燈子の部屋

さまざまなことをシリアスかつコミカルかつエッセイ風に(?)綴る独り言的日記サイトです

お鮨屋さん 10

2007-02-08 12:33:41 | 食べるたのしみ
 先日の「す44」は大賑わいだった。
 店を覗いたお客さん――「もう終わりですか?」
 まだ20時なのにこの問いかけとは、きっと常連さんに違いない。
 本当にシャリが底を尽きかけていたようだったし。

 シャリといえば、今年から南魚沼産コシヒカリだ。
 年初に今までのコシヒカリと食べ比べることができた。
 違いは明らかで、南魚沼産のほうがもちもち感と甘みが強く、
 お米の一粒一粒がしっかりと立っていて、段違いのおいしさだった。
 でも、握り鮨に必要なのはネタとシャリの一体感。
 普通に炊いて食べる分にはいいけれど、握り鮨にすると、
 口に入れた時に舌の上でネタとシャリが分離してしまう。
 それで、加減を見ながら他のコシヒカリを混ぜていくとか。
 NHK「ためしてガッテン」の新春スペシャルでは、
 新米は水分が多く、酢がうまく染み込まないので、
 寿司飯用には古米を7割混ぜるとか言っていたっけ。
 シャリの世界って奥が深いな~。

 シャリとくればネタ。
 大将はとびっきり極上の大トロを仕入れていた。
 披露されたカマ下は、ディスプレイなら17インチはあろうか。
 カチコチに凍っているため、切り口は紗をかけたようなピンク色で、
 素人目には脂のノリ具合の良し悪しなどわからないけど、
 その美しい縞模様を目にしたら、どうしたって期待してしまう。
 それでも「実際に食べてみなければわからない」と大将は言う。
 もしも不味いと困るので、前日には解凍して味見をするとか。
 実はこれ、ガード下での最後の営業となる今月18日の送別会用なのだ。
 楽しみだなあ~。

 ネギトロが相変わらず旨い。
 トロのすき身を叩いた上にネギが少し乗っているのだけど、
 海苔を巻かない分、ネタの量が多いので、シャリを包み込んでいる感じ。
 ネギトロの食感とうまみを十二分に味わえる。

 穴子は、小さなこどもでも食べられるほどふくふくとやわらかく、
 脂の上品な甘さとタレのうまみが溶け合って旨い。
 いつもは普通の握りを頼むのだけど、この日は一本まるごと。
 長い穴子の下に隠れるようにシャリがちょこんと並んでいるのは、
 なんとなくユーモラスでかわいい。

 この日の一押しネタは、国産のボタンエビ。
 いつものネタより一回り大きく、ねっとりした甘さも格別で、
 炙ってもらった頭のミソがまたなんとも言えない旨さ。
 上品な香りがいつまでも鼻腔に残り、来てよかったとつくづく思うのだった。


 ※メモ※
  移転開店は今月末日。
  シャリのランクアップということで、1貫140円になるらしい。
  この際もう150円にしてもいいような気がするけど――
  「1皿280円と300円とではだいぶ印象が違うでしょ?」と大将。
  うむ、それは確かに(^^*ゞ


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2 コメント

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送別会は (とほ)
2007-02-14 09:13:17
常連客でごったがえすのでしょうね。
それ見たイチゲンさんも来たりして、たいへんな事に。
その日ばかりは、イチゲンさんお断りの店でも仕方ないですな。
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知らないうちに (燈子)
2007-02-17 19:02:39
 「三十人会」なるものができてました(笑)
 もっと増えている可能性もありますが。
 でも、どう見てもそんなに入れそうにないんですけど……(^_^;)
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