「グラウンド・ゼロ」をどうするのか、当初からいろいろと議論があった。
結局、高層ビルを建てる案に決まったのでちょっとがっかりもしたが、新たなるテロ攻撃のための新たなる標的を作るようなものじゃないかとちょっと心配でもあった。
その後話題が途絶えていたが、やはりニューヨーク警察は安全上の問題を指摘したようだ。アメリカの独立に因んで1776フィート(541メートル)のタワービルだというが、その歴史的象徴性と物理的高さが問題なのではないか。
ニューヨークやワシントンDCは新しい戦争(New War)の戦場となる可能性のもっとも赤い土地柄であることがわかっていないのだろうか。
東京も同じなのだが...。
産経新聞
「グラウンド・ゼロ」のシンボル ゼロからやり直し
2005年05月7日 09:08
【ニューヨーク=長戸雅子】2001年の米中枢同時テロで崩壊した世界貿易センタービルの跡地、通称「グラウンド・ゼロ」の再開発のシンボルとなっていた「フリーダム・タワー(自由の塔)」のデザインが、安全上の理由から白紙に戻された。パタキ・ニューヨーク州知事とブルームバーグ同市長が5日までに明らかにした。
計画の発表から1年半あまり、建設開始から10カ月たっての白紙変更で2009年とされていたビルの完工が遅れるのは必至だ。来年に行われるニューヨーク州知事選で4選を目指すかどうか注目されるパタキ州知事の今後にも影響するのではとの見方も広がっている。
ニューヨーク市警察は先月、貿易センターのリース権を持つ開発業者のシルバースタイン氏に、
これをもとに州、市当局とシルバースタイン氏らが話し合いを進めた結果、タワーのデザインを変更することでこのほど合意した。
米メディアはパタキ知事周辺筋の話として、安全に配慮した新デザインのタワーは同じ設計者が数週間後にも発表できると伝えている。高さは変わらない見通しだが、60階建てのオフィス棟にケーブルでできたメッシュ状の構造物を重ね、頂上に尖塔を抱くという斬新なデザインは大幅に変更される予定だ。
「米国の力の新たな象徴」(パタキ州知事)となるはずの再開発計画が見直しを迫られたことで、州と市、開発計画にあたる関係者との連携のなさが明らかになり、02年の3選以来、「グラウンド・ゼロ」の復興を自らの政治的な実績としてきたパタキ州知事にマイナスになるのでは、との見方も出てきている。
アメリカ人は忘れっぽい性癖があるらしいから、もう9.11なんてとっくに忘れたのかもしれない。
彼らにあの壮絶な悲劇のこと思い出させるには、もう一度あのシーンを見せるしかないだろう。
あの当時にくらべれば、テロ攻撃に対する防御対策はずっと高まっているだろう。けれども、国境はますます開かれるようになり、世界の航空旅客需要は等比級数で伸びていく。一方、警備体制の整備拡充はとても等比級数とはいかないのではないか。
よしんば人員を等比級数で増やしたとしても、巨大化した警備システムがどれだけ十分い機能するのだろうか。システムというものは巨大化していくに従い、急速に機能を果たせなくなっていくという共通した性質がある。
「需要は等比級数で増えるが、供給は等差級数でしか増えない」とはマルサスの言葉だっけ? 世の中のすべてが、ただひたすら破滅に向って突き進んでいるように見える。
結局、高層ビルを建てる案に決まったのでちょっとがっかりもしたが、新たなるテロ攻撃のための新たなる標的を作るようなものじゃないかとちょっと心配でもあった。
その後話題が途絶えていたが、やはりニューヨーク警察は安全上の問題を指摘したようだ。アメリカの独立に因んで1776フィート(541メートル)のタワービルだというが、その歴史的象徴性と物理的高さが問題なのではないか。
ニューヨークやワシントンDCは新しい戦争(New War)の戦場となる可能性のもっとも赤い土地柄であることがわかっていないのだろうか。
東京も同じなのだが...。
産経新聞
「グラウンド・ゼロ」のシンボル ゼロからやり直し
2005年05月7日 09:08
2003年12月に公表された世界貿易センタービル跡地のフリーダム・タワー完成予想図(AP、実写との合成) |
【ニューヨーク=長戸雅子】2001年の米中枢同時テロで崩壊した世界貿易センタービルの跡地、通称「グラウンド・ゼロ」の再開発のシンボルとなっていた「フリーダム・タワー(自由の塔)」のデザインが、安全上の理由から白紙に戻された。パタキ・ニューヨーク州知事とブルームバーグ同市長が5日までに明らかにした。
計画の発表から1年半あまり、建設開始から10カ月たっての白紙変更で2009年とされていたビルの完工が遅れるのは必至だ。来年に行われるニューヨーク州知事選で4選を目指すかどうか注目されるパタキ州知事の今後にも影響するのではとの見方も広がっている。
ニューヨーク市警察は先月、貿易センターのリース権を持つ開発業者のシルバースタイン氏に、
- ワーの建設予定地が道路から近すぎてトラックなどを利用した爆弾テロ事件の標的になる恐れが高い
- 独立宣言の年にちなんだ1776フィート(541メートル)の高さなどから再びテロリストのターゲットになる恐れがある-などと、
これをもとに州、市当局とシルバースタイン氏らが話し合いを進めた結果、タワーのデザインを変更することでこのほど合意した。
米メディアはパタキ知事周辺筋の話として、安全に配慮した新デザインのタワーは同じ設計者が数週間後にも発表できると伝えている。高さは変わらない見通しだが、60階建てのオフィス棟にケーブルでできたメッシュ状の構造物を重ね、頂上に尖塔を抱くという斬新なデザインは大幅に変更される予定だ。
「米国の力の新たな象徴」(パタキ州知事)となるはずの再開発計画が見直しを迫られたことで、州と市、開発計画にあたる関係者との連携のなさが明らかになり、02年の3選以来、「グラウンド・ゼロ」の復興を自らの政治的な実績としてきたパタキ州知事にマイナスになるのでは、との見方も出てきている。
アメリカ人は忘れっぽい性癖があるらしいから、もう9.11なんてとっくに忘れたのかもしれない。
彼らにあの壮絶な悲劇のこと思い出させるには、もう一度あのシーンを見せるしかないだろう。
第一タワー上部への最初の一機の衝突の約30分後、第二の旅客機が第二タワー(裏側)に迫った瞬間 |
第二の旅客機が第二タワー(裏側)に衝突爆発した瞬間 |
あの当時にくらべれば、テロ攻撃に対する防御対策はずっと高まっているだろう。けれども、国境はますます開かれるようになり、世界の航空旅客需要は等比級数で伸びていく。一方、警備体制の整備拡充はとても等比級数とはいかないのではないか。
よしんば人員を等比級数で増やしたとしても、巨大化した警備システムがどれだけ十分い機能するのだろうか。システムというものは巨大化していくに従い、急速に機能を果たせなくなっていくという共通した性質がある。
「需要は等比級数で増えるが、供給は等差級数でしか増えない」とはマルサスの言葉だっけ? 世の中のすべてが、ただひたすら破滅に向って突き進んでいるように見える。