Takahiko Shirai Blog

記録「白井喬彦」

北朝鮮; 「戦争ゲーム」と見たらどうなるか?

2005-06-14 14:44:08 | 国際
アメリカの外交戦略に関する評論家たちも、イラク戦争の経験を通じて、北朝鮮の核兵器や生物化学兵器をピンポイント的に叩くだけではなく、2300万人の人口を抱える北朝鮮そのものをどうするべきか、視野が拡がってきているようだ。

それは結構なことだが、彼らはそのための具体的対策にはまだ達していないようだ。おそらく現在のアメリカの軍事力(陸軍49万人+海兵隊17万人)では到底無理なのだろう。

いずれにせよ、北朝鮮が暴発すればソウルは防衛できない。ソウル以北に展開している在韓米軍は壊滅するだろう。そうなれば、北朝鮮の陸上戦力は即時に南下を開始し、釜山までを含めた韓国全土も一時的には確保できないのではあるまいか。

そうならないようにするには、北朝鮮暴発直後のアメリカ軍の初動攻撃でどこまで北朝鮮の軍事行動を阻止できるかに掛っているわけだ。


東亜日報
「米、北の核物質輸出時は先制攻撃」ソウル防御できず莫大な被害
JUNE 09, 2005 06:14

米国の時事月刊誌「アトランチック」の最新号(7、8月の合本)は、米国の著名な外交政策戦略家6人を動員し、北朝鮮の核危機状況を仮想した模擬の「War Game」を行った。6人には、それぞれ国家安保会議(NSC)傘下の主要機関長会議のメンバーの役割が与えられた。韓国のNSC常任委員会にあたる。War Gameは、太平洋司令官のパワーポイント・ブリーフィングから始まった。

合同参謀議長; 「軍事的にわれわれがはるかに優れている。(戦争が起きれば)残酷な殺傷が起きるはずだ。だが、われわれが勝つ。イラク戦よりもはるかに早期に」

太平洋司令官; 「2つの望ましい勝利は「迅速な撃退」と「決定的な勝利」だ。問題は、途方もない規模の化学兵器と地下に隠されたミサイルだ。ソウル防御は初めの数日間が決め手。ひとまず、化学兵器とミサイル、核施設を攻めなければならない。イラクでは戦闘機が1日800回出撃しているが、今度は1日4000回の出撃が必要とされる」。

国家情報局長; 「われわれはソウルを防御できない。せいぜい24時間、それとも48時間? ソウルには数十万人の米国人がいる。1000万人の韓国人はもちろんだ」

合同参謀議長; 「先制攻撃でも反撃でも、犠牲者を最少化できる能力があると信じている」

国家情報局長; 「大体、どのレベルまで最少化するということなのか。10万人か?、それとも、20万人か?」

合同参謀議長; 「10万人未満までは可能だと考えている」

CIA(米中央情報局)局長; 「1950年と現在の最も大きな違いは、北朝鮮は1個、または、10個の核兵器を持っているとのことだ」

合同参謀議長; 「北朝鮮が核ミサイルを発射する前に無力化させることができるだろう」

太平洋司令官; 「北朝鮮の核兵器が多くなるほど目標物の確保が難しくなる。今後の12~18カ月内に北朝鮮に対する先制攻撃や政権交代を準備しなければならない」

合同参謀議長; 「核兵器を韓国と日本に貸すことができる。核兵器を装着した航空機とミサイルをグアムへ移動させることを公表すべきだ」

国家情報局長; 「あなたは日本の核武装をそそのかそうというのか」

CIA局長; 「その問題は意見が食い違う部分だから、他の主題に移るようにしよう」

太平洋司令官; 「レッドライン(禁止線)をどこに決めるべきか」

国務長官; 「それは核物質の輸出だ」

太平洋司令官; 「私が言えることは、『われわれは我慢しない、われわれは行動する』ということだ」

国務長官; 「北朝鮮政権を終わらせるため、即時、または十分な時間をかけて武力を使う考える」

合同参謀議長; 「『核兵器でもなんでも、米国で爆発すれば、北朝鮮の仕業であることが確実でなくても、北朝鮮が標的になるだろう』と、北朝鮮に伝えなければならない」

国務長官; 「確実な証拠もなしに北朝鮮を攻撃する、というアイデアは米国らしくない」

太平洋司令官; 「北朝鮮の金正日政権が崩壊するならば、韓国と中国に大規模な難民が押し寄せるだろう。ここに化学兵器が散布されれば、途方もない悲劇につながるだろう」

国防長官; 「宝くじがあたれば、税金を心配するようになる」

CIA局長; 「もちろん準備ができているならば…」

太平洋司令官; 「2300万人にのぼる北朝鮮の人口を考えるとき、秩序維持と略奪防止などのためには、50万人の兵力が必要とされるだろう」

CIA局長; 「核や化学生物兵器で武装された国家の崩壊は全世界にとって深刻な脅威となる。そうした状況を考えれば、イラクは単なるガキのいたずらにすぎない」

太平洋司令官; 「大統領に建議すべき内容をまとめてほしい」

CIA局長; 「最初は外交的努力を強化するのが肝要だ。真摯な外交的接近が急がれる。高度な信頼性のある情報を持たなければならない」

国家情報局長; 「先制攻撃を行う前に、あらゆる外交的努力を尽くしたことを、絶対的に確信できなければならない。それなしには、国際社会から支持を得れないだろう」

国防長官; 「問題は、外交が失敗したという時点が、決して分からないということだ」


The Atlantic Monthly(July/August 2005)
North Korea: The War Game

Dealing with North Korea could make Iraq look like child's play—and the longer we wait, the harder it will get. That's the message of a Pentagon-style war game involving some of this country's most prominent foreign-policy strategists

by Scott Stossel


On the third weekend in March, while America was transfixed by the most exciting NCAA basketball tournament in years, Secretary of State Condoleezza Rice was in the Far East, in the midst of a series of meetings with her opposite numbers in six Asian countries. Arriving in Seoul, South Korea, on Saturday, she boarded a U.S. Army Black Hawk helicopter and flew to Command Post Tango, the underground bunker that would be the nerve center for the U.S. military in the event of a war against North Korea. While not quite on the order of Ariel Sharon's parading around the Temple Mount in Israel, Rice's move was undeniably provocative. No high-ranking American official had ever visited the bunker before—and the choice of a military site as the secretary of state's first stop seemed to represent a gentle rattling of the sword. What's more, Rice spoke against a backdrop of computers and television screens monitoring the 20,000 South Korean and American soldiers who were at that very moment engaging in one of their regular war-game exercises—practicing, in effect, to fight a war with North Korea no sane person hopes ever to see.

The North Koreans responded by rattling their sword right back. First they announced they were boosting their nuclear arsenal, as a "deterrent" against U.S. attack. And then, apparently, they began to act: a few weeks after Rice's visit, U.S. spy satellites detected a reduction in activity at the Yongbyon nuclear reactor. Possibly this meant that the reactor had run into mechanical trouble; more probably, it meant that the North Koreans had shut down the plant to withdraw spent fuel rods in order to reprocess them into fissile material for nuclear weapons. What was clear was that the situation represented a grave international crisis.

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