燈子の部屋

さまざまなことをシリアスかつコミカルかつエッセイ風に(?)綴る独り言的日記サイトです

懐かしの郷土料理

2016-06-10 11:00:00 | 済州島2016
 滞在2日目の夕食は、これまでに何度か入ったことのある「テウジョン」で頂くことにした。
 味の仕上げにマーガリンとタレを混ぜるトコブシ釜飯がお目当て。
 最初は、ご飯にマーガリンを混ぜることに驚きと抵抗があったので、まずはそのまま食べてみた。
 でも、なんだか今一つ薄味だったので、少しずつ混ぜていくうちに、食パン1斤ぐらいは楽に塗れるくらいの量を使ってしまった覚えが……。
 どうせ混ぜるなら、風味豊かなバターのほうが好みだな。
 バターといえば、小学生の頃の私は、お茶碗によそったあったかいご飯にひとかけらの冷たいバターを埋め込み、溶けてきたら醤油を少しかけ、よく混ぜて食べるのが好きだった。
 トコブシ釜飯は、どこか当時の懐かしい味を思い出させる。

 さて、ホテルを出たのは19時頃──まだ明るかったので、てくてく歩いた。
 カジノではほとんど座ってばかりなので、歩くと気持ちがいい。
 それに、食前の散歩は、食事をさらにおいしくしてくれる。
 30分後に着いた頃には、さすがに暗くなった。

 店に入ると、モダンな雰囲気に改装されていて、一瞬、間違えたかと思った。
 テーブルに着くと、店員のお兄さんが、天板の下の引き出しからお箸などを出してくれた。
 なかなか小粋な造りのテーブルだ。
 客の入りはそれなりで、ほとんどが釜飯の他に甘鯛の開きを食べている。
 それがとてもおいしそうなので、まずは甘鯛の開きを注文すると、「ご飯はどうしますか?」とお兄さん。
 ご飯物はシメにあらためて注文するつもりで、「とりあえずいいです」と夫。

 じっくりと焼くからか、出てくるまでにだいぶかかった甘鯛の開きは、見るからに香ばしそうな飴色をしていて、期待通りのおいしさ♪
 適度に落ちた脂に魚臭さはなく、ほっくりとして、これだけでも食べ応えがある。

 20時を過ぎたところで、そろそろシメにしようと釜飯を頼むと──「ご飯はもう終わりました」とお兄さんのにべもない答え。
 ここは21時ぐらいまでやっているのではなかったっけ?
 まさか、お米が底をついた……?(私たちの後に入った家族連れもいた)
 いや、厨房の様子や、他のお客たちが帰り支度をしているところを見ると、もう看板としか思えない。

 まさか、最初の一品がラストオーダーになるとは……(嘆息)
 それならそうと、お兄さんもきちんと説明してくれればいいのに~。

 腹六分で店を出た私たちは、トコブシ釜飯をいっそう懐かしく想いながら、タクシーでホテルに戻ったのであった。




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