地方の銘菓紹介。
今回は福岡市の石村萬盛堂の、銘菓“鶴乃子(つるのこ)”。
卵型の紙容器(底はプラスチック)が洒落ている。
蓋を開けると、個包装された鶴乃子が。
2個入り~十数個入りまで各種ある。
単品販売もある。
包装の色違いによる味の違いはない。
福岡市博多区に本店を置く、創業明治38年の老舗菓子店。
そこで販売されているのが、博多銘菓“鶴乃子”。
卵型のふわふわのマシュマロ生地の中に、
卵黄に見立てた黄色の餡が詰まった、甘く優しいお菓子。
ふわふわのマシュマロ生地。
卵を模した形状。
元々同店は、卵黄と砂糖で作る、ポルトガル伝来の激甘お菓子、
鶏卵素麺(フィオス・デ・オベス)を製造・販売していたが、
卵黄だけを使用するため、大量の卵白が廃棄されてしまう。
卵白の有効利用を考えたとき、当時まだ日本に伝わったばかりだった洋菓子、
マシュマロに着目し、和洋折衷のお菓子、鶴乃子が生み出される。
以来、100年以上に渡って、博多の銘菓として、
鶴乃子は庶民に愛され、お土産として人気を保っている。
黄身に見立てられた黄色の餡。
なめらかで美味しい。
マシュマロ生地との相性もいい。
そんな鶴乃子を製造・販売している石村萬盛堂、実は知られざる元祖がある。
女性が男性にチョコレートを渡して愛の告白をする、2月14日のバレンタインデー。
その一ヶ月後の3月14日、男性からの返事・お返しとして、マシュマロを渡すホワイトデー。
そのホワイトデーを提案したのが、なんとこの石村萬盛堂の当時の社長だった。
純粋なマシュマロも製造・販売している。
いちご,メロン,バナナ,ミルクと4種の味がミックスされている。
老舗とはいえ、地方の菓子店だけの力で、こんな全国のイベントとして成長するわけがなく、
社長は、取引のあった大手デパートへこの提案を持ち込んで、
バレンタインデーと対なすイベントとして、全国に普及させることに成功した。
社長の巧い発想でホワイトデー発祥の店となった。
季節限定の鶴乃子も販売される。
今のシーズンだと、この“さくら餡”鶴乃子。
餡の中に桜の塩漬けが入っていて香りも味も最高。
夏期限定のマシュマロアイス、“マシューアイス”。
厚めのマシュマロ生地の中は、バニラアイスっぽい餡やクリーム。
なのでアイスと呼ぶには語弊がある。
もっとマシュマロ生地が薄くて中身がバニラだと、雪見だいふくのように美味しいだろうに。
そんな石村萬盛堂の鶴乃子。
佐賀や長崎、熊本の方は「?」と思うかもしれない。
現に長崎出身のうちの母は、福岡に嫁いできて、
この鶴乃子を見たとき、そう思ったらしい。
長崎や佐賀、熊本では、こちらの方が有名らしい。
九州銘菓。
イラストもどことなく趣が似ている。
銘菓・・・鶴の里。
このつくり、形状、味、全てにおいて酷似している。
完全な類似・・・いや模造品。
あえて言おう、パクリであると!
どこのメーカーだ?けしからん!
そう思ってパッケージ裏を見ると、見慣れた独特のフォント。
竹下製菓・・・ブラックモンブランの会社じゃん!
なるほど、マシュマロ生地のやたら強いバニラの香り、
ブラックモンブランのバニラアイスそのものだわ。
竹下製菓は佐賀県小城市に本社があり、石村萬盛堂よりも規模が大きい。
そのため、佐賀県,長崎県などは販路がしっかりされていて、
この鶴の里も、ふつうに販売されて普及しているのだろう。
・・・と思ったら、福岡でもその辺のスーパーで売っていた。
ブラックモンブランが販売されている地域じゃ、売られているのかもしれんな。
となると、全国的にも、鶴乃子よりもメジャーだったりして・・・。
「竹下」部分に特長がある、会社ロゴ。
地元のスーパーで購入。
長崎出身のお母んは、こっちの方が馴染みがあるとのこと。
ともあれ、銘菓・鶴乃子、福岡へ来た際のお土産にどうぞ。
併せて、九州銘菓・鶴の里もどうぞ。
食べ比べてみるのも面白いかもしれない。
石村萬盛堂、マシュマロ大使、“マフィ&マフィーズ”。
店舗によっては、店の入口に不二家のペコちゃんみたく、マフィが居るところがある。
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