“人としての心”が届くのだと、私は思います。
山本氏は当選しても万歳をしませんでしたね。勝って兜の緒を締める姿は爽やかでしたが、緊張感をも伴っていました。これまでの道のりで、充分過ぎるほどの風当たりを実感してきたに違いありません。頭部の円形脱毛が物語っているかのようです。本人が言うように、今がスタート、これからが茨の道...今まで以上の逆風にさらされるやもしれません。フリージャーナリストの田中龍作氏も、この記事で彼の行く末や身体自体をも案じています。
“人としての心”を感じて民意が選んだ山本氏が、国民の“人としての心”を踏みにじるロボット為政者たちが牛耳る場所で、自らの身体を守りつつ、国民の“人としての心”を守ってくれることを、私はずっと注視したいと思います。山本君、よろしくお願いします!&くれぐれも気をつけて!!
つぶやき:AB*の 正体見たり サイボーグ
(*ドイツ語読みしてね)
改憲されたら、こんなことやってる私は政治ゲームのブラックリストに載るのだろうか???
貴ブログを拝読しました。卓見に感心いたしました。
私は昨年11月、本土から沖縄に移ってきました。今の最大の問題意識は、沖縄と本土の真の連帯はいかにすれば可能か、ということです。
よろしかったら今後も時折読んでいただきコメントをいただければ幸甚です。
ありがとうございました。
そうですか、本土から沖縄に移られて間もないのですね。
私は観光で那覇をほんの少し訪れただけで、沖縄とはほとんど縁がなかったのですが、偶然とはいえK・サトルさんのブログを拝読し、はっとさせられました。
そして、やはり昨年、東北から仕事の関係で那覇に移住した友人のことを思い出し、東京-東北-沖縄へと移った彼女に、文化の違い、政治的な問題など、意見をぜひ聴いてみたいと思ったものです。
そして、いつか沖縄を再訪する機会に恵まれたときは、単なる観光で終わらせないようにしたいです。
K・サトルさんのブログをRSSリーダーに登録しました。時々覗いて生の情報を勉強させていただきますね。
私のブログはほとんどが軟派の記事なので、またいらしてくださいとは言いがたいですが...(^_^; よろしかったらまたどうぞ(#^.^#)
ご両親が原発のそばにお住まいとは、ご心配ですね。もちろん、東京が安全とも言えませんが...。
あらゆることより経済が優先される社会...そして、郵政民有化に始まり、次々と国民の生活が他国や多国籍企業に差し出されていくのですね。なんと怖ろしいこと...。
維新...使われ方によっては、「復古」ですよね。現政権の聞こえのよいスローガンは復古でしょう。私にはそう聞こえます。