Takahiko Shirai Blog

記録「白井喬彦」

ミャンマー政府、首都機能移転

2005-06-28 11:58:18 | 国際
朝日新聞
軍政ミャンマー、極秘に首都機能移転 電力・軍事考慮?
2005年06月28日09時32分

ミャンマーの地図

 ミャンマー(ビルマ)の軍事政権が首都機能の一部をヤンゴンから地方都市に極秘裏に移転しようとしていることが、27日までにわかった。一部の官庁はすでに移動を始めており、移転先近くでは空港も建設されている。移転の規模や全体像は不明だが、軍事政権筋は今後省庁の移転が順次進むとしており、政治機能の相当部分が移るとみられる。ヤンゴンの電力不足や安全保障上の問題が指摘されているが、移転の理由は明らかではない。

 軍事政権筋によると、移転先はヤンゴンから北へ約300キロにある中部の都市ピンマナ。ヤンゴンと第2の都市マンダレーとの中間の高原にあり、周囲を山に囲まれた人口数万人の街だ。独立戦争のころにアウン・サン将軍が司令部を置いた軍事的な要衝でもある。

 国防省は一部の移転をすでに始めているという。林業省の職員は7月の移動を命じられた。保健省の幹部も近く移動するという。他にも農業潅漑(かんがい)省、文化省、情報省などに移転の動きが出ている。

 他の省庁も10月から来年3月にかけて移転するとの情報がある。動きは官庁に限られ、民間には知らされていない。

 ピンマナの近くには28万キロワットの水力発電所があるが、その上流では中国の支援で78万キロワットの水力発電所が計画されている。軍政幹部は、近隣の町に空港の滑走路が完成していることも明らかにした。

 外交筋によると、同国の主な建設会社がこの計画に動員されているが、工事関係者は堅く口止めされているという。広大な計画区域は外部から閉鎖されているが、内部では中層の職員住宅や往復6車線の道路建設が進められている。

 人口500万人を超えるヤンゴンでは電力や水の不足、ゴミ処理などが問題になっており、主な省庁を移転して首都機能の効率化を図る動機は考えられる。

 また、ピンマナには地下施設が建設されているとの情報もある。ヤンゴンは海に近く外部からの攻撃が容易と考え、山地に囲まれた場所に首都機能を移すのではとの見方もある。計画は01年ごろに始まったとされ、米国が同時テロ後のアフガニスタン、イラク攻撃で空母を展開したことが影響を与えた可能性もある。

 軍政は昨年10月、開明派とされたキン・ニュン前首相を解任して以来、タン・シュエ国家平和発展評議会(SPDC)議長に忠実な強硬派で政府を固め、国際的な孤立化を強めている。

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