福岡県直方市ふくち山麓はな公園にて。
本記事掲載の写真すべて同場所にて撮影。
寒い冬、地面からわずかに葉茎を伸ばし、
白い可憐な花を垂らすように咲かせる、スノードロップ"Galanthus nivalis"。
ヒガンバナ科、和名はマツユキソウ(待雪草)。
ヨーロッパを中心に、春を告げる花として親しまれてきた。
日本へは明治時代に伝わり、以後園芸用として普及している。
スイセンやクロッカスなどと共に、真冬から早春にかけて花を咲かせるため、
寂しい庭に少しだけ彩を付けてくれ、春の訪れを予感させてくれる。
白い三枚の大きな花びら、その内側に緑色がかった小さな三枚の花びらを広げ、
スズランやスイセンのように、下向きにうつむいて咲く。
背丈が低い花なので、この花の内部を観察するのが難しい。
うつむいた花をつまんで、無理矢理起こして覗くしかないが、かわいそうなのでやったことがない。
夜間や低気温のときはこの花びらが閉じられる。
花内部の温度を保つための機能だといわれている。
園芸店などで夏の終わりくらいから、球根が出回りだす。
スイセンやクロッカスなどと同様、秋に植えておくと、冬に芽が出て開花する。
ムスカリと同じくらい、2~3cmくらいの小さい球根。
水はけのよい土に浅植えする。
基本、掘り起こしたりはせず植えっぱなしだが、
鉢やプランター栽培で、分球し過ぎて窮屈になると、掘り起こして植え直す必要がある。
強健で育てやすい花だが、種を付けると球根が弱るので、
他の球根花同様、見頃を過ぎた花は早めに摘み取り、あとは葉と球根の育成に専念する。
開いた状態と閉じた状態。
球根のみならず、この時期には平鉢に開花株がたくさん植わったものも流通しているようだ。
だが、自分はスノードロップの鉢植えが売られているのを見たことがない。
スイセンやスズランが売られているのはよく見かけるのだけど。
地植えのイメージが強い花だけど、そういった育て方もいいかもしれない。
その花姿から、神話や宗教的な逸話も多くあり、
聖なる花とされたり、死を呼ぶ不吉な花とされたり、さまざま。
※英名の由来、直訳してそのまんま、"雪のしずく”で、
その開花時期、花色とうつむいた花の印象から、
雪解けの滴のようなイメージで名付けられたのだと思われる。
それとは別に、"雪の耳飾り"という説もある。
どちらも花の色,形から、イメージ的には合っている。
福岡では3月中旬くらいまで花を見ることができる。
寒い地方ではもうちょっと先まで見ることができるだろう。
花が終わった後は株をよく育てて、球根を肥えさせる。
夏になると、その葉も枯れてなくなり、スノードロップは休眠期に入る。
暑さに弱いため、夏場はお休み。
そうして涼しくなった秋に、再び球根が根を張りだして、冬に芽を出すのだ。
1、2輪、ひっそりと咲いている姿も可憐でいい。
たくさんの花がびっしり群生している光景も見応えがあっていい。
寒い時期もあとわずか・・・そう思わせてくれる花がスノードロップだ。
クロッカスと一緒に咲いたスノードロップ。
※当初、英名の由来、参考にしたサイトの記述に従って、
"雪のしずく”ではなく、"月の耳飾り"と書いており、それに対しての自分のツッコミなんかも書いておりました。
後日、園芸関連のいろんなサイトを見ていると、どうやら"雪のしずく"で正解のようで、
異説として、"雪の耳飾り"というものがあると判明。
"月の耳飾り"としていた最初に参照したサイトが、そのレイアウトなどを見ると、
どうやら今話題の"まとめサイト"のようで、誤植の可能性があり、
信頼に欠けると思い、文章を変更しました。
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