直径14cm
このオリーヴ入れを見つけた時はおもわず笑ってしまった。
黒豚の絵柄も珍しいけど、灼熱の太陽にさらされながら野原をさまよう黒豚の姿。
それを見て思い出した。
アルフレッドの農場に行った時のこと、その年に生まれた子羊ばかりが入っている畜舎を見学した。
その畜舎の隅で二頭の黒豚の子供が戯れていた。
たぶん親豚の目を盗んで出歩き、ふらふらとここへ迷いこんできたのだろう。
それを見つけた牧羊犬が突然血相をかえてその子豚に突進を開始した。
2頭の子豚はびっくり仰天して、凄まじい悲鳴と共に表にすっ飛んで行った。
牧羊犬は子豚を親豚の所に戻そうと使命感に燃えて、その後をどこまでも追っかけて行った。
アルフレッドと奥さんのアンナ、私たちは大笑い。
牧羊犬の恐怖はあるとは言えこの農場の黒豚たちは実に自由に暮らしている。
アレンテージョ地方のバランコス一帯は黒豚の産地として有名だ。
その辺りをクルマでドライブすると時たま黒豚の遊牧に出会う。
まるで羊飼いの様に一人の老人が一匹の犬を連れて4~50頭の黒豚を遊牧している。
餌はコルク樫のどんぐりやオリーヴの落ちた実などなのだろう。MUZ
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