マイクロ・ナノデバイス 

デバイス・プロセス技術のコラボレーション 参考資料:S.M.Sze半導体デバイス

CMP技術

2007-10-22 23:09:59 | プロセス -Process-
CMPとはChemicalMechanicalPolishing化学的機械研磨の略でIBMが開発した段差平坦化のための技術である。素子分離や層間絶縁等の絶縁膜のCMPとCuやWのような配線材料の平坦化両方に用いられる。

CMPは数nmのレベルで平坦化できる唯一の技術でありSOG、メルト&リフロー等の平坦化限界は10μ~100μ程度である。
メモリなどでは高々2から3層の配線であるがLogicでは5層以上の多層配線が必要とされる。従来の多層配線では下地の凹凸がそのまま上層に転写されてしまうため、上層配線で設計ルールを狭めなくてはいけなかったがCMPの登場で上層まで下層と同じ設計ルールでの配線の構築が出来るようになった。

CMPの特徴としては
①大きな構造や小さな構造を含めて一括で平坦化できる
②欠陥密度が低い
③プラズマ損傷を抑えることができる。
CMPは試料表面とパッドの間にスラリ(研磨剤液)を挟んで試料がパッドに対して動く構造になっている。スラリ内に含まれている研磨剤が試料を平坦化する。
ある意味、乱暴そうな方法ながらこの精度を実現できるすばらしい技術といえる。

研磨のメカニズムは完全に明らかにされているとは言いがたいが表面での研磨剤とのミクロな化学反応によって生じた生成物をウエハーの加圧、回転によるメカニカルな動作によって取り除くことによって進行している。
研磨速度VはPrestonの式によると
V=K・P・ds/dt
Kは定数、Pは加重、ds/dtはウエハ、パッドの相対的速度である。

パッドはプロセスによって最適な硬さのものを用意する。
一般に硬いパッドは平坦化性能には優れているが研磨膜表面に傷が残りやすくウエハーの厚さばらつきを拾ってしまう。
他方、やわらかいパッドはウエハー面内のバラツキを吸収できるが構造の平坦化性能には劣る。

CMPの終点検知には削りたいものとは物質の違うストッパー膜をかませておくことが普通である。終点まで達するとパッドの回転モーターの電流地が変わり園へ径の変化で検知する。

CMPは平坦化に優れているといっても下地の構造ではDishing(ディッシング)やThinning(シニング)といったErosion(エロージョン)問題が生じる。

ディッシングは配線幅の広くなった部分でパッドの弾性により過剰に研磨されてしまう現象。シニングは配線が狭くなったところでストッパーが機能せずにストッパー膜ごと削られてしまう現象である。

このような現象を防ぐにはなるべく一定の幅での配線幅になるようなパターンを作成する。

最新の画像もっと見る