山の雑記帳

山歩きで感じたこと、考えたことを徒然に

2万5千分1地形図難読図名

2024-05-05 14:12:22 | エッセイ

 国土地理院の発行する2万5千分1地形図には、その図郭に掲載されている範囲を象徴する図名が付けられています。地理院地図(電子国土Web)では、[設定]→[グリッド表示]→[図郭]をONにすることで、同様の図名を表示することができます(2万5千分1地形図名はズーム11以上、ズーム10、9は5万分1地形図名、ズーム8以下は20万分1地勢図名を表示)。静岡県域が含まれる2万5千分1地形図名を東・北から挙げると以下のとおりです。

熱海・網代・伊東・川名・天城山・稲取・駿河小山・御殿場・裾野・三島・韮山・修善寺・湯ケ島・湯ケ野・下田・神子元島・須走・印野・愛鷹山・沼津・大瀬崎・達磨山・土肥・仁科・伊豆松崎・石廊崎・富士山・天母山・入山瀬・吉原・精進・人穴・上井手・富士宮・蒲原・興津・篠井山・和田島・清水・静岡東部・梅ヶ島・湯の森・駿河落合・牛妻・静岡西部・焼津・住吉・間ノ岳・塩見岳・赤石岳・上河内岳・畑薙湖・井川・千頭・石上・伊久美・向谷・島田・相良・御前崎・光岳・池口岳・寸又峡温泉・蕎麦粒山・高郷・家山・八高山・掛川・下平川・千浜・伊那和田・水窪湖・門桁・気田・犬居・森・山梨・袋井・三河大谷・佐久間・中部・秋葉山・二俣・笠井・磐田・掛塚・三河本郷・熊・伊平・気賀・浜松・三河富岡・三ヶ日・新居町・豊橋・二川

 静岡県人でなおかつ山に行く皆さんにとっては読めない図名は無いと思いますが、強いて県外の方々や山に馴染みの無い方々にとって難読と思われるものを挙げれば、神子元島(みこもとしま)、須走(すばしり)、愛鷹山(あしたかやま)、天母山(あんもやま)、人穴(ひとあな)、間ノ岳(あいのだけ)、向谷(むくや)、光岳(てかりだけ)、寸又峡温泉(すまたきょうおんせん)、八高山(はっこうさん)、千浜(ちはま)、水窪湖(みさくぼこ)、門桁(かどけた)、気田(けた)、といったところでしょうか。

 ところで、国土地理院は新しく調製した2万5千分1地形図名を発表しています。5月1日新刊分を見ると難読のオンパレードで33面全てに読みが振られていました。一部を挙げますと

船泊(ふなどまり)、礼文岳(れぶんだけ)、香深(かふか)、焼尻島(やぎしりとう)、神威脇(かむいわき)、老津(おいつ)、市鹿野(いちかの)、二木(ふたつぎ)、阿波由岐(あわゆき)、甲浦(かんのうら)、湯桶丸(ゆとうまる)、土佐魚梁瀬(とさやなせ)、馬路(うまじ)、入木(いるぎ)、美良布(びらふ)、西之表(にしのおもて)、国上(くにがみ)、口永良部島(くちのえらぶじま)

 皆さんは幾つ読むことができましたか、またそれが何処の地域なのか判りますか? 香深(礼文島南)や阿波由岐(徳島県由岐)は、音だけを聞くととても地名とは思えません。アイヌ語由来の地名の残る北海道、また奄美群島から八重山列島にかけての南西諸島域には独特な読みの難読地名が多いようです。焼尻島は留萌の北側の島です。北海道西面の日本海側には、利尻(りしり)、焼尻(やぎしり)、奥尻(おくしり)と尻の字が付いた島が続いています。アイヌ語の[sir]音は地名で用いられる場合は「陸地(大地)」「山」といった意味のことが多いそうです。知床半島(当てている漢字には意味はありません)が「大地の果て」となるのは岬という地形的にも頷けます。山名では幌尻岳、利尻山、尻別岳などがあります。ところで西之表(国上も)は種子島北部ですが、もっと南下し八重山列島までいくと西表島(いりおもてじま)と別の読み方になるのは興味ぶかいところです。



コメントを投稿