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「放射能汚染水」 海洋放出を 即時断念せよ!

2023-08-27 15:02:25 | 老朽原発うごかすな!実行委員会
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<緊急声明> 「放射能汚染水」海洋放出を即時断念せよ!
2023年8月22日  老朽原発うごかすな!実行委員会

岸田政権は、「ALPS処理水」と称して、「放射能汚染水」の太平洋への放出を、早ければ8月24日から開始すると決定しました。福島県漁連、全国漁連をはじめとする全国民と交わした約束を反故にし、世界の世論を蹂躙する暴挙です。環境の放射能汚染を許さず、すべての原発の廃炉を願う私たちは、満腔の怒りをもって抗議します。

日本は「国連海洋法条約」を批准しています。
「第194条第1項 いずれの国も、あらゆる発生源からの海洋環境の汚染を防止し、軽減し及び規制するため、利用することができる実行可能な最善の手段を用い、かつ、自国の能力に応じ、単独で又は適当なときは共同して、この条約に適合するすべての必要な措置をとるものとし、また、この点に関して政策を調和させるよう努力する。」

日本が国際社会で尊敬される国であろうとするなら、この精神を実現すべきです。
12年前、東京電力が福島原発から大量の核物質を世界にばらまいてしまいました。多くの国の人々が、援助の手を差し伸べてくれました。しかし、今、政府や東電は「タンクの土地がないからもう一度核物質をばらまかせて欲しい」と言っているのです。手前勝手な恥ずべき主張です。

もし、隣国である中国や韓国で万一にも原発事故が起きて同様の事態が起きたら、日本政府はどうするというのでしょうか?最初は事故でも、12年後に税金を使って核物質を世界にばらまくのは国家の犯罪です。近隣の政府が国民の健康・生命・財産を守るため反対するのは当然です。

私たちも、岸田政権が「原発推進への暴走政策の一環として行う放射能汚染水の海洋投棄」に強く反対します。

政府・経産省は、2020年、ALPS汚染水処理の「検討諸案」で当時80万m3の汚染水処理を『34億円の経費(東電でさえ、「海底トンネルからの放出施設建設費、測定のためなどに21年から24年度の3カ年で約437億円必要」としていた)と91か月の期間』で海洋放出するのが他の案よりも安くて早いと提案しました。海洋放出に導くための結論ありきの提案でした。ところが、政府・経産省は本年1月、「需要(風評)対策300億円、漁業者支援事業500億円」を予算計上しています。海洋放出期間は7~8年としていましたが、市民団体からの批判と指摘を受けて、30~40年かかると訂正しています。政府、東電の海洋放出のコスト、期間は、いずれも大きく前提が崩れています。34億円は1千億円を超え、7~8年が30~40年になっています。海洋放出しなければ海底トンネル工事の437億円も、風評対策費800億円も不要です。もっと安全で効果のある方法を考えるべきです。

東電は「タンクを設置する場所がないから放出」するとしていますが、30年も40年もかけて放出する間に地震や災害によってタンクが破損する恐れがあります。汚染水をモルタル固化して陸上に保管すべきです。そうすれば、風評被害も起きず、風評対策費も不要です。国内外の人々の安全を守るためにはコストを問題にすべきではありません。

政府や御用学者は、トリチウムは「自然界にも存在している」「放出する放射線のエネルギーは弱い」「他の放射性物質と比べて人体への影響は低い」「体内に入っても、水と同じように体外へ排出される」としています。人体への影響は「低い」「ほとんどありません」と、安全神話を振りまいています。しかし、体はトリチウムを判断して体外に出すわけではありません。体内に入ったトリチウムは他の水と同様に細胞内にも入り、とどまります。細胞の中に入ればDNAを破壊する可能性があります。安全で無害な放射性物質は存在しません。放射線に、これ以下なら安全と言う「しきい値」はありません。さらに「トリチウムの生物学的効果比(RBE)は、セシウムより2倍~6倍高い」と言う研究発表もあります。母乳からトリチウムが検出されたこともあります。細胞分裂が最も活発な乳幼児の体に入れば大変です。トリチウムの研究はまだ途上です。

政府と東電は「国際機関・IAEAが報告書でお墨付きを与えたから、海洋放出は安全」としていますが、IAEA は「国際原発推進機関」であり、原発推進国からの出資と原子力ムラからの人員派遣で運営されていることを考えれば、全くの欺瞞です。そのIAEAのグロッシ事務局長でさえ「IAEAの報告書は、処理水の海洋放出計画を認めるものではなく、最終決定は日本政府が下すもの」とし、IAEAは海洋放出計画の承認も推奨もしていないことを認めています。

福島原発は、事故前には2.2兆ベクレル/年のトリチウムを排出していましたが、海洋投棄では10倍の22兆ベクレル/年の放出を予定しています。原発推進派は「海外の原発からはもっと大量にトリチウムを海に流している」「トリチウムは安全だ」と言いますが、実に通常運転時の10倍を放出する予定です。ちなみに、操業延期を何度となく繰り返し、いまだに稼動していない六ケ所再処理工場では、年間で大気中に1900兆ベクレル、海洋に1京8千兆ベクレルを放出するとしています(国に提出した再処理事業指定申請書)。実に900倍です。自然界に影響がないと言う証明はありません。

海洋放出されるのはトリチウムだけではありません。タンクに貯められている130万m3 の汚染水はメルトダウンした核燃料に触れた汚染水です。政府、東電は2018年マスコミに暴露されるまで2014年の資料を使い、「トリチウム以外は基準を満たしている」と国民をだましていました。

ALPSを通してタンクに貯められている約130万m3の7割には「基準値」を超えたセシウム、ストロンチウム、ヨウ素など、半減期が長い放射性物質が残っています。

東電は約130万m3のうちの64核種のデータがとれている3つのタンク群(3.6万m3)の結果を公表しているだけであり、放射性物質の核種ごとの総量は不明のままです。タンクに溜まっている核種ごとの総量が分からなければ、自然界に対する影響も分かりません。

なお、政府と東電の説明は、科学とは程遠いものです。例えば、汚染水を希釈して、トリチウム濃度を基準値以下にして海洋放出するから安全と言っています。では、基準値なるものはどこで、どのような根拠で決まったのでしょう?天然水1リットル(L)中のトリチウムの濃度は約1ベクレル(Bq)です。ところが、トリチウムを含む水の環境放出規制基準は1L当たり60,000Bqと定められています。この基準は、原発を運転すれば、この程度のトリチウムが放出される可能性があり、基準値をこの高濃度にしておかないと原発を運転できないから定められたのです(原発や原子力施設の稼働の都合で定めた基準です)。この濃度でも、人や生物にとって安全というものではありません。政府と東電は、このような原発運転の都合で定めた高濃度を規制基準とし、その40分の1の濃度(1,500 Bq/L)まで希釈して放出するから、海洋放出は安全としているのです。

海洋放出に対しては、当初より県漁連の強い反対が表明されていました。また、周辺自治体からも「住民理解を得ることが重要だ」との強い要望が出されていました。政府と東電は2015年、県漁連に「関係者の理解なしにいかなる処分もしない」と文書で約束を交わしています。政府がこれを反故にすることは、民主主義の根幹にかかわります。海洋放出は福島の漁民のみならず近隣諸国、太平洋諸島に影響を与えます。

他方、「海洋放出は危険だ」「風評被害が起こるから中止しろ」と言う人たちに対しては「風評加害者」のレッテルを貼っています。地元の漁業者に対しては「ごね得だ」と言う心ない言葉がかけられています。海洋放出は人々を分断します。

一たび放射能汚染水を海洋放出すれば地元漁民の問題にとどまらず、太平洋、ひいては地球規模の海洋生物の生態系に影響を与え、その影響を私たちも回避できません。

「放射能汚染水の海洋放出」に強く抗議し、計画の白紙撤回を強く求めます。


声明のダウンロードは → コチラ

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