Takahiko Shirai Blog

記録「白井喬彦」

安徽省で暴動

2005-06-29 05:53:55 | 国際
朝日新聞
中国・安徽省で1万人暴動 スーパー襲うと香港紙報道
2005年06月28日23時52分

 28日付の香港各紙によると、中国東部の安徽省池州市の中心部で26日午後、住民と警察が衝突、警察車両や派出所が焼かれ、近くのスーパーマーケットが略奪された。暴動は10時間に及び、約1万人が加わったとみられるという。最近、中国各地で警察と民衆の衝突事件が増加している。

 池州市では高校生が乗った自転車と乗用車が接触、運転手が高校生を殴ったことから、目撃した群衆が運転手を取り囲んで騒ぎになった。群衆は車に爆竹を投げ入れ、警察車両をひっくり返すなど騒ぎ出し、夜になって派出所に放火、近所のスーパーの略奪を始めた。

 地元紙池州日報(電子版)によると、警官700人が夜11時ごろに群衆を解散させたが、投石などで警官6人が軽いけがをした。現場で約10人が拘束され、高校生を殴ったとされる運転手も逮捕されたという。

 市政府と党委員会は27日、緊急会議を開き、「社会矛盾を不法分子に利用されないよう、事件の真相を住民に知らせ、社会の安定をはかるように」と指示したという。


産経新聞
中国・安徽省 1万人の群衆暴徒化 派出所破壊、スーパー襲撃
2005年6月29日

 【北京=野口東秀】中国中部の安徽省池州市で二十六日、一万人の群衆が交通事故をきっかけに暴徒化し、パトカーや派出所を破壊したほかスーパーを襲撃する騒ぎとなった。鎮圧に出動した武装警察隊員六人が負傷、警備当局は首謀者として参加者十人を拘束した。

 中国国内では、地方住民が警備当局と衝突する大規模な事件がこのところ相次ぎ発生。今回の事件も、ささいなきっかけで騒乱に発展する中国社会の不安定ぶりを示すものとなった。

 地元紙「池州日報」などによると、きっかけは乗用車が歩行者をはねたうえ、被害者が運転手から暴行されたことだった。市民の通報で警官が派出所に運転手を連行したが、群衆が派出所を取り囲み、人数は一万人近くに膨れ上がった。

 このうちの「少数の不法分子による扇動」で群衆が騒ぎ始め、乗用車をひっくり返したほか、パトカーや消防車にも襲いかかり、派出所にも放火した。近くのスーパーも襲撃され、商品が略奪される事態となった。

 地元当局は事態の拡大を重視、市幹部の緊急会議を開催。交通事故発生から九時間後に武装警察部隊約七百人を出動させてようやく鎮圧した。これまでのところ、騒ぎの理由に関する住民側の情報は伝えられていない。

 最近明らかになった中国国内の騒乱では農地の強制収用をめぐり、農民と工事関係者らが衝突するなどのケースが多い。今月だけでも、河北省で立ち退きの補償金をめぐるトラブルで、村民らが猟銃などで武装した二百-三百人の集団に襲撃され、五十人以上が死傷。広西チワン族自治区でも、立ち退きを拒否する住民と警官隊が衝突し、多数の死傷者が出ていた。

産経新聞(共同配信)
住民暴動を新華社報道 安徽省、警官多数が負傷
2005年6月29日 16:10

 29日の新華社通信は、安徽省池州市で26日起きた住民暴動について初めて報道、住民と警察の衝突で多数の武装警官らが負傷したと伝えた。中国の大手メディアが暴動について報じるのは珍しい。

 報道によると、同日午後、路上で起きた殴打事件の当事者4人を警察が連行したところ、一部住民に扇動された群衆が交番を取り囲み、窓ガラスを破壊。さらにスーパーを襲撃して商品を略奪し、車4台を壊した。事態を重視した安徽省の幹部が現場に駆け付け、夜11時すぎにようやく沈静化したという。(共同)

中国大連税関、日本人学校の副教材没収

2005-06-29 05:43:15 | 国際
毎日新聞
日本人学校: 中国・大連税関が教材没収
2005年6月28日 東京夕刊

 【北京・大谷麻由美】中国遼寧省大連市の大連日本人学校(那花國男校長)が今年4月の新学期に合わせて日本から取り寄せた小・中学生用の社会科の資料集などの副教材約10種類、計128冊が大連税関の検閲によって差し押さえられていたことが28日、関係者の話で分かった。

 文部科学省国際教育課によると、中国にある日本人学校8校で中国当局による教材差し押さえは初めて。他国でもこうした例はないという。学校側は4月になっても副教材が届かないことから大連税関に問い合わせたところ、差し押さえの事実が明らかになった。

 大連税関は、副教材の中で中国と台湾を色分けしている部分を指して「一つの中国」の原則に反すると問題点を挙げ「中国の国内法に反するので輸入できない」と説明、罰金支払いを求めた。

 学校側は大連税関の処分を一部受け入れ、事情説明書を提出したほか少額の罰金を支払い、副教材を受け取ったが、約10冊は没収された。

 ◇細田官房長官「法令確認したい」

 細田博之官房長官は28日午前の記者会見で、中国・大連の日本人学校で教材が大連税関から差し押さえられたことについて、「介入はやむをえないか」と問われたのに対し「基本的にはそういうことはない」としたうえで「何か特別の法令があって抵触するのか、確認しなければならない」と述べ、中国政府に処分の根拠になった国内法や基準について照会する考えを示した。町村信孝外相も「何法に違反した罰金なのかよく調べてみたい」と語った。【中田卓二】


毎日新聞
副教材差し押さえ: 根拠法令明らかに 細田官房長官
2005年6月28日 18時43分

 中国遼寧省大連市の大連日本人学校(那花國男校長)が日本から取り寄せた副教材128冊を大連税関に差し押さえられた問題について、細田博之官房長官は28日、大連市当局に根拠法令などを問い合わせた回答内容を明らかにした。

 根拠法となったのは「国の安全、社会公共利益または公共道徳」を害する輸出入の制限を定めた対外貿易法第16条で、中国と台湾が別の色で塗り分けられている点が問題視された。禁止対象品を輸出入した場合の罰則を定めた税関行政処罰実施条例第13条に基づき1000元(1万3000円)の罰金が科され、没収扱いとなった15冊が日本に返送されることになった。


毎日新聞
副教材差し押さえ: 中国外務省、出版管理条例などに違反
2005年6月29日 2時04分

 【北京・大谷麻由美】中国外務省の劉建超報道副局長は28日の定例会見で、副教材差し押さえ問題について、「出版管理条例」と「中国税関の個人携帯と郵送における印刷品及び録音・録画製品の輸出入管理規定」に違反していたと説明した。

 説明では、同学校が日本から取り寄せた輸入品1539点が4月12日に届き、同月20日に1411点は通関したが、大連税関は128点を暫定的に差し押さえた。調査の結果、中国と台湾が違う色で分けられている地理の教材15冊を見つけた。このため「中国税関法」と「中国税関行政処罰実施条例」の規定に基づいて15冊を処理した。劉副局長は罰金については「詳しくは知らないが、法律に基づいて処理されているはずだ」と話している。

北朝鮮周辺国が6者協議復帰の邪魔をしている

2005-06-28 13:23:30 | 国際
朝鮮日報
米WSJ紙「周辺国の支援が北朝鮮の6者協議復帰を邪魔」
2005年6月28日 11:16

 中国など周辺国の北朝鮮支援が増えている中、このような支援が北朝鮮の6者協議復帰の邪魔をしているとウォールストリートジャーナル紙(WSJ)が28日報道した。

 米国の当局者らは北朝鮮の孤立について論議している反面、中国やその他の周辺国家は北朝鮮の改革を促し、解放を刺激するため、北朝鮮との経済交流、投資などを拡大している状態だ。

 これと関連、一部の分析家および外交関係者らは、「このような接近の仕方の差が、6者協議が進展を見せていない主な原因のひとつ」と指摘している。

 6者協議はここ1年間中断された状態で、北朝鮮は会談復帰を拒否している。米国側は「中国と韓国、そのほかの周辺国の北朝鮮支援により、北朝鮮の経済的圧迫が緩和されており、これが北朝鮮の6者協議復帰を困難にしている」と主張している。

ミャンマー政府、首都機能移転

2005-06-28 11:58:18 | 国際
朝日新聞
軍政ミャンマー、極秘に首都機能移転 電力・軍事考慮?
2005年06月28日09時32分

ミャンマーの地図

 ミャンマー(ビルマ)の軍事政権が首都機能の一部をヤンゴンから地方都市に極秘裏に移転しようとしていることが、27日までにわかった。一部の官庁はすでに移動を始めており、移転先近くでは空港も建設されている。移転の規模や全体像は不明だが、軍事政権筋は今後省庁の移転が順次進むとしており、政治機能の相当部分が移るとみられる。ヤンゴンの電力不足や安全保障上の問題が指摘されているが、移転の理由は明らかではない。

 軍事政権筋によると、移転先はヤンゴンから北へ約300キロにある中部の都市ピンマナ。ヤンゴンと第2の都市マンダレーとの中間の高原にあり、周囲を山に囲まれた人口数万人の街だ。独立戦争のころにアウン・サン将軍が司令部を置いた軍事的な要衝でもある。

 国防省は一部の移転をすでに始めているという。林業省の職員は7月の移動を命じられた。保健省の幹部も近く移動するという。他にも農業潅漑(かんがい)省、文化省、情報省などに移転の動きが出ている。

 他の省庁も10月から来年3月にかけて移転するとの情報がある。動きは官庁に限られ、民間には知らされていない。

 ピンマナの近くには28万キロワットの水力発電所があるが、その上流では中国の支援で78万キロワットの水力発電所が計画されている。軍政幹部は、近隣の町に空港の滑走路が完成していることも明らかにした。

 外交筋によると、同国の主な建設会社がこの計画に動員されているが、工事関係者は堅く口止めされているという。広大な計画区域は外部から閉鎖されているが、内部では中層の職員住宅や往復6車線の道路建設が進められている。

 人口500万人を超えるヤンゴンでは電力や水の不足、ゴミ処理などが問題になっており、主な省庁を移転して首都機能の効率化を図る動機は考えられる。

 また、ピンマナには地下施設が建設されているとの情報もある。ヤンゴンは海に近く外部からの攻撃が容易と考え、山地に囲まれた場所に首都機能を移すのではとの見方もある。計画は01年ごろに始まったとされ、米国が同時テロ後のアフガニスタン、イラク攻撃で空母を展開したことが影響を与えた可能性もある。

 軍政は昨年10月、開明派とされたキン・ニュン前首相を解任して以来、タン・シュエ国家平和発展評議会(SPDC)議長に忠実な強硬派で政府を固め、国際的な孤立化を強めている。

四川省に国民党抗日軍隊館オープン、連戦の扁額

2005-06-28 00:40:01 | 国際
人民網(日本語版)
国民党抗日軍隊館、8月開館へ 額は連戦氏の直筆
2005年6月27日

四川省大邑県の建川博物館に8月15日、国民党抗日軍隊館がオープンする。同館に掲げられる館名入りの額は国民党の連戦主席の筆跡だ。中国新聞社が伝えた。

連主席は建川博物館の依頼を受けて筆を振るったという。字の書かれた紙は長さ約135センチ、幅約70センチ。連主席は日本による全面的な対中侵略戦争の発端となった「七・七事変(盧溝橋事件)」の起きた7月7日の日付を入れている。

同館の何新勇副館長によれば、連主席の筆跡は原寸のまま木製の扁額(へんがく)に写され、彫り上げられる。(編集UM)

ロシア、西側国境問題でも暗礁に

2005-06-28 00:09:25 | 国際
産経新聞(共同配信)
露、西部国境画定暗礁に 対エストニア、条約撤回
2005年6月27日 21:37)

 ロシア外務省は27日、エストニアと調印していた国境画定条約の撤回を決め、同国の駐ロシア大使に伝えた。第二次大戦中のソ連軍進攻をめぐる歴史認識の差が原因。ラトビアとの国境画定交渉も同様の問題から頓挫しており、プーチン政権が推進する周辺諸国との国境画定作業は、日本との北方領土問題だけでなく、西部でも暗礁に乗り上げた形になった。

 ロシアとエストニアは5月18日、旧ソ連時代のロシア、エストニア両共和国の境界を踏襲することで合意、両国外相が国境画定条約に調印した。

 しかしエストニア議会が今月20日に可決した同条約の批准法案に、同国が第二次世界大戦中に「ソ連の侵略の犠牲となり、不法に併合された」との前文が追加されたため、ロシア外務省は「客観的事実に反する、受け入れがたい条項」としてエストニア側を非難。ラブロフ外相は、ロシア側による批准は「不可能になった」と述べていた。

 エストニアのパエト外相は「可決された法律を見直す根拠はない」と表明しており、早期の打開は困難な情勢だ。(共同)

金正日親書、続報

2005-06-27 23:58:53 | 国際
東亜日報
金総書記の親書に「悪い行動には補償ない」と米は黙殺
JUNE 24, 2005 05:55

「ドナルド・グレッグ元駐韓米大使が米朝間の対話チャンネル作りの重要性を強調すると、北朝鮮は、ホワイトハウスあてに送る金正日(キム・ジョンイル)の親書を作った」

グレッグ(アジアソサエティー会長)氏とともに02年11月、平壌(ピョンヤン)を訪問したオーバードーファー米ジョンズ・ホプキンス大教授は、23日の電話インタビューで、当時、北朝鮮の姜錫柱(カン・ソクジュ)第1外務次官から、金総書記の親書を受け取って、ホワイトハウスに渡した経緯をこのように説明した。


グレッグ氏とオーバードーファー教授は前日、米紙ワシントンポストに共同で寄稿した「北朝鮮をつかまえるべき瞬間」というコラムを通じて「親書」を渡した事実を公開している。

――親書はどう処理したか。

「当時、金桂冠(キム・ゲグァン)北朝鮮外務次官に招かれて、平壌を訪問中だったが、11月3日に親書を受け取った。ケリー米国務省次官補(東アジア太平洋担当)の平壌訪問(10月)で、2回目の北朝鮮核危機が発生してから2~3週間後だった。ワシントンに戻った後、当時のハドリー米ホワイトハウス国家安保会議(NSC)副補佐官に親書を渡した。韓国語の表現を知人を通じて英訳したものも一緒に渡した。金総書記の親書を私に渡した人は姜第1外務次官だ。同氏は『親書は金総書記がブッシュ米大統領に送るものだ』と話した」

――こうした重要な文書に署名がないのはおかしい。

「外交的に口頭メッセージ(verbal message)として通用する方式だ。正式な文書の形を避けたのは、後ほど、否認しようとした意図があったものと見受けられる」

――ブッシュ政府は、どんな出方をしたか。

「ハドリー副補佐官は『米国は悪い行動に補償しない』と話した。その後、ブッシュ政権は、ジュネーブ枠組み合意の破棄を理由に、対北朝鮮への重油供給を中断した」

――何故31ヵ月が過ぎた今になって公開したのか。

「北朝鮮は秘密維持を要請し、米国は対応しないことで一貫した。しかし、金総書記-鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官の会談という好材料を生かすため、公開を決心した」

――親書に「今回発生した核問題は…」という部分がある。2回目の北朝鮮核危機の原因となった高濃縮ウラン(HEU)計画のことのようだが…。

「姜第1外務次官は当時、HEUの存在を認めなかったが、否認もしなかった」。

金正日への鄭東泳の「重要な提案」、アメリカ政府と摩擦か?

2005-06-27 23:41:16 | 国際
毎日新聞
韓国: 北朝鮮への融和策提案で、鄭統一相が急きょ訪米
2005年6月27日 21時35分

 【ソウル堀山明子】韓国の鄭東泳(チョンドンヨン)統一相は27日の国会で、北朝鮮が核を廃棄する見返りとして韓国が用意している「重要な提案」について、北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記との17日の会談で直接説明し、その後に米国に伝えたと明らかにした。また、今月29日から7月3日まで訪米すると発表した。鄭統一相の訪米が急きょ決まった背景には、6カ国協議再開前から北朝鮮に融和策を示したことで、米韓間で摩擦が生じている可能性もある。

 「重要な提案」は、5月下旬の南北次官級会談で韓国が初めて表明したが、詳細は明らかにされていない。韓国は昨年6月の第3回6カ国協議で、北朝鮮が核廃棄のプロセスに入った段階で、重油支援や多国間の「安全の保証」を提供するという対北朝鮮支援の用意を表明しており、「重要な提案」はこれを拡大したものとされる。

 米国は、北朝鮮が核廃棄を確約する前に見返りを示唆することに反対の立場で、日米韓は相互に協議再開前には見返りの議論に応じない方針を確認している。韓国政府は「重要な提案」を「協議再開後、参加国と相談してから北朝鮮に説明する」という立場を強調してきたが、鄭統一相の答弁はこれを覆し、金総書記に譲歩案の内容を説明したことになる。

 鄭統一相は国会答弁で、米国の事前了解を得ずに説明したことについて「北朝鮮が提案を受け入れることに意味があるので、分からない状況では説明できなかった」と弁明。説明内容については「言える段階にない」と突っぱねた。

 韓国政府は金総書記との会談について、李泰植(イテシク)外交通商次官が訪米して説明しており、短期間に韓国高官が再度訪米するのは異例。統一省によると、チェイニー副大統領やライス国務長官との会談を調整中で、協議の内容が注目される。

韓国紙、極東国際軍事裁判無効論を報ず

2005-06-27 14:53:45 | 国際
朝鮮日報
「A級戦犯は罪人ではない」 日本で主張相次ぐ
2005年6月27日 07:24

 日本国内で靖国神社に合祀されたA級戦犯たちは罪人ではなく、彼らを裁いた極東国際軍事裁判(東京裁判)は不当との主張が相次いでいる。

 靖国神社は25日、東京裁判当時、全ての被告に対し無罪を主張したインドのラダビノード・パール判事(1886~1967)の業績を称える顕彰碑を境内に立て、除幕式を行った。

 パール判事は東京裁判に出席した11人の判事中、唯一米軍の原爆投下などを指摘し、東条英機などA級戦犯を含む被告全員の無罪を主張した。靖国神社側は除幕式で、「日本無罪論を展開したアジアの学者がいたということを思い出してほしい」という立場を示した。

 産経新聞によると、この日の行事には日本駐在インド大使館武官など40人余が出席した。

 靖国神社はこれに先立ち、東京新聞の取材に対し文書で回答し、A級戦犯は「日本の国内法では犯罪者でなない」という公式見解を示した。

 靖国側はA級戦犯の戦争責任に対し、1953年に制定された改正「遺族援護法」などを根拠に挙げ、「受刑者は、国内では犯罪者と見なされていなかった」と主張した。東京裁判に対しても、「裁判が絶対的に正しかったとは言い切れない」とし正当性に疑問を呈した。

 靖国神社はA級戦犯分祀問題に対し、「全ての遺族が分祀に賛成しても、神社が分祀することはあり得ない」とし、分祀の可能性を全面否定した。

 28日に発足する予定の小泉首相の靖国参拝を支持する自民党議員の集いは、A級戦犯に対する「有罪判決の問題点」を今後の会合の論議課題として取り上げる計画だと日本経済新聞は報じた。

 敗戦後、A級戦犯の戦争責任を認めた東京裁判の結果を受け入れることを前提に、1951年サンフランシスコ講和条約で国際社会に復帰した日本が、今頃になってこれを否定することは、歴史をわい曲し戦後秩序を否定する動きが高まっていることの表れだと言える。

韓国軍内の風紀紊乱

2005-06-27 14:38:09 | 国際
中央日報
歪んだ軍隊の性文化、ネットで流布
2005.06.27 10:28:14

 性的羞恥心を刺激する行為が一部の軍部隊で発生していることが確認され、衝撃を与えている。

江原道(カンウォンド)のある機動隊部隊の戦闘警察が服を脱いだまま気をつけの姿勢で写っている写真が24日、インターネットに流布されたことに続き、26日には海兵隊所属と推定される兵士らの裸の写真が公開された。市民らは「歪んだ軍部隊の性文化を見せる衝撃的なもの」と非難している。

専門家らは「一部の古参兵士が後輩らに裸を強要したことは深刻な苛酷行為だ」と話す。しかし一角では「慣行的にあること」という反論も出ている。

◇淫行疑惑まで提起されている写真=「裸を強要する儀式」が部隊内の淫行に発展することもあるという憂慮の声が高い。昨年、国家人権委員会が実施した軍隊内の性的暴行現況によると調査対象者671人中15.4%が被害をこうむったものと明らかになっている。

被害の類型は▽身体接触▽性器を触る▽キス▽性器挿入および身体愛撫の強要▽自慰行為強要--などの順だった。

国防大学キム・オヒョン教授は「数十人が密着して過ごす軍内務班では、同性間でも淫行などの素地が多い」とし「このような問題を隠さず公論化して対策を準備しなければならない」と話している。

淫行にあった男性被害者も女性と同じような精神的衝撃と後遺症を訴えているということだ。

◇苛酷行為が問題=インターネットでもこの問題は拡散している。ある市民は「男性同士のいたずらを人権問題まで飛躍させるのは正しくない」と書き込んでいる。「軍隊で組織生活に適応する過程の一部であり、良い思い出を作った」という意見もあった。しかし「このような行動を当然だと感じることは間違いであり、必ず消さなければならない」という意見が多数だ。

ソウル大学心理学科クォン・ソクマン教授は「服を脱がして性器にいたずらをすることは男性の自尊心が傷つき、やられた立場では羞恥心と侮蔑感など、相当な精神的傷を負う」とし「これに適応できない場合にはそのうっぷんが爆発し、自殺または犯罪につながり兼ねない」と分析している。

チョン・ガンヒョン記者 <foneo@joongang.co.kr>
パク・ソンウ記者


朝鮮日報
党政「兵士の月給、来年39%引き上げる」
2005年6月27日 16:54

 政府とヨルリン・ウリ党は27日、来年度予算と関連した協議会を開き、将兵の服務環境改善事業の一環として、兵士の月給を39%引き上げることにした。

 これによって、上兵基準の兵士の月給は4万6600ウォンから来年には6万5000ウォンに引き上げられる。

 党政は2007年には兵士の月給を8万ウォン近くまで引き上げる計画だ。

イランの外交姿勢、変化なしか?

2005-06-27 01:37:31 | 国際
毎日新聞
イラン次期大統領: 欧州との核交渉継続の方針示す
2005年6月26日 23時00分

 【ドバイ高橋宗男】イラン大統領選の決選投票で勝利したアフマディネジャド・テヘラン市長は26日、当選後初めて記者会見し、「我々の政府は平和で穏健なものになる」「外交の優先課題は共存だ」と穏健姿勢をアピールするとともに、欧州との核問題協議を継続する方針を示した。保守強硬派として知られる同氏の当選に対する国際社会の懸念を払しょくする狙いとみられる。

 アフマディネジャド氏は会見で、平和利用のための核技術開発は主権国家の正当な権利だと主張し、「イランは能力(核技術)を必要としている」と述べた。さらに欧州との交渉に関し、「イランに核技術の追求をやめろと言える者はいない」との前提を付けた上で、「相互理解の下、欧州連合(EU)が約束を守るのであれば、我々も協力する」と述べた。

 外交方針に関しては、「我々に対し敵意を示す国以外」の「すべての国と正義と協力に基づく良好な関係の構築を望む」と述べながらも、米国については「イランの発展のために特に対米関係が必要というわけではない」とけん制。「我々と協力したい国は方針を明確にすべきだ」と主張し、イラン側から対米強硬路線を変える考えのないことを示唆した。

 一方、イランの人権問題に対する懸念に関しては「我々はむしろ世界中の人権侵害を心配している」と切り返した。


朝日新聞
対米関係「改善の必要はない」 イラン次期大統領
2005年06月26日23時19分

 イランの次期大統領となるアフマディネジャド・テヘラン市長は26日、当選後初めての記者会見を行い、「平和的で穏健な政権を目指し、過激主義は受け入れない」などと述べ、現ハタミ政権の内政・外交政策を当面は継続する姿勢を示した。ただ、同国の核開発疑惑への批判を強める米国について「我が国が進歩するためには、対米関係を特に改善する必要はない」として、米ブッシュ政権の要求には屈しない姿勢を示した。

 アフマディネジャド氏は会見で、同国の核開発について「原子力技術の平和利用は当然の権利」との基本方針を強調。ウラン濃縮関連活動の停止を求める独仏英3カ国との交渉については「欧州連合(EU)が約束を守る限り交渉は続けるが、互いの信頼醸成が必要」として、当面は、欧州側の動きを見守る姿勢を示した。

 選挙戦で貧富の格差の解消を主張してきた同氏は会見で、経済政策の優先課題について、「地方などへの予算の公平な配分」と語り、大都市や富裕層への富の偏在に不満をつのらす貧困層を重視する姿勢を示した。

 これに関連して26日の国営テレビのインタビューで同氏は「社会正義の実現こそ私の政策の最優先事項だ」と述べた。同氏の経済政策顧問は「1年以内に銀行の高金利を1けたにする」と発言。預金者を高金利で優遇していたシステムを改革し、金利の引き下げを検討する姿勢を示した。

 79年の革命後、イスラム法を導入したイランでは、ローンによる銀行の利子獲得や預金者への利子支払いは建前上禁止されている。だが実際には「サービス料」などの呼び方で金利が存在し、政府や国会、中央銀行などでつくる評議会が年に1度、金利を改定する。

 ハタミ現大統領による経済改革のもとで私営銀行が5行設立され、10~15%のインフレが続くなか、1~5年の預金で12~18%の利息がつく。

 こうした動きについて、イランの銀行関係者は、「まったく非合理的な政策だ。預金者は銀行から金を引き出し、経済に打撃を与える可能性がある。財政当局が抵抗するのは間違いない」と批判している。

盧武鉉政権要人の天下り

2005-06-26 15:18:07 | 国際
東亜日報
「発言」のために混乱する盧政府
JUNE 25, 2005 06:06

「現政権層と過去の政権層は何が違うでしょう?」

李哲(イ・チョル)前議員と李海成(イ・ヘソン)前大統領広報首席秘書官がそれぞれ韓国鉄道公社と韓国造幣公社の社長に内定されたことを「天下り人事」と批判する世論に対して、金完基(キム・ワンギ)大統領人事首席秘書官が反ばくしてから1日が過ぎた24日、大統領府のホームページにこのような書き込みが掲載された。

「k2649」というネチズンは、「大統領府は違うと言うが、誰から見ても(今回の人事は)天下り人事だ。『絶対天下りではなく、実力と資格を検証した人事だ』と言って押しきるのは、過去も今も変わらないようだ」と書き込んだ。

最近、主要懸案に対する政府高官の発言が、野党はもとより一般国民の感情ともかけ離れ、国民をがっかりさせる場合が少なくない。このため、政府が不必要に言葉のために国論を分裂させているという指摘も出ている。

▲「配慮は悪いことではない」 vs 「傍若無人」〓金首席は23日、記者懇談会を要望して、「参与政府に天下り人事はない」とし、「配慮は悪いことではない。大統領職引継ぎ委員会や大統領府をやめれば、自営業でもして、山登りでもしながら遊ばなければならないのか」と主張した。

この発言に対しては政府内でも、「黙っていればいいものを、なぜしゃしゃり出て混乱を招くのか」という指摘が出ている。中央省庁のある幹部は、「過去の政府と現政府がいずれも天下り人事や側近の面倒を見るようだ。しかし、過去の政府が静かに世論のムチを受けた一方、現政府はむしろいいことだと言うところが異なる」と話した。

ハンナラ党の姜在渉(カン・ジェソプ)院内代表は24日、「天下り人事ではないようだ。落下傘(天下り)はゆっくり落ちるが、これは一度に急に落ちてくるので『あられ人事』ではないか」と皮肉った。孟亨奎(メン・ヒョンギュ)政策委議長は、「天下り人事でないなら、『バンジージャンプ人事』か」と批判した。

自民連の李圭陽(イ・ギュヤン)スポークスマンは、論評で、「国民の指摘と憂慮を『それがどうした』と対応する開き直りの反応だ」と指摘した。

▲「我が道を行く?」〓これに先立ち、李廷雨(イ・ジョンウ)大統領諮問政策企画委員長は1日、「大統領諮問委員会共和国」論議について、朝鮮時代の士林(サリム)派を取り上げ、「むしろアマチュアが希望だ」と言って反ばくした。彼のこの発言は、再び「士林派論議」を呼び起こした。

李海瓚(イ・ヘチャン)首相は7日、国会政治分野の対政府質問で、不動産価格上昇対策を問う質問に、「ソウル江南(カンナム)の瑞草(ソチョ)地域を除いた他の地域は、ゼロ成長か下落しており、一部地域の現象を一般的な現象として拡大するのは適切ではない」と答えた。

しかし李首相のこのような状況認識は、政府が17日に「不動産政策を白紙状態で見直す」と発表したことで、面目を失った。

北朝鮮代表団中に3人の女性

2005-06-26 15:11:35 | 国際
東亜日報
気になる北朝鮮代表団の3人の若き女性…1人は対南担当要員
JUNE 23, 2005 06:04

韓国と北朝鮮の第15回南北閣僚級会談のためソウル入りした北朝鮮代表団に3人の若い女性が含まれている。この3人は、誰だろうか。

21日、白いスーツ姿で仁川(インチョン)国際空港に姿を現わした金ソンヘ氏は、祖国平和統一委員会(祖平統)所属の参事で、北朝鮮では稀な女性の「対南(対韓国)担当者」だ。「対南担当者」とは、韓国関係の問題を専門的に担当する一種の情報員または外交官にあたる。通常、工作や宣伝、会談の任務などを遂行する要員のことだ。

北朝鮮の内部事情に精通している消息筋は「祖平統に勤めているならば、文字通りの『最精鋭の韓国担当者』と考えればいいだろう」とし、「女性に対する差別が存在する北朝鮮で、若い女性がこうした任務を遂行するのは異例のこと」と話した。金氏は60年代生れとされ、韓国政府代表団が平壌(ピョンヤン)の「6・15民族統一大祭典」に参加するための実務協議で北朝鮮代表を務めており、南北赤十字社間の実務協議などにも参加したことがある。

今回、北朝鮮代表団の支援要員に含まれた金ヨンヒ氏は、自身のことを内閣所属だと紹介した。同氏は、30代半ばで、北朝鮮のエリートが養成される金日成(キム・イルソン)総合大学の工科大学を卒業したものとされる。先月、開城(ケソン)で行われた南北次官級実務協議と金剛山(クムガンサン)の南北青年再会行事のときにも姿を現わしている。

北朝鮮側記者団の紅一点であるノ・グムスン氏は、在日本朝鮮人総連合会の機関紙「朝鮮(チョソン)新報」の平壌特派員である写真記者だ。20代半ばで、朝鮮総連系の在日韓国人3世だ。大学を卒業した直後から朝鮮新報に勤めてきた。

米軍、女性兵士の犠牲

2005-06-26 14:42:33 | 国際
讀賣新聞
死傷米兵、うち12人が女性…イラクの自爆テロ
2005年6月26日1時31分

 【カイロ=柳沢亨之】イラク中部ファルージャで23日夜、海兵隊の車列が武装勢力の自爆テロなどに遭った事件で、イラク駐留米軍は24日、死亡した兵士2人のうち1人、負傷した兵士13人のうち11人がそれぞれ女性だったことを明らかにした。依然4人の兵士が行方不明で、死者数が今後増える可能性もある。

 米軍によると、まず爆弾を仕掛けた車1台が米軍車両の近くで爆発。さらに武装勢力の銃撃が続いた。女性兵士らは同市入り口の検問所での勤務を終え、近くの駐屯地に帰還する途中だった。米軍は、男性が第三者の女性の体に触れるのを禁じるイスラム教に配慮し、多くの女性兵士を検問所に配置している。

 米国防総省は女性兵士の前線での戦闘勤務を禁じ、後方支援などに任務を限定している。

イラク新大統領選出、核問題の行方は?

2005-06-26 14:29:42 | 国際
毎日新聞
イラン新大統領: 核問題解決に早くも暗雲 協調路線停滞か
2005年6月26日 1時42分

 24日のイラン大統領選で保守強硬派のアフマディネジャド・テヘラン市長が当選し、97年のハタミ現政権誕生から続いた改革の流れが途絶えた。世論のすう勢が改革志向で定着しつつあるにもかかわらず、改革が進まないことへの失望と国内経済への不満がうっ積して起きた揺り戻し現象といえる。しかし、国際的影響は大きい。「文明間の対話」を呼びかけたハタミ政権下での国際社会との協調外交が停滞することが予想され、核開発問題の行方に早くも暗雲が漂っている。

 ◇強硬姿勢強め、核交渉で緊張局面も

 イランの保守強硬派政権誕生で、焦点の核開発問題解決について「状況は厳しくなった」(外交筋)との悲観的見方が広がっている。

 イランは昨年11月、英仏独との交渉でウラン転換など関連作業を含めたウラン濃縮活動の一時停止で合意。同12月以降、英仏独はイランにウラン濃縮計画の放棄を求める交渉を継続している。

 イラン側の核交渉はハメネイ師ら保守指導層の専権事項だが、今回選挙で敗れたラフサンジャニ師は故ホメイニ師のイラン革命(79年)を支え、ハメネイ師に意見できる立場にいたとされる。金権腐敗のイメージから国民の不信が強かったラフサンジャニ師だが、英仏独との交渉団代表のローハニ最高安全保障委員会事務局長を陰で支え、核問題の「外交的落としどころを探る現実志向派」(消息筋)といわれる。

 一方、ハタミ大統領は核交渉を指揮する実質権限はなかったが、「国際協調派の窓口」としてのイメージが英仏独に忍耐強く交渉のテーブルにつかせた側面があった。

 英仏独3カ国は先月25日のジュネーブでの欧州連合(EU)とイランの外相級協議で、「7月末か8月初旬」に新たな政治・経済支援策を示すのと引き換えに、イランからウラン濃縮活動の凍結継続を取り付けた。新提案はアフマディネジャド氏の大統領就任のタイミングと重なる。

 アフマディネジャド氏はかねて「交渉団は(英仏独の)言い分を聞き、譲歩しすぎだ」と非難を繰り返してきた。それだけに、ハタミ大統領の退陣に加えて、ラフサンジャニ師が選挙敗北で影響力が低下すれば、今後、イランが強硬姿勢を強めるのは確実で、核交渉が緊張局面を迎えるのは不可避の情勢だ。

 米国のライス国務長官は今年3月、イランが核開発計画を放棄すれば、イランの世界貿易機関(WTO)加盟反対の撤回など経済的見返りを与えると発表した。同時に、EUもイランが濃縮活動を再開すれば国連安保理に付託することで米国と合意した。これは、「悪の枢軸」「圧政国家」と非難し、イランの原子力平和利用を認めない米国と、ハタミ政権下でイランとの関係を拡大したEUとのバランスの上で成立した対イラン外交交渉継続の確認だった。

 しかし、米国とイランの関係が一段と冷え込むことが確実とみられる中、EUが米国と一線を画す影響力を行使することが難しくなることが予想され、その場合、安保理付託の流れが一気に強まりそうだ。【テヘラン高橋宗男、ロンドン小松浩】

 ◇「第3極」接近も

 「有権者は米国の(対イラン)政策に対する明確な不満を示した。米政府はイラン有権者の声に耳を傾け、ごうまんな態度を取るべきではない」

 イラン外務省報道官はアフマディネジャド氏の大統領当選が確定した25日、そう強調して米国をけん制した。

 現職のハタミ大統領が97年8月の就任式で「すべての国と友好関係を築く」と述べたのとは対照的に、アフマディネジャド新政権は発足前から対米強硬路線を明確にした。

 ハタミ大統領は外交の基本を国際協調に置いた。欧州とは相次いで関係を改善。それ以前に関係が冷え込んでいた中国、日本との関係も回復した。「革命の輸出」を恐れていたサウジアラビアやヨルダンなどとの関係を改善。欧州、日本、アフリカなど活発な外遊を行い、国連では「文明間の対話」を提唱。イランのイスラム原理主義的なイメージを大きく変えた。

 しかし、アフマディネジャド氏には国際舞台での経験がなく、海外では保守強硬派大統領誕生に対して「大きな驚き」(英テレビ各局)との受け止め方が支配的だ。ハタミ大統領誕生の時のような歓迎ムードがなく、今後、国際社会とイランの外交は当面、停滞することは間違いない。

 現地ジャーナリストは「新政権は(対米関係悪化を念頭に)中国やインドなど第3極への接近を強めるだろう」と語り、石油などエネルギーの利害を軸に孤立を避ける後ろ向きの外交になると予測する。【テヘラン高橋宗男】

 ◇戸惑う日本政府

 イランとの友好関係を重視する日本政府は、国連安保理でのイラン制裁を目指す米国の強硬姿勢とは一線を画し、ハタミ大統領の改革路線を支援してきた。原油輸入の1割以上をイランに依存しているエネルギー安全保障上の理由からだ。

 このため今回大統領選では穏健派ラフサンジャニ師の当選とハタミ路線継続を望んでいたが、保守強硬派アフマディネジャド氏の登場に、外務省幹部は「実際の政策を見極めないと評価は難しい」と戸惑いを隠せない。25日発表した外務報道官談話は「新大統領が引き続き国内改革に努め、国際社会との関係を重視しつつ核問題への対応など諸施策を進めることを期待する」と呼びかける内容となった。

 日本としては、いくら友好重視とはいえ、北朝鮮の「核の脅威」を抱える立場もあり、イランの核兵器開発疑惑を軽視するわけにはいかない。新大統領がウラン濃縮再開に動けば、苦しい対応を迫られることになる。

 日本はイランのアザデガン油田開発について、米国から強く反対され板挟みに苦しんできた。今後、米国がイランへの締め付けをさらに強化することも予想されるため、新大統領が核問題で柔軟姿勢をとるよう、働きかけを強めていく構えだ。【平田崇浩】


産経新聞(共同配信)
核の強硬路線、米欧が懸念 イスラム色強化も警戒
2005年6月26日 00:18

 24日のイラン大統領選で国際的には無名だった保守強硬派のアハマディネジャド・テヘラン市長が当選、核問題での強硬姿勢や政権運営でイスラム色が強まることに米欧、アラブ諸国は一様に警戒感を示した。

 アハマディネジャド氏はこれまで核開発問題について「欧米の脅しに屈してはならない」と主張。これに対し、ブッシュ米政権は「平和利用を隠れみのにした核兵器開発計画」だとして国連安全保障理事会への付託も辞さないとしており、対決姿勢を強めることになりそうだ。

 核問題でイランと交渉してきた英国、フランス、ドイツの欧州3カ国も交渉の見通しが、決裂の可能性も含め「厳しくなった」(欧州外交筋)とみている。

 同じイスラム圏でありながら、イランとは一線を画すアラブ諸国は1979年のイスラム革命の「輸出」におびえた記憶を持ち、「イスラム革命の価値」を唱える新大統領の出方を警戒する。エジプト人記者は中東の衛星テレビで「米国の過激な政権がイランで過激な大統領を誕生させた」との見方を示した。

 女性参政権付与など「民主化」を進めるペルシャ湾岸諸国は、イランでの選挙結果に触発されたイスラム保守層の動きを警戒、改革に慎重になるとの予想も出ている。

 一方、ロシアのプーチン大統領は祝電を送り、原子力エネルギー分野での協力を継続する意向を表明した。(共同)