外科医(9年目)日記

自分さえ我慢すればいいと思って頑張ってきた。そんな僕には家族が出来た。患者も大切、家族も大切。わがままだろうか?

医者の不養生

2008年07月19日 11時40分18秒 | 日記
真夏に風邪をひいた。
本当は今日は泊まりで温泉に行く予定だった。。。

思えば7月16日、当直業務をした。
とても忙しい夜だった。
救急車3台、入院6人。それに加えてリストカットやら、いろいろ手のかかる
人がたくさん来た。。。

次の日は、手術はなかったが、いろんな病棟に呼ばれ、だるい中、
働いていた。。。なんだか調子悪い。当直明けだからな、くらいだった。

その次の日、朝からのどが痛く、全身がだるい、いたい。頭は割れるように
ずきずきした。
インフルエンザか??いや子供のヘルパンギーナがうつったのか?
とにかく、夏休み期間で外科医が僕含めて二人しかいないので、
休むと予定されていた手術ができなくなってしまう。

外来も入っていたので、患者さんを見る人がいない!!

のどの痛みをこらえつつ、水すらとおりずらい喉にロキソニンをながす。
ひとまず30分ねる。
目を覚ますとなんとかいける気がしてきた。頭はボーとしている。
子供の声が頭に響く。かなりの頭痛だ。。。

妻の引き留めにも応じずなんとか病院へ。
行く途中、車の中は真夏の太陽に温められ、30度を超えていたろうが、
ちょうどよかった。とにかく寒いのだ。。。

外来について、処置の患者さんをみる。
あきらかに僕より具合のいい人たちが痛そうにやってくる。。。
愛想を振りまく余裕がない。。。
さっさと処置をおわす。。。

それから予約の患者さんたちだ。

僕もプロなのだろうか。。。
患者さんと話をしているうちにのどが軽くなり、テンションがあがるのが
わかった。自然と診察して、症状を聞いて、薬を処方して、検査を
予約して。。薬の影響も絶大だが、集中力はすごいなと実感した。。。

午前中の外来がなんとか終わると同時に、どっと寒気が襲ってきた。
外来も患者さんのために冷房が入っていた。僕の体は冷房の風に
冷やされてしまったのだ。体が震える。悪寒戦慄だ。。。高熱が出ている。。。

手術に顔を出すと、今日は月に2日、手術の手伝いに、大学から別の先生が
来てくれる日だった。手術は順調で終わりかけていた。。。
震えが止まらない。

正直に体調不良を言って、休ませてもらった。
なにかあると悪いので手術が終わるまでは病院にいることにして、
手術が終わったら、帰らせてもらうことにした。。。

家に帰って、ロキソニン飲んで寝て。。。
今日はぐっすり休もう。。。深い眠りについた。

その1時間後、「、、、さんの家族が術前ムンテラできてます」
そうだった。ムンテラ組んでいたんだ。

全身の痛みをがまんして、頭痛をがまんして病院に再び向かう。
患者さんの家族に迷惑はかけられない。。。
歩くだけでめまいしてガンガンひびく。
こんな状態で話ができるんだろうか?自分でもいかなきゃという
責任感だけで動いていた。。。

ムンテラは乳がんの説明だった。これがまた長いムンテラだ。。。
患者さんを見て家族を見て話し始めると意外と痛みが治まるもんだ。
脳からアドレナリンがでるのだろう。。。
1時間しっかりはなし、納得してもらい、結局、温存にするか、全摘するか
きまらなかったが、納得はしてもらえた。

あとは家族で話し合うという。。。

どっと疲れて家に帰る。

帰ると娘(最近1歳になりました)がにこにこ満面の笑みで迎えてくれる。。
抱っこしてあげたいが、頭を動かすと頭が痛くてそれどころではない。

実は病院で点滴を処方してもらったので、家に帰って、妻に久しぶりの
点滴をしてもらい(2回失敗)、2時間ぐっすりねた。。。

一晩経って、また病院へ。大分だるいのはとれた。熱も引いたのだろう。
のどの腫れだけがのこり、とにかく御飯が食べられない状態だ。。。

自分が救急室でそういう人をみると簡単に2,3日入院して点滴なんて
いうんだろうけど、そこまでではないのかな???

点滴を出してもらっただけでもお医者様のありがたさを感じました。。。

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