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ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

オリヴァー・ネルソン/メイン・ステム

2025-04-24 18:13:10 | ジャズ(ハードバップ)

オリヴァー・ネルソンについては当ブログでもたびたび取り上げて来ました。彼にはアレンジャーとしての顔とテナー奏者としての顔があり、前者ではヴァーヴ盤「フル・ネルソン」、後者ではプレスティッジ盤「ミート・オリヴァー・ネルソン」「テイキング・ケア・オヴ・ビジネス」等が代表作として挙げられます。アレンジャー及びテナー奏者として両方の魅力を味わえるインパルス盤「ブルースの真実」もよく知られていますね。今日ご紹介する「メイン・ステム」はテナー奏者としてのネルソンにスポットライトを当てた作品で1961年8月25日にプレスティッジに吹き込まれたものです。

メンバーですが、トランペットのジョー・ニューマンがコ・リーダーとして大きくフィーチャーされています。ご承知のとおりニューマンはサド・ジョーンズとともにカウント・ベイシー楽団のトランペット・セクションをリードした名手。前年の1960年にベイシー楽団を脱退し、フリーランスとして活動を始めた頃です。リズムセクションはハンク・ジョーンズ(ピアノ)、ジョージ・デュヴィヴィエ(ベース)、チャーリー・パーシップ(ドラム)、レイ・バレト(コンガ)と各楽器の名手が顔を揃えています。

全6曲。アルバムはまずタイトルトラック”Main Stem”で幕を開けます。この曲はデューク・エリントン楽団の1940年代のヒット曲らしいですが、あまり他では聞いたことがない曲ですね。通常のエリントン・ナンバーのような親しみやすいメロディではなく、わりと野性的な感じで、ジョー・ニューマンがエリントン楽団のクーティ・ウィリアムズを彷彿とさせるワーワー・トランペットを吹き鳴らします。2曲目から5曲目までは全てネルソンの自作曲で、まず”J&B"はいかにもネルソンっぽいブルース。名手ハンク・ジョーンズの素晴らしいイントロに続きまずネルソンがアルトでソロを取り、ニューマン→再びハンクのソロとリレーします。3曲目"Ho!"は何だかとらえどころのない曲。正直スキップしても良いでしょう。

続いて後半(B面)。4曲目”Latino”は本作のハイライトと言って良い名曲。名前からしてラテン調の曲かと思いますが意外とそうでもなく(レイ・バレトのコンガは効いていますが)良質のハードバップです。ソロはニューマン→ネルソン→ハンク・ジョーンズの順でとりわけハンクのピアノソロが素晴らしいですね。"Tipsy"もノリの良いスインギーな佳曲でハンク・ジョーンズ→ニューマンのカップミュート→ネルソン→デュヴィヴィエのベースソロと軽快にソロを繋ぎます。ラストは唯一の歌モノスタンダードである”Tangerine”。ミディアムテンポの演奏でニューマンのカップミュート→ネルソン→ハンクと歌心溢れるプレイを披露します。以上、ネルソンとニューマンのリーダー2人に加え、ハンク・ジョーンズの名手ぶりにもスポットライトを当てても良い作品だと思います。

 

 


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