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坐花酔月 徒然日記

 「花咲く処に腰を下ろし 月を眺めて酒を楽しむ」 この一年、どんな年になるのか。

劇団民藝公演「ほんとうのやさしさで」

2023-11-06 22:52:19 | 本・映画・音楽etc.
 
荘銀タクトでの公演。
今回は演劇ではなく、日色ともゑが茨木のり子の詩を中心に朗読するリサイタルという感じかな。伴奏にマリオネットの二人。
昨日までの疲れを癒せたか……か。


六月

どこかに美しい村はないか
一日の仕事の終りには一杯の黒麦酒
鍬を立てかけ 籠を置き
男も女も大きなジョッキをかたむける

どこかに美しい街はないか
食べられる実をつけた街路樹が
どこまでも続き すみれいろした夕暮は
若者のやさしいさざめきで満ち満ちる

どこかに美しい人と人との力はないか
同じ時代をともに生きる
したしさとおかしさとそうして怒りが
鋭い力となって たちあらわれる

茨木のり子詩集『見えない配達夫』(1958年刊行)所収
「六月」の詩は、1956年(昭和31年)に発表

荒野に希望の灯をともす

2023-10-27 22:34:39 | 本・映画・音楽etc.
 
今年のGWに、山形フォーラムで鑑賞した中村哲ドキュメンタリー映画『荒野に希望の灯をともす』が、「まちキネ」でも上映された。
私のような鈍い頭では、2回観て初めて気付くこと、理解できたことが多かった。

今、ロシアとウクライナとの戦争に加え、イスラエルとパレスチナとの紛争が起きた。悲惨な状況、市民の犠牲、子供の泣き顔、…、…。
映画の中では、水が引かれた故郷で銃を捨てて農業を再開するアフガニスタンの人々の感謝の表情、何より水辺で遊ぶ子どもたちの笑顔が一層輝いていた。

「正義と平和」のどちらを選択するかで、迷わず「正義」を選択するという政治家たち、この映画を観た後では戦慄する思いがする。

『江戸の落語』3冊 「青春新書」

2023-10-26 14:08:49 | 本・映画・音楽etc.
 
面白そうなUSED本を見つけて購入。

『江戸しぐさ』本から、変な(誤った)知識を授けられるより、こちらは活き粋きとした江戸庶民を識ることができる。
面白く楽しく読み進んでいる。

『落語で読み解く「お江戸」の事情』
◯著者:中込重明[監修] ◯発行:2003.5.15 ◯責任編集:㈱プライム湧光 ◯発行所:㈱青春出版社 ◯印刷:中央精版印刷 ◯製本:宮本製本
『古地図と名所図会で味わう 江戸の落語』
◯著者:菅野俊輔 ◯発行:2010.2.15 ◯責任編集:㈱プライム湧光 ◯発行所:㈱青春出版社 ◯印刷:共同印刷 ◯製本:ナショナル製本
『江戸の暮らしが見えてくる! 吉原の落語』
◯著者:渡辺憲司 ◯発行:2011.10.15 ◯責任編集:㈱プライム湧光 ◯発行所:㈱青春出版社 ◯印刷:中央精版印刷 ◯製本:宮本製本

演劇『サンシャイン・ボーイズ』

2023-10-23 22:45:42 | 本・映画・音楽etc.
 
我が家の窓から見える月山。これまで暑かったなと言っても、やはりこの季節、山頂は白くなった。


加藤健一と佐藤B作が主演する「サンシャイン・ボーイズ」を鑑賞した。この演劇は、昨年開演予定だったものがコロナ感染再増加のため延期となっていた。

二人の熱演は良かった。
トントン(ドアをノックする音)、「どぉぞぉ〜」の声が耳について離れない。


なんと会場タクトの最前列が鑑賞指定席で、目の前の壁のように迫る緞帳に圧倒されてしまった。隣の女性も同様の思われたようだ。いやータクト恐るべし。

ドキュメンタリー映画『百姓の百の声』

2023-10-22 20:51:19 | 本・映画・音楽etc.
 
満60歳の6月末で定年退職後、酒田市のJAに3年弱勤めさせてもらった。広報誌制作という仕事は、若い職員との取材や編集作業は楽しく、よい経験だったと感謝している。
農家ではなく農業経験もない私が、仕事を通じて農家や農業施設を取材させてもらった。農業現場を知ることは、いい年をした私でもワクワクとし、とても勉強になった。生産者の生きいきとした力強さを感じ、逞しく思ったものだった。




坂田 明 水晶の詠 東北ツアー2023 酒田編

2023-10-09 22:34:55 | 本・映画・音楽etc.
 

グリーンベイで、坂田明Liveが開催されると知った。コロナ禍も重なって、長らく休館していたグリーンベイで、またLiveが聴ける、しかもプレーヤーは坂田明! 是が非でもと予約し、一番乗りした。


Music Gallery Green Bay
Solarchis No.39

グリーンベイは、建築家・井山武司が設計した太陽建築Solarchis No39である。生涯51棟のSolarchisを設計・建築した中で、1997年に竣工した39番目の建物。そしてミュージックギャラリーと銘打つように、細部まで音響効果に拘って造り込まれている。
11月4日に開催される「太陽建築シンポジウム」のチラシも、配布させてもらった。感謝。


さて、本題の坂田明Liveは、とても良かった。
坂田明=フリージャズというイメージしか持っていないビギナーな私。文字通りの『つなみ』のように押し寄せるセッションは圧巻で、目を見張り心踊らされた。
また、休憩後に演奏された『役立たず』『死んだ男の残したものは』での歌唱や語りには、ググッと引き込まれてしまった。震災に対する思い、戦争への非難、チェルノブイリでの演奏……、そんなことを知り、その後演奏された『ひまわり』には、不覚にも目頭が熱くなった。
Bassの水谷さんの演奏も素晴らしかった。そして弓でお鈴を擦る演奏(効果音)も良かった。
Pianoの大森さんは、今ツアーのレギュラーピアニストの栗田妙子さんが体調不良とのことで、急遽呼ばれての演奏でした。坂田明COCODAのピアニスト。椅子から落ちるのではないかと気を揉むほどのセッションと、美しい『ひまわり』の演奏は心に響いた。


坂田 明 Sax・Vocal・Bells


水谷浩章 Bass


大森菜々 Piano


Guest 松本健一 Sax


とても素敵なひとときを過ごすことができた。感謝感謝。


僭越ではありますが……、ありがとうございます

「太陽建築シンポジウム」もよろしくです。

遊劇祭2023 in 旧小池薬局恵比寿屋本店

2023-07-02 21:35:47 | 本・映画・音楽etc.
 
演目と出演者
◯「女の子ビュッフェ」
 演劇プロジェクト全力演劇(山形) 
 作:伊藤穂(劇団のら)、演出:吹雪ビュン
 出演:新関麻美、大橋茉歩、皐月れみ
◯コンテンポラリー・ダンス「新羅万象」
 加藤由美(山形) 舞踏家/振付家
◯「結婚式しようよ」
 塩会(新潟) 
 作:小林葉月、演出:塩会
 出演:吉田わかな
◯創作ダンス「そこにあるもの/在ったもの」
 菊池将晃・秦玉美(鶴岡) 
◯「蟹」?
 劇団@nDANTE(山形・新潟)
 作・演出:石川kenjiro-
 出演:白井しろ、石川kenjiro-、保科空良 の中の2人


表現集団エッグ・プロジェクト主催の演劇イベントが旧小池薬局恵比寿屋本店で開催された。
小さなホールでの、各回定員35人に限定した鑑賞会だ。しかも席は最前列……、否応なしに気分は盛り上がった。


「現代舞踊」というのは、私にはよく分からないが、全体的に良かったと感じた。3組の演劇は良かった。最後の蟹の家族ストーリーでは、笑いの壺に嵌まってしまい、久しぶりに涙が出るほど笑ってしまった。でも本当は爆笑演劇ではなかったのかも知れないが……。
よかったヨカッタ。



罠 作 ロベール・トマ

2023-06-29 21:00:05 | 本・映画・音楽etc.
 
俳優座劇場プロデュース 演劇『罠』を鑑賞してきた。


チラシが「あなたは見破れるか!」と、挑発している。誰が犯人か推理しながら演劇に浸っていく。面白い。
加藤忍演じるエリザベートの高らかな笑い声が、耳から離れない。
そして、まんまと罠にハマってしまった。


(photo:岡山市民劇場HPより)

いやぁー、イイもんですなぁ、演劇は。

わが青春つきるとも −伊藤千代子の生涯−

2023-06-08 16:46:16 | 本・映画・音楽etc.
 
治安維持法下で弾圧され、24歳で獄死した日本共産党最初の女性党員で、社会活動家の伊藤千代子の生涯を描いた作品。「わが青春つきるとも −伊藤千代子の生涯−」を観てきた。
申し訳ないが、共産党プロパガンダと言ってもイイような内容とも思えた。それとは別に「志をもって必死に生きた」女性と記されているが、精神を壊してまでも盲信(?)する姿は、なんとか教会の女性信者と重なって見えてしまったとは言い過ぎか。なので社会主義や共産主義の歴史をもっと詳しく知りたいと思った。明治・大正時代にも社会主義活動の女性はいたのに、なぜ伊藤千代子にスポットなのか……と、同時に伊藤千代子の夫である浅野晃という男の88歳で亡くなるまでの生涯も知りたいと強く感じた。この男の変節の言い訳を知りたい、でなければ千代子さんが浮かばれないのではないか? 浅学で物知らずの私だからか、そんなふうに感想をもってしまう映画だった。

人間は遺伝か環境か? 遺伝的プログラム論 著:日高敏隆

2023-06-07 09:32:21 | 本・映画・音楽etc.

「『人生とは遺伝的プログラムの具体化なのだ』という視点に立って人間というものを見直してみよう」と締めくくっている。う〜む、私の足りない思考では「そうなんだろうな、でも…」と、少々不完全燃焼だ。ちょっと結論を期待しすぎたのかもしれないな。久しぶりに日高先生の語り口の文章を読むのは楽しい。

『人間は遺伝か環境か? 遺伝的プログラム論』
◯著者:日高敏隆 ◯対談:佐倉 統 ◯発行:2006年(平成18年)1月20日 ◯発行者:細井秀雄 ◯発行所:㈱文芸春秋 ◯印刷所:大日本印刷 ◯製本所:大口製本

荒野に希望の灯をともす

2023-05-05 18:07:20 | 本・映画・音楽etc.
山形フォーラムで上映された、中村 哲 医師のドキュメンタリー映画『劇場版・荒野に希望の灯をともす』を鑑賞してきた。
困っている人たちに手を差し伸べること、銃を農具に持ち替え故郷の土地を耕すこと、人間は自然の一部に過ぎないこと、争いのない平和な世界とは、感謝の心と笑顔だと中村医師の貢献の記録を観て、思いを新たにした。
用水路を作り、砂漠に水が流れ、緑が広がった。そこで子どもたちが水遊びをする。そこに、背格好のよく似た亡き次男の姿を見た中村医師の心情はいかばかりであったか、不覚にも涙を禁じ得なかった。
今、日本を危うい国へと舵をきる岸田政権を非難しなければならない。

BOWIE MOONAGE DAYDREAM

2023-04-21 14:00:00 | 本・映画・音楽etc.
 
彼が見ていた、無限の世界へ。
BOWIE MOONAGE DAYDREAM

山形フォーラムで鑑賞した。
う~ん、面白い! が、熱烈なBOWIEファンではない私には、字幕がスッと入ってこない場面もある。でも総じて映像も音響も良かったと感じた。
熱烈なファンのカミさんは、大満足の様子だ。


でも、こんな普段顔のBOWIEもいいんだけどね。

黙らされず「戦争は嫌」声をあげよう

2023-02-03 20:26:31 | 本・映画・音楽etc.
昨年末に餅つきをしていると、町内で民生委員をされている白幡さんが配布物を届けに訪れた。その後引き返して曰く。
「また、日曜版しんぶん赤旗を購読してもらえないか」的な勧めで、新年から配達してもらっている。

今週号の1面に田中優子氏が、「防衛費」と「敵基地攻撃能力保有」について「国会審議も総選挙もなく戦後の安全保障原則の大転換勧めている」と指摘し、アメリカが攻撃されれば日本は相手国を攻撃することになり、「相手国からの報復は自衛隊や米軍の基地がある日本列島全体が攻撃対象になる」と、歴史を識り、身近な体験のある田中氏は強く反対する。「今、早く戦争回避の行動をしないと間に合わない。外交で戦争を起こさない努力をするなど多くの努力が必要だ。多くの人が言い続けなければ政府はその努力をしない」と危惧している。(2/5付日曜版赤旗)
まったく同感であり、岸田政権には失望より怒りを覚える。因みに私は共産党員ではない。だからこそ自民党の岸田さんに不快感を覚えるのだ。

田中優子著「江戸から見ると1」の中で、故翁長沖縄県知事の平和宣言(20150623)から「戦争の犠牲になられた方々の安らかであることを心から願い、恒久平和を切望している」、「一人ひとりが積極的に平和を求める強い意志を持つことが重要だ」と痛切な願いを読み解く。そして安倍晋三首相の「積極的平和主義」とは異なることに気付かねばならないと指摘する。

「積極的平和主義」について、故半藤一利氏は著書「歴史と人生」の中で、「国の外に敵を想定し、危機感を煽り、挙国一致、精神総動員で国民を愛国化すれば、内なる憂いは解消すると、偉い人は考える。だからアメリカの『世界戦略』に協力すべきだという『積極的平和主義』はその最たるものだ。排他主義を正面に押したて、味方は「ここからここまで」ときちんと区分けすることを愛国の本質とする、そんな排他的同調主義の時代の到来は本当に恐ろしい」と、やはり危惧している。そして「集団的自衛権」とは、内田樹氏の言葉を借りるとして『他人のケンカを買って出る権利』だと。他人とはもちろんアメリカのことで、「戦後70年近くで築いてきた国際的信頼という最大の国益を失うことになる」と危機感を示した。

自民党の岸田さん、頼むから国民の声を聞け。