台風並みの豪雨だった火曜の晩、図らずも外食することになった。
夫が私の四十歳の「到達日」を祝ってくれるというのだ。
たかが一日とはいえ、早く年を取るのはいささか不本意ではある。
でも、夫の帰りが早いことは珍しいので、
土砂降りでも喜んでご馳走になることにした。
さっそくカウンターに着くと、嬉しいニュースが待っていた。
「す44」の移転先がやっと決まったのだ。
隣駅から歩いて「10秒」だという。
本当に10秒かはわからないけど、徒歩圏でよかった。
常連さんともまた会えるような気がする。
少し狭くなるらしいけど、今の水槽をそのまま持って行くというから、
そんなには変わらないのかもしれない。
平日とあって、お客のほとんがビジネスマンだ。
夫の隣りにいる二人は韓国の人らしい。
ハングルの響きが懐かしいけど、無論さっぱりわからない。
でも、大将とのやり取りは流暢な日本語だ。
やがて、一人が常連さんと話し始めたので、もう一人に夫が話しかけると、
店内のポスターでお馴染みの「草家(チョガ)マッコリ」の方で、
常連さんと話しているのは社長さんというからちょっとびっくり。
普通なら擦れ違うこともないような人たちと気楽に話せるのが、
こういう小さなお店のいいところなんだと思う。
ひとしきりいろいろな話をした。
「いい人もいれば悪い人もいる」という意見には全く同感だ。
どこの国にもいろいろな人がいて、いろいろな考えがある。
彼のいう「いい人」と「悪い人」の定義さえ、
よくよく聞けば私たちとは違ったりするのかもしれない。
だから、とにかく話してみると面白い。
韓国語にはもともと「スリ」にあたる言葉がなく、
日本の植民地統治時代に入って来たなどという話は刺激的ですらある。
私は思わず「恥ずかしい」と言ってしまったけど、
酒の席で相手に恥をかかせるのは、たぶん万国共通の無作法だろうから、
「恥ずかしい」と言うこと自体が無作法かも……って、ややこしいな。
そんな考え過ぎはさておき――。
先月放送されたというTV録画を拝見し、草家マッコリをご馳走になった。
ラベルに「チャングムの誓い」の文字があるオフィシャル商品だ。
半年前、大将の勧めで飲んだ時は、独特の甘さが苦手に感じたので、
それを当の草家さんから勧められた時には、正直なところ、少し困った。
でも、飲んでみて、その変わりようにびっくり。
乳酸飲料のように爽やかな甘さと、軽めの濁り酒のようなコクが相まって、
すっかり飲みやすいマッコリに変身していたのだ。
草家さんは「食物繊維がたっぷりでお通じにもいいんですよ」とにっこり。
いつの間にかプロモーションになっていた。
アルコール度数は7パーセントなので、飲みすぎが心配なくらい。
マッコリの新しい味を知った気がする。
思いがけず長居をした。
こういう楽しいお付合いが移転後も続くといいなあ。
雨はまだ激しく降り続いていたけど、うきうきと家路に着いたのであった。
(次を読む)
夫が私の四十歳の「到達日」を祝ってくれるというのだ。
たかが一日とはいえ、早く年を取るのはいささか不本意ではある。
でも、夫の帰りが早いことは珍しいので、
土砂降りでも喜んでご馳走になることにした。
さっそくカウンターに着くと、嬉しいニュースが待っていた。
「す44」の移転先がやっと決まったのだ。
隣駅から歩いて「10秒」だという。
本当に10秒かはわからないけど、徒歩圏でよかった。
常連さんともまた会えるような気がする。
少し狭くなるらしいけど、今の水槽をそのまま持って行くというから、
そんなには変わらないのかもしれない。
平日とあって、お客のほとんがビジネスマンだ。
夫の隣りにいる二人は韓国の人らしい。
ハングルの響きが懐かしいけど、無論さっぱりわからない。
でも、大将とのやり取りは流暢な日本語だ。
やがて、一人が常連さんと話し始めたので、もう一人に夫が話しかけると、
店内のポスターでお馴染みの「草家(チョガ)マッコリ」の方で、
常連さんと話しているのは社長さんというからちょっとびっくり。
普通なら擦れ違うこともないような人たちと気楽に話せるのが、
こういう小さなお店のいいところなんだと思う。
ひとしきりいろいろな話をした。
「いい人もいれば悪い人もいる」という意見には全く同感だ。
どこの国にもいろいろな人がいて、いろいろな考えがある。
彼のいう「いい人」と「悪い人」の定義さえ、
よくよく聞けば私たちとは違ったりするのかもしれない。
だから、とにかく話してみると面白い。
韓国語にはもともと「スリ」にあたる言葉がなく、
日本の植民地統治時代に入って来たなどという話は刺激的ですらある。
私は思わず「恥ずかしい」と言ってしまったけど、
酒の席で相手に恥をかかせるのは、たぶん万国共通の無作法だろうから、
「恥ずかしい」と言うこと自体が無作法かも……って、ややこしいな。
そんな考え過ぎはさておき――。
先月放送されたというTV録画を拝見し、草家マッコリをご馳走になった。
ラベルに「チャングムの誓い」の文字があるオフィシャル商品だ。
半年前、大将の勧めで飲んだ時は、独特の甘さが苦手に感じたので、
それを当の草家さんから勧められた時には、正直なところ、少し困った。
でも、飲んでみて、その変わりようにびっくり。
乳酸飲料のように爽やかな甘さと、軽めの濁り酒のようなコクが相まって、
すっかり飲みやすいマッコリに変身していたのだ。
草家さんは「食物繊維がたっぷりでお通じにもいいんですよ」とにっこり。
いつの間にかプロモーションになっていた。
アルコール度数は7パーセントなので、飲みすぎが心配なくらい。
マッコリの新しい味を知った気がする。
思いがけず長居をした。
こういう楽しいお付合いが移転後も続くといいなあ。
雨はまだ激しく降り続いていたけど、うきうきと家路に着いたのであった。
(次を読む)
冬はちょっと辛いものがありますけど、歩けばあったまるでしょうし♪
帰りも歩くことにすれば、飲みすぎ防止になる?!
>ダンナさんの降車駅も変わるかも?
今度は終電のお客さんを見込んで遅くまで営業するそうなので、
飲み会帰りにちょいと寄る……なんてことがあるかも
よかったですね。
隣駅も徒歩圏ということは、真ん中辺にご自宅があると
いうことで、ダンナさんの降車駅も変わるかも?