「少佐」といえば

私にとって「少佐」といえば――

「鉄のクラウス」こと
　クラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハ少佐

その人ただ一人。

彼こそは知る人ぞ知る、
青池保子さんの『エロイカより愛をこめて』の主人公……

いや本当は、「エロイカ」ことドリアン・レッド・グローリア伯爵が主人公で、
イギリスの美術品窃盗団の華麗なるボスとして活躍する話なのだが、
第２話でいきなりエーベルバッハ少佐が踊り出て来たのだ。

む。踊りながら出てくるのはＳＩＳのおちゃらけロレンスだったな。
ロレンスが出てくると混乱するのでもう触れないでおこう。

エーベルバッハ少佐は、そりゃもうカッコいい！（べた褒め）

ＮＡＴＯ（北大西洋条約機構）のボン支部に勤務し、
明けても暮れても任務任務任務……というまことに勤勉なドイツ人情報将校。
どれほど美貌の女が迫ろうと、にべもない硬派な独身貴族。
（そもそもこの漫画に女性が登場することは滅多にないが）
尼さんとお年寄とこどもには優しいナイーブなところもある。
そして、マグナムを片手で撃つ、まるで絵に描いたような軍人である。

そんな少佐は当然のごとく？芸術オンチなのだが、彼には彼なりの美意識がある。
少佐がエロイカに言うセリフ――

「なあ伯爵……
　きみは美しいものが好きだといったが――
　みがきぬかれた鋼鉄の色ってのもいいもんだぜ」（単行本第1巻142頁）

少佐もこんな要らんことを言うから、エロイカが恋心を抱いてしまうわけですな。
このあと自分で「キザだな」と言って照れる後ろ姿が可愛い。

というわけで、これまで「少佐」といえば、迷うことなく彼のことだったのだが。。。

新たにもう一人出現してしまった。
その人の名は――

　草薙素子

先日から『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』を見始めたのである。
士郎正宗さんの原作コミックや劇場版は見ていない。
何の予備知識もなく、ふら～っとテレビシリーズを借りてきたので、
まだまだ理解しきれていないところがあるが、なんだかカッコいい。
「少佐」というのは、軍所属の経歴もしくは尊敬と信頼がこめられた通称らしい。
これからは、それぞれ苗字をつけて呼ばせて頂きたいと思う。

ところで今、一つだけ悩まされていることがある。
草薙少佐が出てくると、必ず一度は夫が聞くのだ――

「なんであの人だけあんな格好なの？」

気になるのも無理ないか。
だって……

ビスチェにジャケットを羽織っている感じだものね♪


※青池保子公式ホームページ ～LAND HAUS～
　（作品リストが充実していると思います＾＾　不定期更新）

※攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX
　（2005年4月25日に更新終了していますが、閲覧はできるようです）


（次を読む）