Takahiko Shirai Blog

記録「白井喬彦」

サッカー予選、北朝鮮の態度

2005-05-07 07:41:00 | 国際
国際サッカー連盟(FIFA)が北朝鮮サッカー協会に送付したという文書は、讀賣新聞の報道によれば「国際宅急便」で送ったようだ。

「国際宅急便」というと FedEx なんかが大手だろう。FedEx は北朝鮮向けの宅急便を取り扱っているのだろうか。

ウェブサイトで調べてみると、北朝鮮国内にはFedExの看板を掲げた事務所はないようだ。だが、文書を送り届けるというだけなら、さまざまな方法があり得る。世界トップレベルの宅配業者なら蛇の道はへび。北朝鮮にも契約代行業者がいるのかも...。

それにしても、北朝鮮には「3日以内に上訴」なんてとても無理だろう。すべて将軍様にお伺いを立てなければならないお国柄なんだから。

また、日本側が希望しているといわれるマレーシアでの開催も、「中立国」という点では無理かもしれない。スポーツの世界では「当事国」以外は「中立国」のはずだが、北朝鮮の価値観からすると、「中立国」とは、中国か、ロシアか、中央アジアの国々ということになるのではあるまいか。


読売新聞
北朝鮮の異議期限、FIFAも「不明」
2005/5/7/00:28

 6月8日に予定されているサッカーのワールドカップ(W杯)アジア最終予選第5節の北朝鮮―日本戦について、国際サッカー連盟(FIFA)が、第三国で観客を入れないで行うとの処分を下したことについて、北朝鮮サッカー協会からは、処分決定から1週間たった6日になっても、処分への異議を唱える文書が、スイス・チューリヒのFIFA本部へ届いていない。

 FIFAの規約によれば、処分に不服の場合、当事国は3日以内に上訴できるが、その「3日」の起点をいつとするかについて、FIFA広報は、「(処分を伝える文書が入った)国際宅配便を北朝鮮側がいつ受け取ったかは確認できていない」としており、上訴期限がいつになるか、FIFA自体も分からないという事態になっている

 今回の処分は、先月29日のFIFA規律委員会で決まった。北朝鮮が上訴する意向を文書で通達した場合、それから7日以内に正式に上訴すれば、FIFAは上訴委員会を開いて、改めて対応を決めることになる。


サンスポ
いまだFIFAへ上訴せず…新聞紙上では「不当」
2005年5月7日

 国際サッカー連盟(FIFA)規律委員会がW杯アジア最終予選の北朝鮮-日本戦(6月8日)を第三国での無観客試合とした処分について、6日までに北朝鮮サッカー協会からFIFA上訴委員会への異議申し立てはなかった。日本協会が同日夜、FIFAに確認した。

 日本協会によるとFIFAは北朝鮮協会に対し、2日に処分の通告文を発送したが、「北朝鮮が通告を受け取ったかどうか確認できていない」と答えたという。

★新聞紙上の論評は「処分不当」

 【北京5月6日=共同】朝鮮中央通信によると、北朝鮮の「体育新聞」は6日、サッカーのW杯アジア最終予選、6月8日の日本戦を第三国での無観客開催とした国際サッカー連盟(FIFA)規律委員会の処分について「国際的正義に背く非常に不当なもので、断固抗議、糾弾する。再考すべきだ」との論評を掲載し、上訴の意向を明白にした。これは処分に対する北朝鮮の初めての反応となる。

 『公正性の原則を外れた不当な決定』と題した論評は、処分理由とされた3月30日の平壌でのイラン戦で起きた観客暴徒化は「不公正な審判への抗議であり、審判を処罰すべきだ」とあらためて主張。これを試合妨害や暴徒化ととらえるのは「偏見だ」と反論した上で「不公正な審判を許すならば、サッカーの今後の発展に暗い影を落とすことになり、処分はFIFAの歴史にも汚点を残す」と強調した。

 さらに、日本が中立地としてマレーシアでの開催を希望していることに触れ「日本はわがチームを有利な環境で打ち負かそうとしているのではないか」と指摘し、処分の背景に日本の関与があったのではないかとの強い疑念も示した。


読売新聞
北朝鮮紙がFIFA決定に抗議、再検討求める
2005/5/6/22:57

 【ソウル=福島恭二】朝鮮中央通信によると、北朝鮮の体育指導委員会機関紙「体育新聞」は6日、国際サッカー連盟(FIFA)規律委員会がワールドカップ(W杯)アジア最終予選の北朝鮮―日本戦を第三国での無観客試合で行うとの処分を下したことに関して論評を掲載し、「国際的正義に反する極めて不公正かつ不当なものだ」と抗議し、再検討するよう求めた。

 今回のFIFAの処分に対し、北朝鮮側が反応したのは初めて。北朝鮮は近くFIFAに異議申し立てを行うと見られる。

 FIFAの処分は、平壌で行われた対イラン戦(3月30日)で、主審の判定を不服として観客がピッチ内に物を投げ込んだことなどに対する懲罰的措置だが、論評は「規律委員会が観衆の正当な行動を『乱動』『騒動』と規定したこと自体が偏見」と批判し、審判に対する処罰などを要求した。

 さらに論評は、「日本はどうしてでも有利な環境を作って朝鮮に勝とうとしている」として、日本が開催地を変更するようFIFAとアジアサッカー連盟に「ひそかに圧力を加えた」と主張した。


【2005年5月10日追記】

タイの対北朝鮮貿易額はかなり大きく、北朝鮮にとってバンコクは対外経済活動の拠点となっているのだそうだ。そういえば、日航機ハイジャック犯にも、バンコクで経済活動をしていた者がいた。

北朝鮮のナショナルチームは、昨年のアジア一次予選でバンコクで試合したことがあるそうだ。このとき、北朝鮮はタイに4対1で圧勝したという。北朝鮮チームの選手たちはバンコクの高温多湿の気候にも、天然芝にも慣れているらしい。

FIFA は北朝鮮国内での気合開催は禁じたが、両国チームにハンディキャップを付ける意図はないわけだ。当り前のことだけど...。



REUTERS
サッカー=北朝鮮戦のバンコク開催決定、JFAは歓迎
2005年5月10日 16:13 JST

 [東京 10日 ロイター] 日本サッカー協会(JFA)の川淵三郎キャプテンは10日、ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の日朝戦がバンコクで開催されることが最終決定したことを歓迎するコメントを発表した。

 川渕氏は「バンコクでの試合が万全に行われるよう準備したい」と述べるとともに、これまで未経験の無観客試合に備える考えを示した。

 国際サッカー連盟(FIFA)は、3月に平壌で行われた北朝鮮―イラン戦での騒乱を受け、日朝戦をタイのバンコクでの無観客試合とすることを正式決定した。

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