taimuのひとり言

毎日の生活の中で感じた事を 徒然なるままに・・・。

読書日記 15 今月読んだ本 7月 8月 その1

2008-08-07 16:24:11 | 読書

 暑い日が続いています。

 「徳川の夫人たち 正・続」 吉屋 信子著

 
 先月読んだ「女人平家 前・後編」がとても面白かったので
 「徳川の夫人たち 正・続」を図書館で借りました。
 
 「大奥」というと 正室と側室やお世継ぎをめぐる争いや
 お付きの女中たちも含めて、さまざまな確執や策略が入り乱れ、
 嫉妬、嫌がらせ、いじめ、など そのあたりを
 興味本位に取り上げられることが多いのですが、 
 そういうイメージは いつ頃私達に定着したのでしょうか

 吉屋氏は
   『江戸城大奥の女性たちに関する資料はあまりに少ない。
    いや、多少はあるにしても、それらはどれもこれも
    「狂言綺語の俗書のみ」であって、皆彼女たちを、
    あるいは淫婦にあるいは毒婦に扱って、
    女性を性の対象とのみ見て“大奥”と呼ぶ禁男の女の世界を
    猥雑な修羅場をした戯作のたぐいのみ』
  と指摘しています。

 だからこそ 江戸城大奥の当時の最高の身分で
 最高の教養を備えた女性達の姿を 
 描きたいというのが 吉屋氏の目的だったのでしょう。

 「徳川の夫人たち 正」は三代将軍家光の側室、お万の方の物語。
 家光のお召しによって、17歳で尼寺の住職から還俗させられて
 大奥入りしたお万の方。才知にあふれ しかも京都の公家の出
 ということで気品と若さと美貌を兼ね備えたお万の方は 
 本当に17歳
 
 「徳川の夫人たち 続」の方は、4代将軍から
 15代慶喜までの大奥の物語。こちらの方は駆け足の感じですが
 「江島、生島」のスキャンダルや「篤姫、和宮」など
 興味は尽きません。

 大奥の厳しいしきたりや 正室と側室との格式や身分の違い
 四季折々の行事や決まりごと、女性達の衣装・髪形 等、
 吉屋氏の華麗で優雅で上品な文章で 手に取るように、
 女性達の息遣いまで感じられるような 本当に
 面白い本でした。