よろず戯言

テーマのない冗長ブログです。

チューリップ

2015-04-08 23:53:07 | フラワー・園芸

春の花壇を代表する花、チューリップ“Tulipa gesneriana

トルコが原産地とされているユリ花の多年草。

チューリップはトルコ語で頭巾(ターバン)を意味する。 

さいた~さいた~♪ の歌詞でおなじみの動揺、保育園や幼稚園で必ず歌う。

花のイラストを描くとき、大抵描かれるのもこのチューリップ。

おやゆび姫が生まれたのもチューリップ。

スーパーマリオワールドのファイアフラワーもチューリップ。

3年奇面組に登場するヤクザの弟分もちゅーりっぷ。

学校や幼稚園の花壇でも大抵植えられる。

春真っ盛りのこの時期、様々な場所で色とりどり形さまざまなチューリップに出会う。 
 

チューリップとビオラ。

福岡県直方市ふくち山麓はな公園にて。

 

チューリップとビオラ、ポピー。

ふくち山麓はな公園にて。

 

トルコが原産とされる花。

オスマントルコ時代にヨーロッパや中近東へと広まっていき、

17世紀にはオランダを中心に品種改良や新品種開発が活発となり、

愛好家や貴族の間で、珍種の球根は宝石のように高額で取引された。

日本へはオランダから江戸時代に伝わる。

大正になって国内でも栽培が盛んになり、愛好家が増える。

花壇の花として一般的になったのは昭和に入ってから。

オランダから伝わったということで、当時の貿易港のあった長崎県では、

ハウステンボスやグラバー園など、チューリップの名所がたくさんある。

 

国内でのチューリップの生産高は切り花は富山県と新潟県が9割以上を占めており、

球根の生産に至っては、この二県で100%らしい。

福岡の花市場でも切り花は、地元産よりも、この両県産の切り花が大量に入荷される。
 

大輪の赤 

のおがたチューリップフェアにて。

以下記載のないものすべて、のおがたチューリップフェアにて撮影。
 

スタンダードの黄色 
 

スタンダードの白 
 

スタンダードの紫 
 

秋に園芸店やホームセンターなどで大量の球根が販売される。

大型種やフリンジ咲き,ユリ咲き,パーロット咲き,八重咲きなど、

特別な品種や高価なものは、ネットに入った状態で販売されるが、

ふつうのものは、箱などに山積みされてバラ売りされることも。

廉売されるものは、オランダなどから輸入されたものが多い。 
 

オランダから輸入されるチューリップの球根。

この一球一球に、花の色を示すセロハンテープを巻いていく作業がしんどい・・・。

 
 
球根の植え付けは10月~11月。

寒冷地では9月頃から植えるが、温暖地では12月でも間に合う。

水はけのよい土に浅めに植え付けて春を待つ。

コンテナガーデンなどでは、同時にスイセンやムスカリ,ヒヤシンスなどの球根も植え、

時期をずらして次々に球根花を楽しむというテクニックもある。

 

大輪の紫

白いグラデーション入が入った品種

 

グリーンの品種かと思ったが、つぼみだったので開花すると色が異なるかもしれない。

 

ユリ咲きの紫 
 

秋に植え付けた球根は早ければ2月の終わり頃に芽を出す。

芽とはいえ、大きめのブロードリーフがそのままニョキニョキと伸びて肥大化し、

その中央から花茎が伸びてくる。

その際、既に小さなつぼみが付いている。

花茎が十分に伸びて葉よりも高くなると、つぼみが膨らみ色づき成長し始める。

ポカポカ陽気の天気の日に、パカッと先端が割れて花が咲く。 
 

濃い紫の品種だが、このくらいになると黒色として分類される。

もっと黒っぽい品種もある。

 

ユリ咲きのオレンジの品種。

切り花ではユリ咲き種が人気ある。

 

黄色の大輪でフリンジ咲きの品種 
 

花は昼間は開き、暗くなると閉じてしまう。

開花と日没閉花を数日繰り返し、

花弁が劣化してしぼまなくなると、やがてヒラヒラとそれが落ちる。

今度は茎の先端の子房が膨らんで成長を始める。

子房はやがて種を作るが、種を生成すると球根が痩せる。

翌年も引き続き同じ球根を植えたい場合は、

種を生成させずに子房を早めに摘み取る。

 

中央が雌しべ、周りに6つの雄しべがある。
 

花が終わった後の雌しべ下部の子房。

 

花が終わった後、子房を摘み取り、

今度は葉に十分光を当てて光合成させ、液肥でお礼肥を欠かさないようにする。

葉が十分な養分を作り、球根に送ることができる。

液肥は葉の活動を活発化させるだけでなく、直接、球根にも働きかける。

葉が黄ばんできてやがて枯れると、ここで球根を掘り出す。

充分に太った球根は、冷暗所で秋まで大切に保管。

秋に植え付けて、また来年の春に花を咲かせてくれる。

このとき複数の球根が育っていたら、分球して開花の見込めない小さなものは処分する。

小さいものは、開花するまでに育つのに2・3年かかることがある。 
 

八重咲きの黄色。

バラのよう。

 

八重咲きの赤。

ボタンのよう。

 

春にもっとも馴染みある花壇花、チューリップ。

今がもっとも多種多様に咲き誇っている時期。

花に興味のない人は、なにげなく通り過ぎる花壇。

ひょっとしたら、珍しい色や形のチューリップが咲いているかもしれない。

いつも通る公園、公共施設、歩道の植え込みなど、

ちょっと立ち止まって花壇をじっくり眺めてみよう。 
 

 

右:アイスカラーの大輪品種

左:紫の透かし模様の入った品種

 

 

右:レモンイエローのスタンダード品種

左:紫とグリーンのフリンジ咲き品種

 

 

右:オレンジと赤ツートンカラーの大輪品種

左:白のユリ咲き品種

 

 

 




 

ニンテンドー3DSの有料コンテンツ、“すれちがいガーデン”。

すれ違いでたくさんの花を育てて、花手帳を完成させていくゲーム。

登場するものは架空の花ばかりだが、実在の花をモチーフにしているものが多数あり、

チューリップは見た目そのまんまで、“チューリー”として登場する。

 



CHU-LIP/大塚愛

チューリップといえばこの曲。

主題歌になっていたドラマを毎週観ていたこともあり、

当時ついつい口ずさんでしまっていた・・・。 
 

 


※お礼肥(おれいごえ):花が終わった後(実を収穫した後)にやる肥料のこと。

 「きれいに咲いてくれてありがとう」のお礼の意味。 

 花を咲かせたり実を結んだ後は植物は疲弊しているため、

 果汁苗や庭木には緩効性のものを、草花には即効性の液肥など与えることが多い。




コメントを投稿