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[雑記] マンガ大賞2010ノミネート作品が発表!

2010-01-18 | マンガ

前回のマンガ大賞2009については、当時やたらと忙しかったのでここで触れられませんでしたが(ちなみに2008の時に書いたエントリ→)、大賞を受賞した「ちはやふる」はオレとしても物凄く納得の行く受賞でした……オレが読み始めたのは二巻が発売されるちょっと前くらいだったと思うんですが、競技かるた(百人一首)という非常に地味なイメージの題材にも関わらず、物凄くアツくてスピーディで、何より”カッコいい”と思わせる作者さんの技量はとんでもないなと感心しきりだった記憶があります
(この作者さんが、何年か前に「スラムダンク」をトレースしていた問題で一時は漫画界を追放されてしまっていた過去があるというのを後で知りましたが、想像を絶する苦労があったでしょうに、よくもまあこんな凄い作品で復帰してくれたものだと感謝の気持ちで一杯です)

惜しくも大賞を獲得出来なかった二位以下の作品についても、東村アキコの「ママはテンパリスト」だけはオレも未読だったんですが、これらのどの作品が大賞を受賞してたとしても全然おかしくなかったと思います~

で、今年のノミネート作品が公式サイトにて発表されました(対象作品は2009年の間に単行本が発売された作品で、刊行数が8巻以内という条件です)
オレとしても是非推奨したい作品がランキングに結構入ってるので、ちょっと書かせてもらいます

●『アイアムアヒーロー』花沢健吾(三巻まで発売中)

ビッグコミックスピリッツ誌上で連載中の本作ですが、このマンガほど、連載をリアルタイムで読んでいて良かったとその幸運に感謝した作品も珍しいんじゃないでしょうか……なにせ途中でいきなり作品の方向性がガラリと変わって(安易なテコ入れとかではなくて全て作者の計算ずくで)しまって、見事に”天地がひっくり返る”ような思いを読者に与えることに成功しましたからねえ

例えネタバレをされていたとしても(コミックスから読み始めたとしても)、この衝撃は一読の価値があるのは間違いないと思いますし、今後の展開がどうなっていくのかサッパリ解らないという意味ではまだまだ新たな楽しみがこの先に待ってそうなのでオススメです

Aoihonoo ●『アオイホノオ』島本和彦(三巻まで発売中)

休刊したヤングサンデーから現在はゲッサン誌上に連載が移行している本作ですが、自身や実際の漫画界をモデルにしつつ独自のマンガ創作論を熱血口調で語りきっていた「燃えよペン」「吠えろペン」のシリーズの後継作として、島本和彦が漫画家になる前の時代(80年代)を題材にしている作品です

作者の学生時代の漫画界のトピックと共に、現在ではアニメ界や漫画界の有名人となってる方々が実名で登場しているのも見どころなんですが、まだクリエイターを志していただけの存在だった頃の作者の根拠のない自信と挫折と焦りといった生々しい描写を、身悶えしながら読むのがこのマンガの正しい読み方なのではないでしょうかw

●『宇宙兄弟』小山宙哉(八巻まで発売中)

モーニング誌上で連載中で前回のマンガ大賞でもノミネートされていた本作ですが、選考規則からすると今回がノミネートされる最終期限になっちゃうのかな……作者さんは30歳を過ぎたくらいだそうで、まだ若手といっていいんだと思いますがとにかくこの安定感が凄いですね

先に夢を叶えた弟の後を追って、ちょっと抜けてるようでいて不思議な魅力を持っている兄が宇宙飛行士を目指す物語としては、大体折り返し地点に差し掛かったくらいなのかな?……今よりもう少し未来を舞台にしているとはいえ、相変わらず命の危険が常につきまとう過酷な”宇宙”を目指す人たちのヒューマンドラマがオススメです

●『娚の一生』西炯子(二巻まで発売中)

月刊flowersに連載しているそうですが、こちらは作品名も作者さんも完全に初耳ですね……機会があったら読んでみたいと思います

●『海月姫』東村アキコ(三巻まで発売中)

Kiss誌上に連載されているそうで、オレの場合は「ひまわりっ」があまりにも面白かった流れで近所のレンタル屋で見かけた本作を借りてハマッたんですが、作者の東村アキコは一昨年の「ひまわりっ」、昨年の「ママはテンパリスト」、そして今年の「海月姫」と三年連続でノミネートされてるんですな……いやはや、この勢いは作者さんのセンスがまさに時代と見事に合致しているってことなんですかねえ

中身は昔ながらの少女マンガのパターンに、腐女子やらオタクやら女装男子やらのキャラクター要素を融合させてる展開なので、ちょっと取っつきにくい男性読者がいるかもしれないなあという危惧がちょっとだけあるかな…

…ちなみに恥ずかしながら本作を読むまで、海月をくらげと読むのだとは思いもしてなくて、”かいげつひめ”と読みながら一巻をレンタルしていたことは秘密ですw

●『高校球児 ザワさん』三島衛里子(三巻まで発売中)

ビッグコミックスピリッツ誌上で連載中の本作ですが、毎回十ページにも満たない短さと、野球マンガにも関わらず特に試合や練習の描写が中心というわけでもないばかりか、ストーリーやオチといった要素すら存在しない回も珍しくない~というのが面白い特徴です
なんと表現したらいいのか……とある高校の硬式野球部にマネージャーやスコアラーといった立場ではなくて、選手として正式に在籍している一人の女子部員を視点の中心に据えた短編集といったカンジでしょうか(ザワさんを本作の主人公と表現するのはちょっと違う気もします)

最近、作者さんがあだち充と対談をしていましたが、あのあだち作品の”空気感”のみに特化してる~といった風でもあるので、セリフや目に見える情報に頼らない感情の機微みたいなのを読み取るのが好きな方には非常にオススメです

●『テルマエ・ロマエ』ヤマザキマリ(一巻が発売中)

コミックビーム誌上で不定期に連載中だそうですが、こちらもオレは全く知りません……でも軽く調べてみると、”古代ローマで公衆浴場を専門に設計している建築技師が、現代の日本にタイムスリップしてきて日本の銭湯に衝撃を受ける~”という、なんだかギャグなのかシリアスなのか意味不明すぎる設定wが非常に興味をそそられるので機会があったら読んでみたいと思います

Bakuman ●『バクマン。』大場つぐみ・小畑健(六巻まで発売中)

週刊少年ジャンプ誌上で連載中の本作ですが、「デスノート」のコンビの新作ということで単行本を最初から買ってます

漫画家を志す二人の若者による立身出世物語なんですが、劇中に登場するのは実際の「少年ジャンプ」に限りなく近い雑誌とその編集部を舞台にしているので、漫画家や編集者の苦労といった裏事情にも興味があるマンガ好きには見逃せない作品です

基本的には主人公たちの成長要素という少年マンガらしさがメインではあるんですが、編集部において如何にしてジャンプという業界No.1雑誌が日々創られているのかという内幕をこれでもかと大暴露している部分と、漫画家の現場から見たクリエイター論の生々しさから目が離せません

●『虫と歌 市川春子短編集』市川春子

月刊アフタヌーン誌上に掲載されていた四季賞の大賞を受賞した作品や、その後の読切短編を集めた短篇集のようです(オレは雑誌の方は読んでますが単行本は持っていません)

マンガという表現媒体に対して、如何にして自由に発想を広げるかという挑戦を続けてるイメージの強いアフタヌーンにおいて、そういった事情を踏まえた多くの新人たちの中でもさらに群を抜いて先鋭的な表現を目指している感があるといった印象がこの作者さんにはありますね

Moteki ●『モテキ』久保ミツロウ(三巻まで発売中)

イブニング誌上で連載中の本作ですが、いやー、これはオレみたいな非モテおっさん読者にとっては読んでて非常にキツいマンガです(汗)……でもどうしても目が離せないんです

ハッキリ言って、オレみたいなのが語れる要素がこの作品にはありません……何を書いても愚痴みたいな表現にしかなりようがないからです(苦笑)

でもきっとモテや非モテに関わらず、男と女という存在である限り、万人に通用する心理描写がこの作品には満載なんだと思いますのでオススメしたいです(…ただもし読者側の心が何らかの事情によりヘコみ中だったりすると、マジでそのままどん底にまで突き落とされる危険性が高い~~それくらい破壊力のある作品だ~~っていうことだけは忠告しておきますw)

~~
さて、以上がマンガ大賞2010へとノミネートされた十作品です
個人的な心情としては、今回でラストチャンスということもありますし、対象読者として老若男女の万人向けといっていい一番の作品は「宇宙兄弟」ですかねえ…

で、それはそれでいいとして、オレとしては絶対にノミネートされるだろうなと思ってた作品が2009年に発売されてまして、おそらく選に漏れた候補の中に間違いなくリストアップされていると思うんですが、ここで挙げさせてもらいます

Hoshimamoru ●『星守る犬』村上たかし

漫画アクション誌上にて連載されていたんだそうですが、いやー、もうこの作品を評する言葉がどうしても見つからなくて、今さらながら自分の語彙の少なさと表現力の貧弱さに落ち込むばかりなんですが…orz

泣いた~とか、涙が止まらなかった~なんていう表現では生ぬるくて、読んでて本気で嗚咽をあげてしまい、一人っきりの部屋で読んでたのが良かったのやら悪かったのやら大変複雑な心境に陥ったということだけ書いておきます…

村上たかしといえば、一昔前のヤングジャンプでの「ナマケモノが見てた」といったギャグ物のイメージしかオレは持っていなかったんですが、実際、作者さんにとっては本作が初のストーリー物だったんだそうです(詳しくは作者あとがきを参照してください)

ここでこの作品のタイトルに初めて触れた~といった人のためにも内容については一切触れませんが、マンガ大賞云々とは関係なく、是非とも一読をオススメしたい作品です!

~~
…久しぶりに「星守る犬」のことに思いを馳せてなんだかしんみりとしてしまったので、マンガ大賞は別として、オレが去年単行本を買って良かったと思った作品を軽く紹介して終りとしたいと思います~

Otoyome ●『乙嫁語り』森薫(一巻が発売中)

「エマ」の作者さんによる新作です……すっかりおっさんになったオレとしては、今さら年上好き~とか言ってると非常におかしな事になってしまうんですが(苦笑)、これはマザコンとはちょっと違う、男の”甘え”願望をひたすらくすぐられる素晴らしいこだわりに満ちた作品だと、勝手に断言してしまいますw

Coppelion ●『コッペリオン』井上智徳(六巻まで発売中)

お台場に建造された原子力発電所が大地震によって崩壊し、東京が放射能にまみれた死の都市と化している未来を舞台にしたアクション物です……正直、SF作品と呼ぶにはあまりにも荒唐無稽を絵に描いたようなムチャクチャなマンガなんですが、とにかく満ち溢れている怒涛のエネルギーに押し切られてしまいます

まだ新人なのにも関わらず、たった一人で(アシスタント無しで)週刊連載をこなしている作者自身のパワーを体感できること請け合いです

Jisatsu ●『自殺島』森恒二(一巻が発売中)

路上格闘をとことん突き詰めた「ホーリーランド」の作者による新作です

「バトルロワイヤル」を髣髴とさせる設定のサバイバルアクションですが、前作よりも遥かにエグい描写が満載で、間違いなく読者を選ぶ作品だと思います(汗)……でも面白い!

Torokeru ●『とろける鉄工所』野村宗弘(三巻まで発売中)

溶接って面白い!職人って凄い!奥さんかわいい!w

Rokujuoku ●『70億の針』多田乃伸明(三巻まで発売中)

開始当初は、「寄生獣」のパクリ?…みたいな感覚で読んでたんですが、二巻の後半あたりから全く先が予想できない展開になって来ました

Haccs ●『ハックス!』今井哲也(三巻まで発売中)

クリエイター魂を刺激されまくりというか、”人を楽しませるモノづくり”のワクワク感みたいなのを補充させてもらってます……マジですw

Pluto ●『PLUTO』浦沢直樹(全八巻完結)

手塚治虫という神様に真っ向勝負を挑んで、見事に一本勝ちを勝ち取ったというカンジでしたね

元の「鉄腕アトム」から大きく逸脱したかのようにみせて、最後には見事に原点に着地させた手腕にはため息が出るほどでした

~~
以上です!ここまで長々とお付き合い、ありがとうございました!!

マンガ大賞ノミネート作品はもちろん、もし機会があればオレが挙げてみた作品も読んでみて下さいヽ(=´▽`=)ノ

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[マンガ] 「孤独のグルメ」がまたまた復活!

2009-06-03 | マンガ

0906_09016月2日発売のSPAです…オレがSPAを買うのも去年の1月以来で、この時になんでオレがSPAと買ったのかと言えば…
0906_0902 そう、あの知る人ぞ知る「孤独のグルメ」の連載が復活したんですよ!…あくまで不定期連載ということなので、また次に買うのがいつになるやらというカンジですが(汗)
0906_0903 とにかくどんなカタチであれ、また新作が読めるとは嬉しい限りです
またもう一つニュースとしては、何とドラマCD化が決定したのだそうで…

公式サイト:

http://spa.fusosha.co.jp/kodoku/

井之頭五郎役には「24」のジャック・バウアーでお馴染みの小山力也というのも大いに結構なんですが、個人的にはニコニコ動画でアップされていた勝手に吹き替えバージョンも捨て難かったりしますw

しかしこの動画ってオレがマイリスに入れた4月頃どころか、ほんのしばらく前くらいまで再生数が2~3000くらいしか無かったと思うんですが…

ドラマCDが決定していきなり再生数がこんなに伸びたんですかね?(汗)

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[マンガ] トモガキ

2008-11-01 | マンガ

0849_2買うどころか、ヤンマガを手に取ったこと自体、果たして何年ぶりだろう…確か、「3×3EYES」の最終回が掲載された時(6年前)に記念に買って以来じゃなかったかな(汗)

オレとしてはヤンマガっていうのは昔からあまり馴染みがなくて、これまで雑誌の方を買ったことも数えるほどしか無いんですが…”ちばてつやがトキワ荘時代を振り返って描く”、というニュースを知った時から楽しみにしてました

0849_前後編で90ページということですが、まだちばてつやがトキワ荘の面々と交流する以前の頃の設定なので、(前編では)トキワ荘の描写はほとんど出てきませんでしたね

~不慮のケガによって急ぎの仕事が出来なくなってしまったちばに代わって、編集部が一縷の望みとして賭けたのが、当時、実力派が揃っていたトキワ荘の面々に代筆(ペン入れ~仕上げ)を頼むことだった…という所で終わってしまったので、ちょっと焦れったかったのも事実です(汗)

ただ、扉ページでは今回の前後編だけでなくて、”不定期連載開始”と大々的に謳っているので、これからじっくりとトキワ荘メンバー達とのエピソードを語ってくれそうなカンジ(…今回の人気次第?)なのが楽しみですね

あと印象的だったのは実の弟である、ちばあきおさんがマンガを手伝っているシーンでしょうか

最近、小林まことが少年マガジンの50周年企画の一環の「青春少年マガジン」という連載において、自らのデビューした頃の事を振り返って楽しかった事だけでなく、残酷なエピソードも涙ながらに綴ってるのが衝撃的でしたが…ちばあきおさんも悲劇的な結末を迎えてしまいましたからねえ(T△T)

このシリーズでは語られる機会は無さそうですけど、「キャプテン」や「プレイボール」が大好きだった人間としては、いつかちばあきおさんの事情が少しでも語られてくれるのも期待したいです…

081111追記:
後編を読みました…
いやはや、ちばてつやの圧倒的な筆致に久しぶりに触れられた気がします

40年もの間、一線級の漫画家であり続けた人間の思い入れを持ってすれば、これ程の表現ができるんですな

誰もが知ってるようで、実は「まんが道」という強烈なバイアスのかかったイメージしか持っていない、あのトキワ荘の知られざる側面がとても新鮮でした…まさに生き証人であり、類まれな表現力をも兼ね備えたちばてつやさんには、このシリーズをこれからもドンドン描いてもらいたいです!

(願わくばトキワ荘に関連したエピソードというだけでなく、ちば版の「まんが道」的な、漫画家人生を包括するような展開も大いに期待したいですね)

0850_ ←こちらは今回の最初のページ(扉から数えて2ページ目)で、後編のメインの舞台となるトキワ荘の外観なんですが、この一見、何でもないように見えるシーンが後でとんでもない衝撃となって胸に迫って来ますので、まだ味読の方は是非ご一読されることをお薦めします!

 

2019年追記:

このエントリを書いてから約十年が経過しましたが、つれづれにちば先生が自らの人生を4ページ毎のショートストーリーで回顧されている「ひねもすのたり日記」に、ちばあきお先生についてのエピソードが…

2021年追記:

ついに「トモガキ」が収録された「あしあと ちばてつや追想短編集」が発売されました!

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[マンガ] ヤンサン移籍組が判明?

2008-07-30 | マンガ

某掲示板からの情報なので、確定事項なのかはオレもわかりません

とりあえずヤングサンデーが休刊することで発生する連載の移籍組の情報が出てきたようなんですが、とんでもない事になってます(汗)

・「クロサギ」「イキガミ」「鉄腕バーディー」「土竜の唄」「とめはねっ」
 9/6(土)発売「ビッグコミックスピリッツ41号」から連載再開
 (「クロサギ」は「新クロサギ」に改題)

・「逃亡弁護士 成田誠」「LOST MAN」
 9/13(土)発売「ビッグコミックスピリッツ42号」から連載再開

・「おやすみプンプン」
 10月頃より「ビッグコミックスピリッツ」にて連載再開予定

・「RAINBOW」
 来春、「ビッグコミックスピリッツ」にて連載再開予定

・「Dr.コトー診療所」
 「Dr.コトー診療所スペシャル増刊号」に続きを掲載後、 「ビッグコミックオリジナル」にて連載再開

・「魔Qケン」
 9/25(木)発売「IKKI11月号」にて連載再開

・9/25(木)発売予定「YSスペシャル」にて続きを掲載
「さくらんぼシンドローム」「都立水商!」「GO-ON!」「美晴ライジング」
「ジャパファイブ」「あんころ。」「ドライブ・ア・ライブ」「暁のイージス」
「タナトス」「Odds」「花の都」「ビーチスターズ」

・「アオイホノオ」
10月発売予定「YSスペシャル」にて続きを掲載予定

・「まつろはぬもの」
 小学館コミック販売サイト「コミック小学館ブックス」にて配信予定
 (配信時期は調整中)

・「アイドルA」「CUT~活人~」については調整中

オイオイ…連載の大半(!)がスピリッツに移籍してくるんじゃないか!

うわあ…この異様な状況は、ヤンサン編集部とスピリッツ編集部の影響力のどちらが強いからこういう事態になったんだろう?

雑誌を休刊させるハメになったヤンサン編集部が無能扱いされるかと思いきや、これはむしろ、既存の連載作品をほとんど否定されたスピリッツ編集部の方が圧倒的弱者ですもんねえ…何だこれ…

この情報の真偽はまだ不明ですが、「アンデッド」は短期連載であることが明言されてますし、どうやらヤンサン組の受け入れ態勢を整えつつあるのは間違いないようですね…ということは、これからもまだまだ打ち切り同然の終了作が出てくる?(汗)

オレが単行本を買っている「イキガミ」「バーディー」「とめはね」等の移籍は死ぬほど嬉しいですが、こりゃ複雑な心境です…orz

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[マンガ] 雷句事件が佳境に

2008-07-29 | マンガ

Photo 漫画の原画の価値は? 「金色のガッシュ!!」訴訟で作者が意見陳述
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080728/trl0807281236001-n1.htm

~訴えによると、雷句さんは小学館側に原画を預けていたが、連載終了後に返却を求めた際、カラー原稿5点が紛失していることが判明した。小学館は1枚につき約5万円を支払うことを提示したが、雷句さんは「安すぎる」として提訴した

まあ、ニュースとしては↑このように説明される裁判なワケですが、作者本人としては、300万の金額がどうこうではなく(もちろん、後進の為に安く買い叩かれるような現状を憂いているのも確かでしょうけど)、小学館に対して一番求めたいことはぶっちゃけ、”(一部の)編集者の漫画家に対する態度を改めさせろ”ってことなのだと、オレは解釈していたんですが…

でも終始、”原稿料が不当に安い”ってことを争点にした係争にしかなっていないので、何だかモヤモヤしたカンジになっちゃってますね(汗)

一応、雷句誠の公式ブログの方で今日の出廷に至るまでの流れや考えが、陳述書の全文と共に公開されていますが…

雷句誠の今日このごろ。
http://88552772.at.webry.info/200807/article_8.html

やはり、原稿料の多寡に関してのコメントばかりです

…あれ?
編集者の行状云々については特に触れないまま…?

~ちなみに小学館側の答弁の内容は何と言うか、随分と非を認めてきました
~カラー原稿の財産的価値、賠償金の金額に関してはこれからの裁判所の意見も聞きつつ、話し合いで決めたい
~そして最後に、「早期に妥当な解決に至りたいと希望している。」で締めていました

この中に、”編集者の行状も改めさせる~”といった、大人の事情を含んだニュアンスが含まれてるんでしょうか?

~これほど、小学館側が素直に非を認め、争う姿勢を見せなかったのは、きっと、ひとえに皆様の応援の声のおかげだと思います

”皆様の応援”っていうのは漫画原稿の価値というよりも、漫画家”自身”の価値(地位)をもっと高くするべきだっていう趣旨に主に賛同してるんではないかっていうイメージだったのは、オレの思い込みだったのかなあ…

うーむ…モヤモヤが収まりません(汗)

あ、そういえば、こないだ会社の元同僚たちと一緒に飲んでいた際に、この事件の話題になったんですが、”裁判で原稿の価値が300万円とか認められたとすると、漫画の原稿っていうのも、ひょっとして固定資産税の対象になるんじゃないか?”っていうハナシが出まして…
その場にいた誰もが税金に対する専門知識を持っていなかったので、”もしそうなら大変なことになるんじゃないか?…そこそこ売れてる漫画家さんとか、何年分もの連載原稿が何千枚も保管してある人だって沢山いるだろ?”と、何だか意外な方向に(汗)

”絵画なんかと同じ扱いにするのは暴論だろ”、”でも美術的価値を認めるってそういうことじゃね?”、”もし遺産相続で子供が親の膨大な原稿を手放さざるを得なくなる~みたいな状況になったら泣けるなあ”、”下手したら描いた本人が手放すしかないような悲惨なケースも…”等々、酒の席なので勝手なことを言いまくってたんですが…

その事を踏まえると、今回の裁判が早々に和解勧告が出て、”あとは当事者同士の話し合いで(賠償金を)決めろ”っていう流れになったのも、ひょっとして小学館が(出版社側を代表して)数多の漫画家たちを守る為の行動に出た…?、とか思ったりしました

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[マンガ] ゆうきまさみは頼りになるなあ

2008-07-06 | マンガ

ゆうきまさみのにげちゃだめかな?
http://www.yuukimasami.com/sketchbook/

ヤングサンデーの休刊が目前に迫る中、オレが一番、連載の行方が気になって止まない、ゆうきまさみ氏が正式にコメントを出しました

~なんか以前にサンデーで打ち切り食らったときより悔しいね(笑)。これだけやってれば雑誌に対する愛着も出てきますからね、正直言って腹は立ててますよ俺

基本的に、この人は言葉を荒げるような発言はまずしないタイプの作家さんだと思うんですが(「はてしない物語」等のエッセイ作品では、デフォルメした自キャラに叫ばせたりしてますけどw)、だからこそ、端々から怒りと悔しさが滲み出て来るようなコメントが切実ですな

そういや「クニエ」も残念だったなあ…物語のかなり序盤みたいな部分で打ち切られてしまったので、あれはあの後でどういう風に展開させるつもりだったのかなと、ふと気になったりしますw

~「ヤンサン」を買ってくれていた読者を切り捨てるのか、『新・青春くん』はどうなるんだ、『神聖モテモテ王国』が還ってくる場所はあるのか!

そうだ!キムタクはどうなるんだ!

…って、それはそれとしてw

~僕も「どうなるんだろう?」と思ってたんですが、「『どうなるんだろう?』じゃねえよ。俺がどうしたいかだろう」と考え直しまして(しっかりしろ俺)、こんなことで終わるつもりは毛頭ありませんから全力で続行方法を検討中です。おそらくそれほど間を措かずにお知らせできると思いますが~

これは何て頼もしい!

どうやら、掲載誌を移動して連載を継続させるのは間違いないようですな

移籍先は(「バーディー」番外編も掲載された)サンデーGXですかね?…でもここは発行部数が極端に少ない(3万部前後で推移)からなあ(汗)
スピリッツは、SF系作品の「オメガトライブ」に対して物凄い切り捨て方をしたばかりですし…は!…まさか、「バーディー」受け入れの為に打ち切ったんじゃあるまいな…?

だとしたら、何という究極の選択…どちらも大好きな作品なだけに、あまりにもツラすぎます…(って、まだ何も決まったワケではありませんが(苦笑))

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[マンガ] 小学館問題

2008-06-10 | マンガ

雷句誠の提訴に対して、著名人による反論や賛同意見もネットで見られるようになって来て、事態は混沌としてきてますが…たけくまメモによれば、小学館側からの反論というか、現場からの生の声というのは今後も期待出来ないようですね(裁判の中以外では)

オレが今回の騒動でどうしても思い浮かべてしまうのが、土田世紀の名作「編集王」に出てくる”明治一郎”という編集者のことです

無頼漢的な態度で漫画家をゴミのように扱いつつも、プロフェッショナルとしての仕事意識を強烈に意識させる凄腕として描写されていたんですが…これは編集者と漫画家との間に信頼があってこその関係性なのは言わずもがなですけど、そういうのは端から見ても、信頼の有無なんて判断出来ませんからねえ

ただ単に罵倒するされるの険悪な関係なのか、”愛のムチ”なのか区別がつかない以上、裁判でも水掛け論になってしまうのではないかなという気がします(…ただ、原稿料のダンピングや恫喝的な態度という側面については一般社会的に見たら間違いなく小学館側が不利になるでしょうね)

でも、どうなんだろう…これまで多くの才能を無駄に潰して、捨てて来たことは果たして(マンガ業界にとって)必要悪だったりしたんでしょうか?

世界でも類を見ない、多様な価値観と創造性を育んで来た日本のマンガをオレは愛してますが、その影の部分についてあまりにも無頓着だったのかな…
スキル、センス、運によって左右される勝負の世界で、勝者と敗者が出てしまうのは仕方が無いことだと当たり前のように看過してしまってたのかな…

編集者たちの間で、私利私欲に駆られた犯罪まがいの行動が横行してるなら、それは断固、追求して然るべきですが、”全ては作品の為”と主張されたら、その手段の善悪の判断が非常に難しくなってしまいそう…

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[ニュース] 雷句誠が小学館を提訴

2008-06-06 | マンガ

少年サンデーの押しも押されぬ看板作家…だったハズ(汗)の、雷句誠が「金色のガッシュ」の連載を終えた後の自分のブログにて、”もう小学館の仕事を受けるつもりはない~”という、衝撃の発言をしていたことがファンの間で大騒ぎになっていたんですが…

どうやら、その原因が判明したようです

漫画原稿紛失、著者が小学館を提訴
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3870019.html

~「少年サンデー」に連載していた漫画の原稿を紛失したとして、著者が発行元の小学館を相手取り、330万円の損害賠償を求めて提訴

あー、原稿が紛失するというハナシはたまに聞きますね
特に中小の出版社で雑誌が廃刊になったりしたドサクサで(悪質なスタッフによって)生原稿が流出してしまい、「まんだらけ」のような古書店でプレミアが付いて売られる、といった事件も実際に問題になってましたしねえ…

まさか、小学館なんていう大出版社でそんなアホなことが起こったとは思いたくないですが…まあ、担当の編集者が単に紛失したのだとしても、アホな事態には変わりないですな(汗)

原稿が紛失した経緯がまだ明らかになってないので、ひょっとしたら小学館側にも同情すべき点があるのかもしれませんが、今頃担当者さんは(社内で)針のムシロ状態でしょうな…( ̄□ ̄;)

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[マンガ] ヤングサンデー休刊

2008-05-31 | マンガ

昨日、正式に小学館から発表されてしまいました…

小学館:「ヤングサンデー」など休刊(毎日.jp)
http://mainichi.jp/enta/art/news/20080530dde041040039000c.html
「ヤングサンデー」など3誌が休刊へ 小学館(asahi.com)
http://www.asahi.com/culture/update/0530/TKY200805300141.html
小学館、週刊ヤングサンデー休刊発表(NIKKEI NET)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080530STXKF024130052008.html

~連載の単行本や映像ソフトが売り上げを伸ばす一方、同誌の発行部数は95年末の68万部をピークに、最近は20万部まで減少していた

うーむ…3分の1以下にまで下落してしまっているのは確かにキツいですな
競合している集英社「ヤングジャンプ」や講談社「ヤングマガジン」が、共に95万部周辺をキープしていて一人負け状態な辺りも直接的な原因ですかね…
まあ、小学館の青年誌は他にもビッグコミック系がやたらと沢山ありますからねえ…今回は「スピリッツ」も危なかったように(汗)、同じ会社で互いに潰し合ってしまうのは怖いというか、勿体無い状況ですな

そしてやはり、単行本とかの売り上げは(作品別に見れば)結構あったようです
前にも書きましたが、サンデー系はそれが当たり前の印象だったんですけどねえ…出版界全体の売り上げの落ち幅が、雑誌の発行コストなどを軽く上回るようになったってのも大きいのかな…

あと最近の小学館関係で気になるニュースといえば、雷句誠の去就というか、ブログにおける言動も気になります

小学館と決別?「金色のガッシュ!!」作者にオファー殺到
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080530-00000915-san-ent

~「小学館のお仕事を受ける事はありません」-。週刊少年サンデーで長期連載していた人気漫画「金色のガッシュ!!」で知られる漫画家、雷句誠さんに、ほかの出版社や漫画雑誌の編集者から多数の仕事依頼が届いていることがわかった

ブログの文面なので作者の心情は推し量るしかありませんが、(小学館に対して)怒ってる…?

一体、現場(少年サンデー編集部)で何があったのやら…(汗)

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[マンガ] ヤングサンデーが休刊?

2008-05-19 | マンガ

<ヤングサンデー>小学館「休刊を検討」 Dr.コトー、クロサギが人気
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080519-00000017-maiall-ent

~同社広報室は「将来を見据えた経営判断に基づき、今後のあり方を検討している。休刊も視野に入れているが、最終的な決定には至っていない」

この記事が何でいきなり出てきたのか、何でヤンサンだけを狙い撃ちしたかのようなコメントなのか、事情がよくわかりませんが(株主総会が近いからかな?)…まあ、要するにヤンサンが売れていないってのは間違いない事のようです

オレはヤンサン本誌をほとんど購入したことが無いので偉そうな事を言えない立場なんですが、未だに「度胸星」を終わらせたことを恨みに思う気持ちは強かったりします(汗)

ただ、単行本を買い続けてる「鉄腕バーディー」「とめはねっ!」「イキガミ」「アオイホノオ」が終わってしまうのは非常に困るなあ…特にこの辺りはサンデー系の常として、(雑誌連載の人気には関わらず)単行本の売り上げでかなり稼いでるんだろうなと勝手に安心してたんですが、そんなに売れてるワケでもないのかな

結構な人気作を抱えてるにも関わらずに休刊の憂き目に遭ったマンガ雑誌というと、講談社のアッパーズを思い出させますが、あの時も、本当に看板タイトルくらいしか他所に移籍というカタチにはなりませんでしたからねえ…orz(今の看板というと、記事中にもあるように「Dr.コトー」と「クロサギ」辺り?)

社会人として考えると、こういうニュースが外に出たって事は、もう(小学館上層部では)ヤンサンの休刊がある程度既成事実化しているんだろうなというカンジですが(汗)、一読者としては、作者や期待している読者をなるべく裏切らないような処遇を切に期待するばかりです…

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[マンガ] オレ的「マンガ大賞2008」

2008-04-22 | マンガ

売り場の書店員さんが中心になって選ぶ、今一番”旬な”マンガ…ということで、3月28日に「岳」(石塚真一)が大賞と発表された「マンガ大賞2008」についての話題です…ちょっと遅きに失した感はありますが(汗)、少々お付き合い下さい

何がしたいのかというと、オレのブログでも取り上げた「マンガ大賞2008」のノミネート作品ですが、オレの目から見るとどうも女性読者の嗜好に偏っている気が強くしたので、ちょっとオレなりのノミネート作品を挙げさせて貰います

いや、別にオレ自身が大したマンガ読みでも無いことは重々承知してますし、実際、選に漏れた候補の中に高確率で存在したであろう作品を、ここでワザワザ挙げるのも僭越に過ぎるんですが…

”マンガ大賞”というキーワードを検索されて、オレのブログにヒットした方々に向けてちょっとした主張をさせて下さい(汗)

 *「マンガ大賞2008」における推薦と基本的に同じ条件(8巻以内で5作品)で選択してみました
 *作者名の50音順です

080422青木幸子 『ZOO KEEPER』(~5巻・講談社「イブニング」にて連載中)

青木幸子という作家についてオレは詳しく知りません…ネットで調べてみても、どうやら単行本になっている作品は本作のみのようです…「直木賞」という賞の本質が、本来は”新人作家に向けた賞”として設立されたという趣旨に照らせば、この作家が一番ノミネートされるに相応しいのかもしれませんね

内容は、動物園で飼育員として勤める主人公の女性が、”赤外線探知”を肉眼で行使できる能力を持っているという設定なんですが、”超能力を使って快刀乱麻のごとくビシバシ諸問題を解決していく”といったタイプの作品ではありません…能力はあくまで問題解決のとっかかりでしか無くて、主人公は周囲の仲間たちと共に、ひたすら努力と思考を重ねることで一歩一歩、解決に歩み寄って行きます

…そのストイックな姿勢が、作品に通底している確かなリアリティの描写に繋がっているのだと思いますね

そして描かれるエピソードは基本的にミステリーの体裁を取っているんですが、コアラ、ワニ、象、チーターなどよく知っているようで実は知られていない動物の生態や、人間が動物を飼育するということ、つまり動物園の存在そのものに対してビシバシ疑問を投げかけたりする内容が硬派で非常に面白いです

080422_2岩明均 『ヒストリエ』(~4巻・講談社「アフタヌーン」にて連載中)

作者の岩明均は「寄生獣」「雪の峠」など、長編も短編も内容を練りに練り上げる作風が特徴で、寡作ながらハズレを描くことも極端に少ない職人系の作家の一人として注目されています…って、マンガ読みの方にこんな説明は今更不要かと思いますが、一応(汗)

内容は、古代ヨーロッパにおいてかのアレキサンダー大王が史上最大の帝国を打ち立てた影で、書記官を務めていたエウメネスという人物に焦点を当てた歴史叙事詩です

書記官が主人公?…ということで、まずは面白さに懐疑的になってしまうかもしれませんが、このエウメネスという人物は非常に波乱に満ちた人生を送ってまして(作中で若き主人公が、オデッセウスの激動の英雄譚に自らの運命をなぞらえたりします)、淡々とした絵柄ながら、細部まで見事に計算され尽くしたドラマが詰まっています

そして遠い異国の地が舞台で、しかも歴史モノ…ということで、いきなり女性のマンガ読みの大半が敬遠してしまいそうですが(汗)、この作者はいつ・どこの時代を題材にしようが、”人間とは何か”という深遠なテーマを誰にでもわかりやすくエンターテインメントに昇華させて描写するのが得意なので、万人にオススメしたいですね

080422_3徳弘正也 『不老不死伝説 バンパイア ~近未来編』(~4巻・集英社「スーパージャンプ」連載中)

徳弘正也という作家はかつて少年ジャンプの黄金期において、「シェイプアップ乱」や「ジャングルの王者ターちゃん」などで下品さwを前面に出したギャグ作家としてその地位を確立しましたが、青年誌に移行してからはその下品さに加えて、高度な社会風刺とペーソスに満ちたSF世界観を持ち味とした作風に一大転換を果たしています…なので、昔のイメージを(悪い意味で(汗))引きずっている昔ながらのマンガ読みの方々には、是非とも一読をオススメしたいですね

内容は、不老不死で絶世の美女であるバンパイアの”マリア”を巡って、人間の欲望と野望と陰謀と、ほんの少しの希望がとことん渦巻くスリリングなマンガです

青年誌ということもあって、持ち味の下品なギャグ(ぶっちゃけ性描写)はかなり過激なんですが(汗)、この作者の前作「狂四郎2030」や「バンパイア」においてその描写は単なるギャグや意味の無いサービスシーンなどではなくて(そういうシーンももちろんありますがw)、とても必然性のあるシーンが大半なんですね…物語の上でセックスが物凄く重要な意味を持っているんです

あと確かにエロとグロの描写が陰惨な作品ではあるんですが、絵柄的には少年誌時代の見易いタッチのままなので、女性のマンガ読みの方も読んでみて欲しいです(…ただし、オトナ限定w)

最後にちょっと言い訳なんですが、この作品は厳密には、「~昭和編」という前シリーズと合わせて一つの作品になっていて、前シリーズ(全5巻)と合わせるとギリギリ8巻以内という条件をオーバーしてしまうんですが、どうしてもオススメしておきたいのでカンベンして下さい(汗)

080422_4日本橋ヨヲコ 『少女ファイト』(~3巻・講談社「イブニング」にて連載中)

デビューから10年以上、作者の日本橋ヨヲコは特に一般的にブレイクした作品があるというイメージはありませんが(あくまでオレの主観です…すみません)、「G線上ヘヴンズドア」や「極東学園天国」などの高校生の青春モノを得意とする作家です

ただ、この作者のマンガは読んでて胸がイタいんですよね…いわゆる、セカイ系というジャンルに分類するのが一番分かり易い例えだと思うんですが、キャラの若さゆえの内面や心理的な描写がとても鋭いので、こちらの気持ちが落ちている時などにうっかり読んでしまうと危険です(汗)

…とは言っても、この「少女ファイト」の場合は従来の強烈な描写は和らいでいるというか、キャラやストーリーが一般的な社会常識からは微妙に外れていつつもw、王道のスポ根マンガとして気楽に読める側面も大きいです

バレーボールというスポーツにしても、多数の登場人物が入り乱れる複雑な人間関係に立脚したコメディ・恋愛要素にしても、非常にしっかりしているという印象なので、安心してオススメ出来ますね

080422_5松本大洋 『竹光侍』(~4巻・小学館「ビッグコミックスピリッツ」にて連載中)

松本大洋というと、実写映画化された「ピンポン」や3Dアニメで完全再現された「鉄コン筋クリート」など、非常にクセのある独特な作風で知られた個性派作家ですが、今作の舞台は江戸時代で、やはり絵柄も内容もちょっと独特です

線が非常に少なくて、整合性という意味ではかなり崩れた絵柄なんですが、絵画というか絵巻物のような雰囲気が、非常にクセになりますね…コマ割りからして、定規でカッチリ引いたような線は皆無なので、とっつきは悪いかもしれませんが(汗)、決して読みにくい絵というわけではないと思います

内容は、とある事情で剣を捨てた若侍が(だから腰に差すのは竹光)江戸の町で暮らす様子を追いかけているんですが、江戸時代の文化、風俗、人情、そして少しだけ摩訶不可思議な世界がイキイキと描写されています…池波正太郎や、藤沢周平の世界がお好きな方には、文句なしにオススメ出来ますね

おっと、そうそう
この作品では時折、ひょいと顔を見せる”闇”が際立つ時に、えもいわれぬ快感が読者の背筋を駆け巡るのを忘れてはいけません…”闇”とは、主人公のものであったり、江戸の町を震撼させる辻斬りのものであったり、はたまた、名も無き町人のものであったりするんですが…まさに”人の世の闇”が、絶妙なスパイスとなって、この作品の印象を引き締めています

■■■
…とまあ、こんなカンジでオレ的「マンガ大賞2008」を書き出してみました

念のために書いておきますが、本家の「マンガ大賞」の方で挙げられていたノミネート作品がこれらの5作品よりも下だ、なんて言う気はさらさらありません(…が、敢えて、上だとも言いませんw)

以前のエントリにも書きましたが、あの一覧については、ほとんどの作品の単行本をオレも持ってますし、大賞を受賞した「岳」も素晴らしいマンガだと思います!

ただ、ちょっと、オレとしてはあのノミネートされた一覧にすら(オレの好きな作品が)挙げられていないと、なんか悔しかったので…

とにかく、これでちょっと溜飲が下がりましたw
もし、どこかで機会がありましたら、オレの挙げた5作品についても是非読んでみて下さい!

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[マンガ] 「マンガ大賞2008」ノミネート作品

2008-01-23 | マンガ

”書店員らがマンガ版「直木賞」を創設~”という触れ込みで開催される「マンガ大賞2008」のノミネート作品が出揃ったとのことです

「マンガ大賞2008」公式サイト
http://www.mangataisho.com/detail.html

個人的には選考条件の中で、”現時点で刊行されてるのが8巻以内”と限定されているのがちょっと引っかかりますが…

以下、ノミネート12作品

『海街diary 1 蝉時雨のやむ頃』 吉田秋生
『大奥』 よしながふみ
『岳』 石塚真一
『きのう何食べた?』 よしながふみ
『君に届け』 椎名軽穂
『皇国の守護者』 佐藤大輔、伊藤悠
『とめはねっ! 鈴里高校書道部』 河合克敏
『夏目友人帳』 緑川ゆき
『ひまわりっ -健一レジェンド-』 東村アキコ
『フラワー・オブ・ライフ』 よしながふみ
『もやしもん』 石川雅之
『よつばと!』 あずまきよひこ

うわ、この中で8作品読んでますね…オレw

…全てのマンガの中でベストかと言われると何とも言えないランキングですが(汗)、今、面白いと感じられる作品ばかりなのは確かです(オレの読んでるのだけでも)

それにしても、少女マンガについてはやはり普段からアンテナを張るのが難しいんですが、このリストに名前が挙げられてるのは読んでみたいですね…久しぶりにマンガ喫茶に行くかな

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[マンガ] 「孤独のグルメ」が復活!

2008-01-10 | マンガ

080109_01 1月9日発売の、扶桑社「SPA!」です…個人的に「SPA!」は、ちょっとふざけてはいるものの20~30代向けにかなり幅広いジャンルを扱ってるなあ、という印象の週刊誌です

昔、「ゴーマニズム~」が連載されてた頃に時々買ってた程度の雑誌なんですが…

080109_02 電車の吊り広告にあった”「孤独のグルメ」復活”という見出しに思わず今週号を買ってしまいました

「孤独のグルメ」とは谷口ジローという、知る人ぞ知る渋い絵柄の劇画作家が作画を手がけていまして、タイトル通り、とある男が一人っきりでご飯を食べる様子を描写するマンガです

ただ、一般的なグルメマンガとは違い、一流シェフが出てきたりとか、特産物を使った料理とか、安全に気を遣った料理とか、そんなのは一切出てきません…個人で小さな貿易商を営んでいる、中年の独身男が仕事の合間とかにふらっと立ち寄ったお店で、○○定食とかの何気ないメニューをひたすら食べるだけなんですが、これが何故か異様に面白いんですよ

料理そのものが主題ではあるんですが、料理を食べる主人公の心理描写が独特で、食事をしながら頭に思い浮かぶことがいちいち小市民的で、共感出来たり出来なかったりする落差も激しいんですがw、ハマる人は徹底的にハマるマンガなのは確かみたいです(表紙のアオリに”世界でロングセラー”とありますが、一体どこの国でこんな地味な作品が売れてるんだ?w)

080109_03 うはー…懐かしいですな

内容は主人公が仕事中に負った怪我で入院しているエピソードで、登場する食事も病院食…あれから10年が経過してる風でもなく、病院内でもまったく相変わらずのノリで面白かったです

でも今回の特別編は、新連載ではなくてあくまで春に発売される新装版につくおまけのようなのが残念!

本格的に復活してくれませんかねえ…

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[マンガ] アオイホノオ

2007-03-26 | マンガ

07141_1 ここ3週間ほど、ヤングサンデーを購入していました

07142 島本和彦が07143 内容は作者自身が大阪芸術大学に通っていた頃の経験を活かした内容になってまして…アニメ監督の庵野秀明やらサンデーの大御所作家やらが実名で登場してることがネットで話題になってたりしたもんですから、今まで買ったことのないヤンサンを買うことにしました

07161 間に一号を挟んで、後編が掲載された16号を先ほど読んだんですが…

いやはや、面白かったです!

ただ、まだ主人公の焔燃(ほのお・もゆる=炎尾燃の本名?)が一介の学生で、アニメーターか漫画家のどちらになるべきか、若さ特有の根拠の無い自信のせいで、そのどちらにもなれないなんて思いもしていない状態にあって、何て言うか、ちょっとイタいハナシになっているのがなんともw

一言で表せば”素人の浅はかさ”ということに尽きるんですが、この感覚は本当に痛いほど理解出来ますね(汗)

自分の頭の中だけで考えていることが、如何にも天才的で優れているという錯覚に酔ってしまって、他人の作品の全てをさも理解しているかのように平気で貶めることも厭わなかったり、実際に作品を作る立場になったことの無い人間が想像もつかない苦労が、制作の現場にはあることを知らなかったり…
挙げていけばキリがないですが、一見、単純そうな表現の裏にも、制作者側の多大な計算が込められていたりするのは当たり前なんですよね

結果からあれこれ言うのは簡単なことですが、ゼロからモノを生み出している苦労というのをもう少し…いや、作品を享受する側にそれを理解してもらう必要は無いんですが、さも理解した風に制作者側を貶めるような言動だけは(外野が)しちゃいかんだろうなあ、とはオレも常に自らに戒めていることではあります(それでもこのブログなんかでポロッと、こぼしちゃうこともありますがw)

なんかちょっと「アホイホノオ」の内容からは逸れてしまいましたが、制作者側の苦労を面白おかしく表現している「吼えろペン」と違って、まだ最初の一歩すら踏み出していない時期のおかしさを表現している「アオイホノオ」…その一歩を踏み出す直前の所でハナシが終わってしまったので、この続きが非常に気になるところではあります

言うなれば、ここからが「まんが道」の本番なわけですからね

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[マンガ] 打ち切り

2007-01-18 | マンガ

マンガ好きの方なら理解してもらえると思いますが、大好きなマンガが展開も半ばで強引に打ち切られてしまう、という事態はたまらんですよね…orz

Photo_58 ←これは、月刊シリウスというよく知らない雑誌で連載されていた「ロボとうさ吉」というマンガなんですが、この年末年始に積ん読状態だったマンガを片っ端から読んでて初めて最新刊が最終巻だったことに気づきました…

4巻まで壮大な物語の謎が少しずつ明かされるのを非常に楽しく読んでて、まさか5巻で終わっちゃうなんて思いもしてませんでした

女性作家特有の心情描写、深い設定、ひねりの効いた展開などを併せ持った少年マンガとしては、「鋼の錬金術師」や「結界師」といったメジャーマンガにも迫る面白さだと、個人的には感じてたんですけどね…

”打ち切り”という現実を目の前にすると、自分の見る目を疑っちゃうのがまたツラいです

遥かな未来の太陽系を舞台にした冒険活劇である「ロボとうさ吉」は、伊東岳彦がマンガ界から離れて久しい今、スペースオペラ好きのオレにとってはまさに待ち望んでいたカテゴリの作品でしたが…
まだまだ明かされてない膨大な設定や展開を描けなかった悔しさが作者さんのあとがきから滲み出ていましたが、次回作でまた頑張ってもらいたいです

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