★野田佳彦。
この人、総理になったのは運が良かったと言うべきか、それとも「不幸」であったのか。本来なら、鳩山の長期政権が続き、菅直人が後継を襲い、あるいは小沢一郎や前原誠司が権力の頂上を目指す、その傍ら野田佳彦はセカンドベストならぬ日陰のランナーとして指で穴を開けた障子の向こう側から鳩山ファミリーの豪華な宴会を盗み見るような、そういう立ち位置だったのではないのか。
答弁は卒が無いが感銘は与えない。遠くの見た目は悪くはないが、近くで見ると顔のブツブツが薄気味悪い。何をさせても平均点以上だが、傑出したものがない。
自衛隊員のセガレに生まれ、高校時代は柔道部、大学は全国から秀才が集結するワセダ、そして政治家を目指し松下政経塾で野望を磨いた。しかし、幸之助の秘書であり、野田を指導した江口克彦氏からは「松下政経塾の卒業者だとは言ってくれるな」と批判され、野田の裏面を垣間見せたが、当の野田にとってはカエルのツラにナントカ。国対委員長時代はニセメール事件で、永田を自殺にまで追い込んだ直属の上司であったが、今や、公約違反の「消費税増税」に政治生命を賭けると宣言し、同時に原発再稼動に政治判断を下すと鼻息を荒くする。
こうして見てくると、野田佳彦なる人物は単に「権力の為の権力亡者」であり、権力を維持する為に財務省や経団連、そして原子力ムラの従順な「下僕」として立ち振る舞っているように見える。「腹合わせをする」とか、そういう下品な物言いをしながら談合取引で寝技に持ち込む。それが政治だと勘違いしているなら、早晩、国民からそっぽを向かれ、そう遠くない時期に短命総理として政治生命を喪失するのではないのか。
★泉田裕彦と細野豪志。
細野「ガレキを被災地でない他の地域が受け入れられない理屈は通らない」とな。
これに対し、新潟県の泉田裕彦・知事は5月19日、「どこに市町村ごとに核廃棄物場を持っている国があるのか」と批判。
さらに泉田は「国際原子力機関(IAEA)の基本原則で言えば、国が放射性物質を集中管理すべきだ」。
★泉田裕彦。
この人、経産官僚出の新潟県知事だが、正論を吐く。
泉田は公言する、
「ガレキの広域処理の必要性が明確でない中で、広域処理により生じる多額の国家予算を、被災地支援に有効利用すべきではないか。例えば、宮城県・宮古地区の産廃処理単価が1トン当たり16,300円なのに対し、広域処理単価は1トン当たり59,000円となっている。広域処理引受量162万トンで差額を算出すると、約700億円となる」。
「岩手県のゴミ焼却施設でキロ当たり最大3万ベクレルの焼却灰が検出されていることからもガレキの広域処理にあたっては、放射能の安全対策と集中管理をする必要がある。しかし地方行政に専門家はいない上、ノウハウも何も無い。これでどうやって放射能ガレキの処理を行うことができるのか。また、ガレキ焼却後の灰を埋め立てた後で排水に溶け出すことは他の事例(伊勢崎市)を見ても明らかだ」。
柏崎刈羽原発の再稼動について泉田知事は、
「福島原発の事故が人災であるという認識が東京電力にあるのかと言いたい。社内で誰も事故の責任を取っていないのに、運転再開はありえない」。
★福井県知事の西川一誠。
この人、総務官僚出の知事だが、新潟の泉田知事と異なり、原発イケイケドンドンだ。
大飯原発3、4号機の再稼働について西川は「夏を迎えようとしているのに、原発再稼動を国民にはっきりと発言すべきだ」とな。
さらに西川一誠は「大阪、京都は福井県の40年の努力や苦労、恩恵に無感覚であってはならない。我々は関西の同意を待っているわけではない。大阪・京都が電気をいらないというなら、福井が無理をして動かす必要はない」。
つまり大阪・京都は福井県に頭を下げて、原発再稼動をお願いするのが筋だということだな。
しかし大飯原発で事故が起きれば、地元はもちろん大阪・京都は壊滅ですよ。
それは日本が滅亡するということです。
(ムラマサ、鋭く斬る)
(新潟のお方へ、御教示ありがとうございます)