よろず戯言

テーマのない冗長ブログです。

露店のあやしいカステラ

2019-04-08 18:29:17 | 日記・エッセイ・コラム

先日、仕事から帰宅すると食卓の上に大きめの紙袋を見つけた。

デカデカと描かれたドラえもん。

なにこれ?

中身はベビーカステラならぬ、ドラカステラ。

まあ、人形焼みたく、ドラえもんの形に焼かれたベビーカステラだ。

 

春休み中だった甥姪たちを連れて、

うちのお母んが、桜の有名な近所の公園に行ったらしい。

そこの露店で売られていたのだという。

袋が閉まらないくらいたっぷり入れてくれたそうだが、このひとふくろで千円!

高っ・・・!

いや、露店の商品と考えれば安いのか。

 

お母んがニヤニヤしながら言う。

「それ食べてみてん、すごいき。」

どういうこった?

「一匹もまともなドラえもんがおらんき。」

 

ちょうど腹ぺこ。

食べていいのなら少しもらおうじゃないか。

袋からは、卵と砂糖のいい匂い。

数個出してみた。

なんじゃこりゃ!?

 

  

 

型が古いのか?

原料の生地が悪いのか?

やたらボッロボロのカステラ。

表面のディテールがつぶれていて、顔が認識できない。

その姿からドラえもんだと判る程度。

お母んの言うとおり、一匹としてまともなドラえもんが見当たらない。

いや、それよりドラえもんは一匹二匹と数えるのか?

さすがにヒトじゃないので、一人二人ではなかろうが、

ロボットだから、一体二体が正解なのか?

 

 

バリ(成形はみ出し)がひどい。

昔のガンプラでもここまでない。

 

 

継ぎ目もひどい。

昔のガシャポン戦士でもここまでない。

 

そんなことを考えながら、とりあえず一個 食べてみる。

「固っ!」

ふんわり柔らかなカステラを想像していたのに、モサモサしたやたら密で重たい生地。

粉の配分、間違ってるんじゃないの?ってくらいに固い。

味は決して悪くない。

甘すぎず、卵の風味もしっかりとした美味しいカステラだ。

だが、このモサモサと固い食感はいただけない。

 

モサモサ固い生地。

口の水分がなくなる。

 

 

これで一番まともなほう。

 

袋をあらためて見る。

これ、ドラえもんじゃねえな・・・。

このタッチ、藤子不二雄のそれとは明らかに違う。

よく見ると、ドラちゃんと書かれてある。

はは~ん、これは非ライセンスのバッタもんだ。

露店にありがちなやつだな。

 

ドラちゃんだと?

カステラじゃなく、カステーラとなっているところもポイント。

あと、この雲のタッチは斬新過ぎた。

ラッションペンで描いた?

 

商品そのものの質もさることながら、この紙袋のイラストの質もなかなかのもの。

露天商、的屋にあまりいいイメージを持っていないが、

こういうとこひとつとっても、やっぱりアウトローというか、

営業にヤクザというか、反社会的な組織が関わっているのだと思わざるをえない。

それにしても お母んは、なぜ明らかにバッタモンだと判る、こういうあやしいのを買うかね?

甥っ子らに強くねだられたか?

悲しいかな、このカステラ、甥っ子たちには見向きもされていなかった。

 

ベロをペロリと出しているのではなく、

ベロの一部が口からもれているような描かれ方。

絵心のないひとが描いたようだ。

 

10年近く前に露店の駄菓子屋で買った飴。

間違いなくこれも非ライセンス商品だろう。

 

 

 

 



コメントを投稿