燈子の部屋

さまざまなことをシリアスかつコミカルかつエッセイ風に(?)綴る独り言的日記サイトです

通院雑記

2016-02-26 17:37:29 | 介護
 火曜日──。

 主治医のK3先生は、週3日の勤務だけれど、午後は手術に入ることが多いらしい。
 となると、外来には午前中に行くのが心得というものだろう。
 個人的には、午前中はお腹の具合がよくなかったりするので、なるべく予定を入れたくないのだけど、そうも言ってはいられない。
 母に代わって骨粗しょう症薬の処方箋をもらうため、待つのは覚悟の上で、10時過ぎに病院に行った。

 しばらくロビーにいた後、診察室にほど近い廊下の長椅子に移動した。
 向かい側の長椅子では、90代と70代の患者さんがおしゃべりしている。
 聞くともなしに聞いていると、その日、たまたま隣り合っただけで、見ず知らずの間柄のようだ。
 でも、いや、だからこそなのか、家族構成や既往歴などの個人情報をいとも気軽に打ち明けている。
 お年寄りとは昔からそういうものだと思うけれど、私がいくら年を取っても、それはできないような気がする。

 話好きな義母の場合、話し相手は至る所にいる。
 病院はもちろん、買物や散歩の途中など、話のできそうな人を見つけると、誰にでも話しかけてしまうそうな。
 詐欺が流行っている昨今、どんな人が聞き耳を立てているかわからないので、少し危うい気がしないでもない。
 それでも、一期一会のおしゃべりは、義母にとっては楽しみの一つであり、健康維持の秘訣なのだ。

 かれこれ30分ほど経っただろうか、母とよく似た氏名の呼び出しがレントゲン室からあった。
 気になったものの、撮影の予定はないので別人だろうと様子を見ていると、なおも呼び出しが続く。
 これは読み違えだなと思い、申し出てみると、どうも違うらしい。
 引き続き長椅子で待っていると、しばらくして技師が出てきて、呼びかけを繰り返しながら歩いていく。
 後を追い、受付で看護師と話している技師に再び確認すると、母ではないらしい。

 もやもやしながら、さらに待っていると、今度は看護師がカルテを手にやってきた。
 同姓なので患者名を見せてもらうと、やはり母だった。
 母の名前は、漢字は易しいのだけど、フリガナがないとまず読めない。
 そのフリガナがかなり小さかったので、読み違えたのだろう。
 私の聞き方にもどこかまずいところがあったのかもしれない。

 そもそも、受付で処方箋の話をしたのに、なぜカルテが主治医でなく技師のところに回ったのやら。

 そういえば、もう一度確かめに行った時、看護師の指摘──患者の撮影予定がずっと先であること──に対して、かの技師はこんな風に答えていたっけ……。

 「そうなんだけど、今日来てるんなら、撮っちゃおうと思って」(!)

 言葉の意味をようやく理解した私は、唖然とした。
 もし仮に、本人が来ていたとしても、つい一週間前に退院したばかりだし、主治医からは4月に撮影との指示が出ている。

 (なぜ今撮ろうと……?)

 そう問いたいのをこらえて、なおも待つことしばし──。
 11時をかなり過ぎた頃、ようやく主治医に呼ばれた。

 骨を丈夫にするには、経口薬よりも注射のほうが効くらしい。
 ただし、1本5千円(!)もするらしく、気軽に打てるものではないし、度々の通院は楽ではない。
 結局、今まで通り、経口薬を処方してもらった。
 そして、当初のレントゲン撮影と合わせて、骨密度の測定も行うことにした。
 そういえば、最後に測定したのはいつだったか……。
 いつの間にか、服薬を続けるだけになっていた(汗)
 エビデンスがあるか、気をつけておかないと。
 訪問リハビリについては、やれるならやったほうがよい、ということだった。

 カルテが寄り道したせいで、予想外の待ち時間となったけれど、多忙な主治医と話せてよかった。
 次は忘れずに本を持って行こう、と思った私だった(苦笑)




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