ポルトガルのえんとつブログ

画家の夫と1990年からポルトガルに住み続け、見たり聞いたり感じたことや旅などのエッセイです。

K.016. 17世紀模様陶製卓上塩入れ Saleiro Cerâmica Sec.ⅩⅦ

2018-10-20 | 飾り棚

高さ 6.5cm

 この卓上塩入れは設計ミス?
 絵柄は可愛くて気に入ってはいるのですが、穴が小さくすぐに塩が湿気て詰ってしまって残念ながら使い物になりません。
 日本のさらさらした食卓塩なら使えるのでしょうが、ポルトガルの天然の粗塩では無理です。

 ポルトガルには全国各地に塩田があってスーパーでもどこでも普通に天然の粗塩が売られています。
 値段は安くて(1 キロが 0,21ユーロ) 40 円程もしません。
 毎年、我家では味噌を作ったり、梅干を作ったり、まためざしを作ったりもしますが、ミネラルを多く含んだ天然の粗塩を使うので結構美味しいのが出来上がります。

 我家から車で 20 分程走ったガンビアというところにも塩田があります。
 塩田は強い太陽に当って水分が蒸発し、少しずつ濃厚になり塩の結晶が作られていきます。

 そこには毎年 10 月頃からフラミンゴの群れが越冬のため渡ってきます。
 どうやらアフリカから来るらしいのですが冬のあいだにそこで子育てをするようです。

 さらに車で 30 分ほど走ったところには「アルカサール・ド・サル」と言う町があります。
 「塩の宮殿」と訳すことができるでしょうか?
 名前の通り元々は塩田の町だった様ですが、今では塩田は水田に取って替わられ米が作られています。
 そのアルカサール・ド・サルにはたくさんのコウノトリの巣を見ることができます。
 食事時には巣の中はどこも雛鳥の姿しかありません。
 親鳥たちは餌場の水田に集っているのです。
 水田には小魚などの餌が豊富にあるのでしょう。
 つまり農薬はあまり使っていない証拠なのだろうと思います。
 だから私たちも安心して米を食べ、塩を使います。
 時々はフラミンゴの群れや、コウノトリの雄大な姿を眺めに行くことを楽しみにしています。MUZ

©2018 MUZVIT


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