えつこのマンマダイアリー

♪東京の田舎でのスローライフ...病気とも仲良く...ありのままに、ユーモラスに......♪

木版画の風景 ~尾身伝吉さん~

2007年07月10日 | クラフト
 以前から好きだった尾身伝吉氏の木版画展、「尾身伝吉 木版画の世界 甦る故郷 こころの情景展」を、東京交通会館@有楽町に先週見に行きました。
 尾身氏は新潟県中越の出身で、地震被災からの復興への祈りを込め、故郷である魚沼地方の風景を題材とした木版画や水彩画を創り続けています。HPはこちら。(2008.10.8追記:2008.10.8現在HPは閉じられているようです。)

 彼の作品は穏やかな田園風景が題材なので、優しく落ち着いた色使いが多く、特に彼の原点である雪景色はモノトーンの作品です。
 今回の新作の中には、季節柄鮮やかな花のある風景もあり、最初はそれらに目が引かれました。でも、しばらく見ているうちに、やはり彼の原点である雪景色の作品に強く惹きつけられるようになりました。
 
 雪の白い部分は彫り残してある、つまり台紙の色のままなのですが、その「空白」部分が見事な「空白の美」を作り出しているのには、感動しました。控えめであるはずなのに鮮烈な輪郭を描き、穏やかな静謐、凛とした清廉を見事に醸し出していました。絵葉書を見ているだけでは気づかなかった原画の魅力を、堪能できてよかったです。

 尾身氏ご本人にも会うことができ、嬉しかったです。
 たまたまご自分は受けた被害が少なく、復興にさほど時間がかからなかったけれど、いまだ仮設住宅暮らしの被災者も多いという話や、全国から寄せられた寄付金を有効に迅速に活用してほしいのに、法律や法的な手続きに縛られて、必要な人へ必要なお金がうまく流れていないという問題点も、提起なさっていました。
 また、被災直後、行政の支援が届くより早くボランティアのサポートが入り、とても助かったともおっしゃっていました。もちろん、長期的、規模的に言えば、行政の支援に敵うものではありませんが、当面の、迅速な支援としては、とてもありがたかったと強調なさっていたのが印象的でした。






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