燈子の部屋

さまざまなことをシリアスかつコミカルかつエッセイ風に(?)綴る独り言的日記サイトです

付添い 15

2002-07-13 00:00:03 | 母の病気のこと(完)
実は、母は若い頃に美容整形手術を受けている。
キャンディ・キャンディなら「気にしないわ」というに違いないのだが。
以前にそのことで占い師に、顔を変えたから運命が変わった、
とかいうようなことを言われて以来、元に戻したい願望が生じてしまったのだ。
国が傾くほどのとびっきりの美女に変貌したとでもいうなら話はわかるけど、
いたって小さなその手術が、父母の不仲や隣近所とのトラブルを引き起こすほどの
パワーを持っていたとは到底考えられない。

あぁ。この話はもう済んだと思っていたのに、まだ考えていたのねー。

ここで私は筋違いもはなはだしいが、叔母をちょっぴりうらめしく思った。
まだこどもだった頃、母は体が弱かったので、しょっちゅう病気をしていた。
風邪とは特に仲がよかった。
それで、いつも鼻をかんでいたのだが、そんな母に叔母から痛烈な一言が。

「鼻ペチャのくせに、よくそんなに鼻(水)が出るわね」

病気で気が弱くなっているところへこの口撃。
このときは並大抵の悔しさではなかったらしい。
このことがなければ母は手術などしなかったのだろうが、
そこまで思いつめるものなのだろうか。

こどもの頃の写真を見ると、カメラを前にして怖い顔をしているが、普通の顔だ。
もう少し大人になってからの写真にしたって、特に鼻が低いようには見えない。
母は今でも叔母のことは好きではない。そう、言っている。
でも、私には本当のところはわからない。

しかし、とにかく、元に戻そうなんて私は反対だ。
不運を何かのせいにしたい気持ちはわかるけれど、
もう何十年も何事もなく鎮座しているものをいじくるなんて、絶対反対!
そもそも占い師の無責任な発言がいけないのだ。

私はぷんぷん怒った。
母が頑固なので、つい「バカじゃないの?」と言ってしまった。
その場はとりあえず電話を諦めさせたけど、
裏で動かないといけないような事態になったら困るなぁ。
先回りして、母からの予約は受けないように私が電話を入れちゃおうかしら。


(次を読む)


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