taimuのひとり言

毎日の生活の中で感じた事を 徒然なるままに・・・。

読書日記 16 今月読んだ本 7月 8月 その2

2008-08-09 00:29:30 | 読書

 今日も暑かったです。

 昨日 読み終えた本です。

 「楽園 上・下巻」 宮部 みゆき著

 
 図書館に予約していて やっと順番になりました。
 読み出したら止まりません。
 早く先を読みたいのに 読み終わってしまうのが
 惜しいような、そして最後は ほっとして読み終えた
 そんな本です。
 無関係とも思える出来事や 小さなエピソードを
 丹念に積み上げて、一本の線に繋がってくる手法は
 相変わらず見事です。

 「模倣犯」事件のショックから立ち直れずにいる
 前畑滋子のもとに
 荻谷敏子という女性が現れる。12歳で死んだ息子「等」に関する
 不思議な「絵」に関しての依頼だった。
 少年は16年前に殺された少女の遺体が発見される前に、
 それを絵に描いていたという…。

 「サイコメトラー」「超能力者」のストーリーかと
 思ったら 「家族」のストーリーです。
 荻谷敏子と等、土井崎夫妻と茜・誠子姉妹、
 三和尚子と明夫、など。

 どの家族も母と子の関係が重要な鍵になっています。
 荻谷敏子の 純粋にわが子の心の中を知りたいと願う母。
 自分が生んだかわいい娘のはずなのに だからこそ自分の手で
 娘を殺めてしまった土井崎向子、
 息子が何か悪いことをしていると気づきながら
 知らないふりをして 息子をかばい続ける三和尚子。

 その時々で私はその母親になったような感覚になり
 息をつめ 胸をドキドキさせて 読んでいました。

 荻谷敏子が 最初は普通のおばさんなのに
 どんどんいい人になって 周りの人を和ませ
 皆が癒され 素敵な女性だったことがわかってきて
 私も なぜかとても嬉しかったです。

 前畑滋子は「模倣犯」の事件の絵が
 等の描いた絵の中にあるのを 見つけて
 それがきっかけで 調べてみようと思ったのに
 その絵の解明がされなかったのが残念で
 消化不良のような感じです。

 それから 茜と明夫が起こした事件の犠牲になった
 女性についても 何も解決しませんでした。
 どこかに 眠っているはずの彼女のことが
 気になって仕方がありません。