ムスカリ

福岡県直方市（のおがたし）

福智山ろく花公園にて

以下の写真すべて同場所にて撮影

　

春の花壇やプランターで、

チューリップやヒヤシンスよりもちょっと先に開花をはじめる青紫色の小花、

ムスカリ（Muscari neglectum）。

キジカクシ科の球根花で、小さな小花をたくさん付ける。

ブドウの房のようなその花姿から、別名グレープヒヤシンスとも。

　

　

　

地下でよく増え、花壇植えだと毎年あちこちで芽吹き花を付ける。

直植えだと放置でもいいが、プランターなど鉢植えだと、

2年に一度くらいは球根を掘り上げて、分球・植え替えしないといけない。

あまり密になり過ぎると、球根が成長しきれなくなり、

だんだんと花が小形になって痩せていってしまう。

　

　

パンジーをバックに。

　

病害虫にも強く、対策はほとんど必要なく、

放置でもよく育つため、庭の花によく採用される。

同じ季節の同じ球根花、チューリップやヒヤシンスなどとよく混植されている。

とくにプランターや大型の鉢に、開花時期のわずかなズレを利用して植えられたり、

ビオラやアリッサム、ノースポールなどの一年草とともに利用され、

青色の目立つ脇役として植え込みに重宝される。

　

スイセンをバックに

　

福岡ではだいたい3月上旬くらいから、

スイセンが咲きそろい、クロッカスやスノードロップが咲き始めるのと同じくらいから咲き始め、

そのうえ、開花期も長く続くので、のちに追いつくチューリップやヒヤシンスとも共演が見られる。

この時期の公共施設の花壇やイベントの植え込みなどにも、多用されている。

　

　

スノーフレークをバックに

　

花丈はせいぜい10cmほどで、そこまで高く伸びない。

そのため、背丈の低い花との相性はいいが、

キンギョソウやストックなど、背丈の高い花との相性はあまり良くない。

　

花が終わるとアブラナのようなハート型の鞘を付ける。

ここから種を採取できるが、球根を掘り上げて分球で増やす方がラクなので、

種を採取して育てるひとはほとんどいない。

こぼれ種でも増えるけれど、花を付けるまでに成長するには数年かかるらしく、

分球で増える方が圧倒的に多いよう。

　

　

　

来年の開花を考えると、球根を疲弊させないために、

チューリップやヒヤシンスなどと同様、花が終わるとすぐに花がらを詰み取った方がいい。

葉は、初夏に黄ばんでくたびれるまではそのままの状態に。

球根が養分を蓄えるにに、葉の光合成は必要不可欠だから。

　

　

　

うちのムスカリはもうそろそろ終わり頃。

まだまだ花を咲かせている株もあるが、だいぶくたびれてきた。

かれこれ一か月くらい花を楽しませてくれた。

また来年、この青紫色の小花が咲くころ、春の到来を感じるのだろう。

　

以下はムスカリギャラリー。

　

　

　

パンジー・ビオラをバックに

　

　

パンジー・ビオラをバックに

　　

　

菜の花をバックに

　　

　

ムスカリとミツバチ

 

ニンテンドー3DSのコンテンツ、すれちがいMii広場。

そのなかの有料ダウンロードゲーム、すれちがいガ～デン。

ムスカリをモチーフにした架空の花が登場する。

その名も“ムスク”。

ムスカリの語源がギリシャ語のムスク（麝香：じゃこう）なので、実はそのまんまだったり。

　

実際のムスカリでは見たことがないけれど、

すれちがいガ～デンのムスクには色違いで淡いグリーンもある。